2013年04月30日

退路

かなり古いニュースになってしまい恐縮ですが、今日ニュースを見ていて思い出しました。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130408-00000015-pseven-soci
>>> 暴言事件で皇太子ご一家の護衛警官増員 スキー客から不満も
NEWS ポストセブン 4月8日(月)16時6分配信

 3月26日午前11時過ぎ、皇太子ご一家は3泊4日の日程で長野県奥志賀高原でのスキー旅行へ出発するため、東京駅に到着された。

 皇太子ご一家は駆けつけた人々に手を振りながら、改札口へと向かった。

 ご一家が改札を通り過ぎた、そのときだった。雅子さまを震撼させる事件が起こる。その場に居合わせた60代ぐらいの男性が、

「税金泥棒! 仮病・さぼりの税金泥棒! 皇室から出て行け!」

 と大声で罵声を浴びせたのだ。突然の出来事に驚かれた雅子さまは、愛子さまの手をさっと掴まれ、ご自分の体のほうに寄せられ、一瞬凍りついたご様子だったという。

 この事件の影響からか、滞在先の奥志賀高原スキー場も緊迫した雰囲気に包まれた。

 ご一家が宿泊されたホテルの周辺には、パトカーや警察車両が数多く止められていた。スキー場には不釣り合いな服装の警察官が宿泊客やスキーヤーたちをくまなくチェック、さらにスキー場を訪れた車のナンバーの照会まで行っていた。

 ゲレンデでも異様な光景が…。貸し切りでないにもかかわらず、スキー板を着用した護衛の警察官30人ほどが皇太子ご一家を取り囲みながら、ゲレンデを滑走。皇太子ご一家と知らずに、後ろから猛スピードで近づいてくるスキーヤーがいれば、前に回り込み、壁を作ってスピードを落とさせる。そのため、一般客からはこんな不満の声が噴出した。

「一般のスキーヤーに迷惑をかけるのはおかしい。ここまでするのなら、時間外に滑られたほうがよろしいのでは」

「どうして滑るコースを警察は邪魔するのか。ここは貸し切りではないはずです」

「スキーを楽しむ体力があるのなら、なぜ公務がおできにならないのか」

 最終日(3月29日)、皇太子さまと愛子さまはスキーを楽しまれたが、雅子さまの姿はゲレンデにはなかった。

※女性セブン2013年4月18日号
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このニュース、たしか配信当日か翌日あうたりに見た記憶があるんですが、「精神疾患に対する無知」がどうたらこうたらという内容がかなり多かったと記憶しています。

それはそのとおりなんですが、「お辛いなら雅子さまに『退路』を」という声がほとんどなかったんですよね。

決して私は、反皇室系左翼みたいなことを言うつもりはないし、加勢するつもりも全くないんですが、純粋に「世論ウォッチャー」という立場から見ると、もう少しあっても「不思議ではない」んじゃないかと思ったんですが、予想外に少なかったのがとても印象に残りました。世論にしては珍しくマトモでしたね。

はたして「反皇室系左翼」がまったく国民の共感を得ていないのか、あるいは「退路」という視点が世論には少ないのか。いじめ・体罰問題を探究しているときから思っていたことですが、どうも「退路」という視点が世論には少ないような気がします。もちろん、そう簡単に「撤退」できる場合ばかりではありませんが、多くの場合、「撤退」が一番の策です。世の中の大抵のことは、その場から去れば解決(問題自体が消滅)します。ですから、雅子さまのご病状も辞めれば――まあ、皇太子妃を辞めるなんてことは出来ないとは思いますが――回復するかもしれない。いつもハチャメチャなことをいって楽しませてくれる「世論」なのに、急に「雅子さまの精神疾患を理解しよう」だなんて「現実的」なことを言い始めたのは、「世論」にしては珍しくマジメに考えたのか、それとも「退路」という視点が抜け落ちているのか
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2013年04月29日

自立的民族経済と南朝鮮

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130428-00000015-rcdc-cn
>>> 日本・安倍政権の歴史歪曲は許せないが経済協力は続けるべきだ―韓国外相
Record China 4月28日(日)19時0分配信

2013年4月27日、国際在線は記事「韓国外相、対日外交は政治と経済を分けるべきと発言、対中国は政治も経済も親密に」を掲載した。

韓国紙・中央日報によると、韓国の尹炳世外相は26日、韓国外交協会第41回定期大会で挨拶した。尹外相は「隣国の国家指導者による歴史を歪曲する言動は、両国が手を携え美しい未来を作る努力とかけ離れたもの。遺憾に感じる」とコメント。日本の政治情勢を見るにこうした傾向はしばらく続くとして、“政経分離”の原則で日本との経済協力を続けるべきだと話した。

一方で中国とは“政熱経熱”と政治も経済も緊密な関係を築かなければならないと発言。24日に訪中した際、中国の王毅(ワン・イー)外交部部長と会談。今までの“政冷経熱”の関係から“政熱経熱”の関係へと発展させていくことで共通認識を得たという。(翻訳・編集/KT)
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『労働新聞』チュチェ87(1998)年9月17日づけの指摘のとおり。南の連中は何度同じ事を繰り返しているんだかww

以下、朝鮮新報の過去の記事から一部抜粋して引用。太字化処理は当方によります。
http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/sinboj1998/sinboj98-9/sinboj980925/sinboj98092570.htm
>>> 自立的民族経済建設路線を最後まで堅持しよう
「労働新聞」と「勤労者」の共同論説(要旨)

 朝鮮労働党機関紙労働新聞と政治理論誌「勤労者」の共同論説「自立的民族経済建設路線を最後まで堅持しよう」(労働新聞17日付に掲載)の要旨は次のとおり。

(中略)

 自立と依存、これは当該国と地域経済の前途を左右する分岐点である。どちらを選択するかによって、経済建設の目的と方向、経済構造と威力が根本的に変わってくる。ある人は、自立か依存かという歴史の問いに答えることができるのは時間だけだと述べた。今やその問いに答えるときがきた。

 現実は厳格な審判員である。世界の舞台ではこんにち、一時は繁栄していたかのように見えた外勢依存経済が一朝にして破たんする事態が相次いでいる。その苦汁をどこよりも多くなめているのが南朝鮮経済である。南朝鮮では現在、多くの企業が相次いで破産し、生産が急激に減退しており、失業者が急増している。南朝鮮経済は結局、外国によって成長を装った「バブル経済」に過ぎない。

(中略)

 自立の道は、国と民族の自主権を強固に守っていく道である。

 金正日総書記は次のように指摘した。

 「経済的に自立してこそ、国の独立を強固にして自主的に生きることができるし、思想におけるチュチェ、政治における自主、国防における自衛を確固として保障し、人民に豊かな物質文化生活をもたらすことができます」

 経済的自立は、政治的独立の物質的基礎である。自立経済というしっかりとした柱で支えられていない政治的自主権は、空論に過ぎない。

 民族的復興を志向しない国と民族は世界にない。しかし、民族の復興のために奴隷的な屈従を甘受しなければならないのなら、それは真の繁栄とはなりえない。民族の生命は自主性にある。国を愛する人ならば、民族的尊厳を売ってまでもよい暮らしをしようとする傾向を絶対に許すべきではない。いかなる場合においても、侵害されてはならないのが民族の自主権であり、そのために必要なのが経済的自立である。

 こんにち、わが国が政治分野で自主権を徹底的に堅持しているということは、世界が認める事実である。経済的に外国に縛られていないので、われわれは誰にでも言いたいことをはっきりと言えるのだ。制裁を加えるのなら加えるし、封鎖をするならせよ、われわれは絶対に奴隷にはならない、というのが自立の力で生きていく朝鮮人民の心意気である。敵の反革命的攻勢が集中している中でも、わが国が社会主義の砦として必勝不敗の威力を全世界に誇示しているのは、自主政治が自立経済によって裏打ちされていることに重要な秘訣がある

 自立路線が確固たる政治的自主性をもたらすとすれば、対外依存路線は必然的に政治的従属を生み出す。国際通貨基金(IMF)の信託統治下に入った南朝鮮では現在、予算作成と証券市場の運営、賃金水準と失業率の調整など、あらゆる経済活動がその監督と統制のもとで行われている。経済体制とその運営方法も、さ細な資金流通も現地の経済「総督」が調整する南朝鮮では、自主政治の影すらも見当たらない

(後略) <<<
 いやあ情けない情けない。外国依存の従属経済国家・南朝鮮の哀れな姿ですわ。

ちなみに、この「自立的民族経済建設路線を最後まで堅持しよう」という論説記事は、TPP関連でもまたいつか使いたいと思っています。業務連絡。
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2013年04月24日

セルフ洗脳

中国爆発記事で有名な如月隼人さん。今日は共和国について書いておられます。すげえテキトウな「解説記事」。。。

でもまあ、世間標準では事実報道の部分もバイアス満載であるところ、如月さんの場合は、比較的ハッキリと分かれているので、良い方か。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130424-00000032-scn-int
>>> 北朝鮮「米国の誤判断は歴史的敗北を招くだろう」
サーチナ 4月24日(水)13時48分配信

 北朝鮮国営の朝鮮中央通信は23日、米国の誤判断は歴史的敗北を招くだろう」と題する論説を発表した。半島情勢を巡り米国が北朝鮮を「危険な誤判断」、「軽率な行動」と批判していることに反発し、「誤判断」、「軽挙妄動」をしているのは米国であり、朝鮮戦争についてのブラッドレー統合参謀本部議長の言葉を引合いに出して、米国は再び「史上最大の歴史的敗北だけをもたらすであろう」と主張した。

 米国について「われわれに対する無知と朝鮮半島の変化した政治的・軍事的力の関係に対する誤った判断にもとづいている」、「米国は、軍隊と人民が領袖の周りに志と情で固く団結したわれわれの一心団結とその威力について知らない」と主張。

 米国の対北朝鮮政策としては、「核兵器による恐喝を柱とする武力侵攻」とともに「内部崩壊を狙った思想的・文化的攻勢と経済制裁」により、「わが国の制度を崩せると判断している」、「このような対外政策が他のところでは通じるかも知れないが、わが共和国には通じない」と宣言した。

 自国の核兵器保有については「今日の朝鮮半島も過去の朝鮮半島ではない」、「朝鮮は列強の角逐場として無残に踏みにじられていた過去の弱小国ではない」と主張。自国が核武装をしたことにより「戦争勃(ぼっ)発の危険は著しく抑止されるようになった」と主張した。

 米国に対して改めて「今からでも旧時代的な対朝鮮政策から速やかに脱する方がよかろう」、「米国の誤判断は、史上最大の歴史的敗北だけをもたらすであろう」と論じ、最後の部分を「60年前の朝鮮戦争は、誤って選んだ場所で、誤って選んだ時間に、誤って会った相手と戦った誤った戦争であったと言った先任者らの言葉は、現米行政府にとっても慎重に受け止めるべき教訓となる」として締めくくった。

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◆解説◆
 同論説で注目されるのは、「朝鮮は列強の角逐場として無残に踏みにじられていた過去の弱小国ではない」との部分だ。朝鮮戦争、あるいはそれ以降の南北対立の状況も踏まえて北朝鮮が「列強」と断じているのは、第一に米国を指すと考えてよい。しかし、「角逐場」と言うからには“相手”があるはずで、その相手とは中国の国を思い浮かべることは困難だ。

 つまり「自国は大国の勢力争いの犠牲になってきた」との主張にも等しく、北朝鮮が中国にも根深い不信感を抱いていることが分る部分だ。

 なお、朝鮮戦争について「誤って選んだ場所で、誤って選んだ時間に、誤って会った相手と戦った誤った戦争」と米議会で証言したのは、オマール・ブラッドレー統合参謀本部議長(当時)。ただし、ブラッドレー議長の発言は、同戦争に軍を送り込んだ中国を念頭においた発言で、北朝鮮を“恐れた”意味合いはない。(編集担当:如月隼人)
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解説部分の2行目、「北朝鮮が中国にも根深い不信感を抱いていることが分る部分だ」。読んでいて「何を今更」と思いました。共和国がしきりに繰り返す「チュチェ(主体)」や「チャジュ(自主)」といったキーワード、とりわけ共和国の国是である「チュチェ思想」は、反ソ反中の文脈から出てきたものですよ

まさか、共和国が従前から中国を完全に信頼してきたとでも思っているんですか? 共和国は従前から、決して他国を全面的には信頼していません。たとえ中国でも。 もし、昨今の「中国が北朝鮮を見限ろうとしている」といった言説に乗っかって、「ようやく北朝鮮も『中国がウリナラを見限ろうとしているニダ…もはや中国も信頼できないニダ!』と気がついたに違いない!」とか思っているなら、もう少し勉強したほうがいいでしょう。あくまで平壌運転、、、じゃなくて平常運転なんですから。

解説部分の3行目、「ただし、ブラッドレー議長の発言は、同戦争に軍を送り込んだ中国を念頭においた発言で、北朝鮮を“恐れた”意味合いはない。」の部分について。

朝鮮総連機関紙『朝鮮新報』(インターネット版)のチュチェ99(2010)年10月29日付け「軍事分野で深まる朝中友好 「地域安定」目指す協調体制」には、以下のように書かれています。
http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2010/05/1005j1029-00001.htm
>>>(前略)
「参戦60周年」を機に再確認された朝中の「血盟関係」には、他の二国間関係にない特徴がある。それは社会主義理念の共有だ。朝鮮労働党と中国共産党はともに「プロレタリア国際主義」の旗印を掲げる政党だ。その精神に立脚するならば、反帝国主義と社会主義発展のため私心なく相互支援するのは当然の道理だ。また、現実問題として社会主義国家である朝鮮と中国は山河連なる隣邦であり、地政学的にも共通の利害がある。
(後略)<<<
上掲記事にもあるように、共和国は、祖国解放戦争(朝鮮戦争)の性質を「プロレタリア国際主義の発露」として捉えています。

従前から自国を自主勢力として位置づけ、「自主・平和・親善」の旗印の下で全世界の自主勢力と「プロレタリア国際主義」に基づいた連携・連帯を表明している共和国政府が、この文脈でブラッドレー発言を取り上げるというのは、現在の「朝米関係」は本質的に「全世界の自主勢力と帝国主義勢力の関係」であるという認識のもと、「もしアメリカが自主勢力の一員である共和国に手を出そうとすれば、朝鮮人民のみならず、中国を含めた全世界の自主勢力を敵に回すことになる」といいたいのでしょう。アメリカが共和国を単独で恐れているか否か」といったレベルではないのです。

さらに言えば、祖国解放戦争の時期、アメリカは核兵器をほぼ独占(開戦時点でソ連の最初の核実験からまだ1年たってないし)し、圧倒的な軍事力を誇っていました。しかし今や、共和国も自前で核兵器を保有するに至った。そして「千万軍民の一心団結」もある。共和国の普段の主張から考えて「祖国解放戦争期の中国人民志願軍に比肩する力を我々は持っている」という意図もあるでしょう(本当に比肩する力を持っているかどうかは、さておき。プロパガンダですから)。

前回の記事で「ある出来事や行為が「義」か「不義」かというのは、それを判断する人間の「立場」、端的には「階級性」に左右される」とは述べましたが、プロパガンダや外交交渉のためではなく、真剣な対応を考えるための資料としての記事であるならば、「階級性」を乗り越え「事実性」に迫っていただきたい。そのためには、もうすこし「ピョンヤン発」の情報に当たってほしいものです。「ピョンヤンの主張内容」が事実かどうかはさておき、「ピョンヤンは、そういうことを言っている」のは事実ですから、少なくともそれは正面から受け止めるべきです。前回の記事では、「プロパガンダや外交交渉のためにコジツケ・スリカエは、そんなにオカシイことではない」としましたが、あくまで事実を見据え、自覚的にコジツケ・スリカエを展開している場合のみの話です。自覚なきコジツケ・スリカエは、自分で自分にダマされるようなものです

まあ、冒頭にも述べましたが、如月さんの記事は、最近ちまたに溢れる共和国関係の「解説記事」のなかでは比較的良いほうですけどもね。果たして昨今の「解説記事」は自覚的なコジツケ・スリカエなのか。ピョンヤンの動向の記事なのに、ピョンヤンの主張をロクにチェックせずに想像で穴埋めしながら書いていないか。その結果として、自分で想像したストーリーを自分に刷り込んでいないか(それも無自覚に!)。もちろん、私にも言えることです。
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2013年04月22日

「挑発」と「道理」

共和国に関するここ最近の情勢を見るに、どうも「挑発」というキーワードが新しく西側メディアの「辞書」に載ったようです。

「挑発」――きわめて二分法的、すくなくとも複数の「立場」を想定しての使用される言葉です。そして、多くの場合、自らを「義」の立場に位置づけ、相手方を「不義」の立場に位置づけて用いられる言葉です。字義によらずとも、昨今の共和国に対する日本の敵対的風潮を見ても明らかでしょう。

しかし、ここで敢えて共和国の立場から今回の情勢を見てみると、どうなるでしょうか。「人工衛星運搬ロケット」も「長距離弾道ミサイル」も一緒くたにする「国連決議」は「挑発」ではないのか、明らかに北侵演習である「米韓合同軍事演習」にB2爆撃機を投入する、これは果たして「挑発」にならないのか。アメリカによる諸々の対共和国敵視・敵対政策はどうなるのか。共和国が掲げるチュチェ思想は、ある出来事や行為が「義」か「不義」かというのは、それを判断する人間の「立場」、端的には「階級性」に左右されるとしています(マルクス・レーニン主義からの継承)。おそらく共和国当局は、こうしたアメリカ側の動きこそが挑発であり、それはすなわち、帝国主義の本性が現れている証左であると、結構本気で考えているでしょう

私もわざわざ「共和国」と呼称するくらいですから、共和国当局の立場と見解には共感を覚えています。他方で、「だからと言って何も、ホンモノの長距離弾道ミサイルの発射準備までしなくても」とも思っており、「挑発」という汚名を着せられる原因の一端を自ら作っているとも思っています。そうした立場から昨今の情勢を見ていると、昨今の風潮は、あまりに「西側の視点」に偏りすぎていると思います

しかし、これはこれである意味においては正しいと思います。先ほども述べたように、「ある出来事や行為が「義」か「不義」かというのは、それを判断する人間の「立場」、端的には「階級性」に左右される」わけです。「現在の国際社会の常識」においては、日本は「日本の立場」から物事を見、評価するのは当然であり、わざわざ敵国を利するような評価を下す必要はないからです。

国際政治・国際経済なんてそんなものです。自国は何処まで行っても自国の立場を貫く。もちろん、他国にまったく配慮しないのも問題ですが、だからといって何も敵国を利するようなことをする必要はないのです。そういう意味では、アメリカによる対共和国敵視・敵対政策には目をつぶり、徹底的な従米姿勢に基づき、自国を「義」、共和国を「不義」とレッテル張りする姿勢は、「日本の立場」としては至極当然なのであります。しかし、それは逆に言えば、国際政治や国際経済の舞台で語られている言葉なんて、きわめて「立場的」「国家的」「階級的」なシロモノであり、あまり客観性のある言葉ではないのです。

共和国への対応を見る限り、アメリカ側の行動を完全に棚上げしている自民党政権は「グローバル・スタンダード」に近い国際感覚を持っているように感じられます。問題は、いわゆる「世論」です。果たして「世論」は、その点をわかって「挑発」という言葉を使っているのか。そもそも客観性に乏しい文脈で使われている単語であるにもかかわらず、どうも本気で使っているように思えてなりません

いまは日本の方がパワーバランスにおいて圧倒的に「強者」の側についているので良いですが、もし、まったく別のフィールドであったらどうでしょうか。そこでは、日本のほうがグレー(それもかなりクロに近いグレー)な行為を行っているが、それは日本の国益からすれば、どうしても中断するわけには行かない行為であったら。おそらく、利害相手国は、これ見よがしに「道理」だとか「筋」だとかを持ち出し、日本側の抵抗に対して「不義」だとか「挑発」だとか言ってくるでしょう(すでに中国共産党政権が尖閣諸島をめぐって「日本の挑発」とか言っていますし)。果たしてそのとき日本の「世論」は、利害相手国の「道理にかなった批判」とやらを受け入れ、自ら茨の道、没落の道を歩むというのでしょうか

驚くべきことに、戦後の長い期間、日本は、利害相手国の「道理にかなった批判」とやらをバカ正直に受け入れてきました。しかし、いまやそんな余裕はありません。そろそろ「グローバル・スタンダードな国際政治・国際経済の文脈における『義』とか『不義』なんてものは、客観性に乏しいものだ」ということに、世論レベルでも気がついてほしいものです。

もっとも、「『現在の国際社会の常識』自体がどうなのか」という問いはたてられてしかるべきでしょう。そんなに自国中心主義でいいのか。書いている自分でも「階級中心主義とウリふたつで、危険な『常識』だなあ」と思います。将来的には克服してゆくべきものだとは思いますが、残念ながらこれが現実です。高い理想を掲げることは大切なことですが、現実から漸進的に進んでゆくべきであり、理想から急進的に進むべきではありません。
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2013年04月15日

フィールドワークとしての就職活動。大学の授業だけで「研究」といえるのか。

太陽節です。キムイルソン主席の生誕101年を熱烈に祝賀しつつ、それとは全然関係ないテーマで今日はお送りします。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130415-00000034-jij-pol
>>> 就活4年春解禁要請へ=安倍首相

時事通信 4月15日(月)10時57分配信

 安倍晋三首相は19日に経団連の米倉弘昌会長ら経済3団体トップと首相官邸で会談し、大学生の就職活動の解禁時期を4年生の春まで遅らせるよう正式に要請する。政府関係者が15日明らかにした。
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久々にコメント欄をネタに少し。。。
>>> 2013年4月15日 11時0分
tom*****(tho...)さん.

企業の自由な経済活動の制約につながるという意見もあるが

現状で企業側が大学の教育を侵している事実を自覚すべき
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>>> 2013年4月15日 11時8分
kui*an*a*(kui...)さん.

国力維持のためにも、就活より学業、実験、実習をしっかりすべきですね。
3年生の夏からやっていた去年までが異常だった。
入学後、教養課程が長い日本式大学教育も改めるべき。
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就職活動の時期をめぐる典型的な言説です。はたして、「就活」は「学業」と両立しないものなのでしょうか? 私の実体験から申し上げて、就職活動も、大学の授業に負けず劣らず(一部では勝っていたかもww)に役に立ちましたよ、それも学問的な意味で

どういうことか。要するに、大学、それも学部レベルで取り扱う話題が、おしなべて古いのです。それは当然といえば当然です。少なくない学問の研究結果は、大学構内ではなく現実の社会のなかで発見・発生している上に、学部教育レベルにまで内容を整理するのには結構時間がかかるからです。とくに商学・経済学・経営学系なんてその最たるものでしょう。いくつかの大学のシラバスのページにアクセスしてみて、そこで教科書指定されている書籍と、シラバスに掲載されている授業計画ををご覧になってみてください。驚くほど「古風」な内容を教育していることが分かるでしょう。理系諸科目の場合は少し勝手は違うかと思いますが、理系だって大学の研究室ばかりが研究フィールドではありません

私は、大学での専攻をベースに業界選びをしていた一人です(ちなみに、あんまり専攻にコダワリすぎるとよくないよ〜!)が、会社説明会や先輩社員質問会が本当に楽しかった「象牙の塔」ではなかなか聞けない現実社会のダイナミックで具体的な話を聞けたからです。「就職活動」なんだか「フィールドワーク」なんだか良く分からん数ヶ月間でしたww

もちろん、大学において「現実社会のダイナミックで具体的な話」を全く聞けないわけではありません。私の経験から言っても、タイムリーな話題を学者ならではの視点から解説してくださる熱心な先生方がおられました(ちなみに私は、自慢じゃありませんが、卒業要件を大幅に上回る大量の単位を修得しましたので、その辺の事情は、並みの学生よりは知っていると自負しています)。しかし、残念ながらそういう授業ばかりではありません。また、そういう熱心な先生方もまた、現場の人々と定期的に交流をもち、「フィールドワーク」に出かけ、情報を仕入れています。「象牙の塔」に引きこもるだけが「研究」ではないのです。

また、いくら「大学の講義では聞けないような現実社会における具体的な話を聞ける」からといって何も予備知識がない人がイキナリ現場に行くべきではないでしょう。「日経新聞を読むに当たって基礎的な経済学知識がないとよく分からない」というのと同じです。そういう意味では、大学の授業の存在意義はゼロではありません。ですから、どんなに早くても大学3年生になる前に就職活動を開始すべきではないとは思います。しかし、逆に言えば、基本的な知識を獲得したら、どんどん街に繰り出して「フィールドワーク」に励むべきです。「4年生の春」は逆に遅いと思います。会社説明会や先輩社員質問会といった就職活動は、いつか必ず来る本番の就活でも使える一石二鳥のまたとない「フィールドワーク」の機会になるでしょう。

私としては、大学3年の後期から4年の前期にかけて会社回りをし、夏ぐらいまでに大方の活動を終え、その経験をもとに卒業論文を書くようにするのが良いのではないかと思います。ちなみに私は、卒業論文執筆に際して就活メモを結構活用しましたww

まとめ。「学生は学ぶべきだ!」というのは、まったく正しい指摘だと思います。しかし、現在の大学だけで果たしてそれを達成できるのか。私は自分自身の経験から言って、「象牙の塔」に引きこもって、浮世離れした「観念論」を学んでも、そんなもの「研究」でもなんでもないと思うのであります。「哲学者たちは、世界を様々に解釈してきただけである。肝心なのは、それを変革することである」(マルクス)――使ってナンボです(ところで、知り合いの某左翼団体関係者も、前掲コメ欄みたいなことを言っている(た)んですが、"教祖"が「使ってナンボや!」って言っていたのを如何捉えているんだろう?)。

というわけでキャンパスの大粛清を希望する次第www

ちなみに、今回の記事で申し上げたかった事は以上なんですが、それとは別に、元も子もない事ですが、いくら政府や企業が「就活開始先送り」なんてしたところで、学生は自主的に「面接で話すネタづくり」のために授業をすっぽかしますってwwwいい加減、「お上が下々のものたちの行動を指導する」っていう前衛崩れの発想から脱却しましょうよ。やるにしても、もう少しゲーム理論的な発想というか、そういう視点を持ちましょ。学生はヒツジほど従順じゃないし、そんなにバカじゃないですよ
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2013年04月13日

共和国・中国・アメリカ |壁| 日本 |壁| 南朝鮮

先日の記事で、昨今のミサイル騒ぎについて「どうでもいいこと」としましたが、アメリカ・中国の動きが面白いことになってきました。「朝鮮半島情勢」という意味では「どうでもいい」テーマですが、「外交交渉のやり方」という点では、かなり興味深い題材になると思います。言葉を補足しておきます。

まず、アメリカと南朝鮮について。キムジョンウン第一書記すごい!
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20130413-00000003-jnn-int
>>>オバマ大統領、米韓軍事演習「多くの訓練中止を」
TBS系(JNN) 4月13日(土)1時7分配信

 北朝鮮のミサイル発射に関連して新しい動きが入ってきました。韓国を訪れたアメリカのケリー国務長官は、オバマ大統領が米韓軍事演習のうち多くの訓練の中止を命じたことを明らかにし、緊張の緩和に寄与しているとアピールしました。これに対して北朝鮮はどう動くのでしょうか?

 ハンカチを口に当てて避難する人々。11日、中朝国境に面する中国側の街では、北朝鮮のミサイル発射などを警戒した避難訓練が行われました。

 「川の向こうは北朝鮮のシニジュです。上空では12日もパラシュート降下が行われています」(記者)

 同じ国境沿いでも北朝鮮側の街では、12日、3日連続で軍用とみられる訓練が行われました。

 こうした中、12日午後、アメリカのケリー国務長官が、韓国を訪れ、朴槿恵(パク・クネ)大統領と会談しました。ケリー長官は、続けてユン外相とも会談しました。

 「米国、韓国、国際社会は一致団結している。北朝鮮は、核保有国と認められない」(アメリカ ケリー国務長官)

 ただ、ケリー長官はこうも付け加え、緊張の緩和に寄与しているとアピールしました。

 「オバマ大統領は(米韓における)多くの軍事訓練の中止を命じた」(アメリカ ケリー国務長官)

 「北朝鮮は、無謀な行動と威嚇をあきらめて、対話で信頼構築に努める韓国政府に応じるよう期待する。選ぶのは北朝鮮だ」(韓国 ユン・ビョンセ 外相)

 ケリー長官は、13日には中国、14日には日本を訪れ、各国の外相らと北朝鮮問題などについて会談を行います。

 一方、北朝鮮は12日、国営メディアを通じて、日本政府がミサイルの破壊措置命令を発令したことを非難。「アメリカの敵視政策に追従し、武力増強と侵攻の機会を作っている」とした上で、次のように論評しました。

 「我々革命武力の射程圏内には、常に日本が入っており、日本が一瞬でも動きを見せれば、戦争の火花はまず日本で散ることになる」(朝鮮中央通信HP)

 さらに「核の雷で焼け死ぬ」とまで表現しました。

 アメリカの国防総省傘下の情報機関は、「完成度は低いものの、核兵器の小型化に成功した可能性がある」という報告書を先月まとめていたことが分かりました。ただ、韓国の国防省は、「まだできていない」という見方を示すなど、評価が定まっていません。

 いずれにしても北朝鮮は、核開発を強く進める方針で、12日もその姿勢を朝鮮中央テレビを通して強く示しました。

 「自立的核動力工業をもっと発展させるため、次のように決定する。朝鮮民主主義人民共和国 原子力工業省を作る」(朝鮮中央テレビ)

 故・金日成主席の生誕記念日を15日に控え、お祝いムードに包まれる12日の平壌市。そこにも、「経済建設と核武力建設」という文字が見えます。

 「ミサイル発射実験はやるかはよく知りませんが、それをやるとしたら、我が国の防衛力のためであると思います。これに関して他国の人たちが、ああだこうだ言う必要は本当にないと思う」(平壌市民)

 今も発射されていないミサイルについて専門家は?

 「まだミサイルを発射する可能性は残っています。4月15日の金日成主席の誕生日は、ひとつの山場になる。(一方で)撃つように見せかけ、実際は撃たずに『早合点した国際社会』ということを証明してみせようという彼らの高等戦術、心理戦の可能性も」(東北アジア国際戦略研究所 武貞秀士研究員)

 韓国政府は、発射は「10日の可能性が高い」としていましたが、それが過ぎると「15日ごろまでに」という見方を示しています。

 「韓国側の話は10日と言ってみたり、11日と言ってみたり、しょっちゅう変わってしまうので」(小野寺五典 防衛相)

 「『情報の集め方が下手ではないか』と韓国にダメージを与えることが、北朝鮮にとってひとつのポイント」(東北アジア国際戦略研究所 武貞秀士研究員)

 韓国内でも、政府の方針に混乱が見られます。聯合ニュースによりますと、朴槿恵大統領が北朝鮮との対話に乗り出す意向を示したことに関して、鄭(チョン)首相は「むしろ状況を悪化させる」と述べ、対話方針を批判しました。


 北朝鮮のミサイル発射を巡り、日米韓、そして中国やロシアはどう足並みを揃えていくのでしょうか。(12日23:41)
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(太字部分は当方によります。)
もともと米韓合同軍事演習に反発して始めたようなもんですから、その多くの内容が中止に追い込まれたのならば、キムジョンウン第一書記としては「大勝利」でしょう。

しかし、南朝鮮、、、w

ついでに、上記に先立つ話になりますが、アメリカのミサイル実験まで延期になったそうで。
http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000003259.html
>>>米・ミサイル発射実験を延期 北朝鮮への刺激避け(04/07 15:25)

アメリカは、今週に予定していた大陸間弾道ミサイルの発射実験を延期しました。北朝鮮への刺激を避ける狙いがあるとみられます。

 アメリカ国防総省は6日、カリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地で予定していた大陸間弾道ミサイル「ミニットマン3」の発射実験を延期しました。北朝鮮がアメリカと韓国への対決姿勢を強め、中距離ミサイルを発射する構えを見せるなか、過度の刺激を避ける狙いがあるとみられます。

 習近平国家主席:「中国は平和と対話を促して、問題の適切な解決に向けてたゆまず努力する」

 一方、中国の習主席は、7日から中国南部で始まった国際会議で、「平和なしでは経済発展は望めない」と強調しました。朝鮮半島情勢を念頭に置いた発言とみられ、関係各国に対話による問題解決を呼びかけました。一方、北朝鮮はこれまでに、平壌駐在の各国の大使館に「10日以降は安全を保証できない」として国外へ退避するよう通告するなど、緊張を高める言動を続けています。ただ、4月15日に予定されている故金日成主席の誕生日に向け、関連イベントに参加する中国の芸術団が平壌に到着するなど、戦時態勢とは矛盾する対応も見せています。
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(一部、当方により改行しました。)
もちろんアメリカのことですから、潜水艦攻撃の準備といった「実質的な備え」に抜かりはないんでしょうが、アメリカもアメリカで「プライドの塊」みたいな国ですから、私としては、「やるじゃん、第一書記」というのが正直な感想です。


続いて、中国の動向について。
願望なのかどうなのか知りませんが、最近「中国が北朝鮮を見限ろうとしている」という言説が増えてきています。「観光ツアー中止」や「制裁への賛成」がその根拠だそうです。

しかし、「観光ツアー中止」についていえば、以下の記事によると、そもそも「共和国当局との相談の上でのツアー中止」だそうで。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20130410-00000049-jnn-int
>>> 中朝国境ではパラシュートで空から降りていく様子も
TBS系(JNN) 4月10日(水)18時58分配信

 10日にも発射される可能性がある北朝鮮のミサイルをめぐり、日本をはじめ各国の警戒が続いています。川の向こうに北朝鮮を臨める中国側の町、丹東からの報告です。

 中国・遼寧省の丹東です。後ろを流れているのが北朝鮮との国境を流れる鴨緑江でして、川の向こうは北朝鮮の町、シニジュです。10日朝からシニジュの町を見ていましたけれども、通りには市民や車が行き交っていまして、生活ぶりには大きな変化はないように見受けられました。

 ただ、上空を見ていますとパラシュートを使って人が空から降りていく様子ですとか、ヘリコプターが見られました。この目的はわかりませんけれども、これは普段とは違うことなのかもしれません。また、中国と北朝鮮の国境にかかる橋ではトラックの往来がありまして、いつもどおりの貿易が行われている様子がうかがわれました。トラックの量も普段と変わらないということです。

 一方、丹東には中国人観光客に向けた北朝鮮行きのツアーを扱う旅行会社が多くありますが、10日からシニジュへの日帰りも含め、北朝鮮行きのツアーを中止しました。9日夜、中国の当局から中止するよう通達があったということです。

 「情勢が緊張していますから、国の旅行当局が丹東の旅行部門に通知しました。北朝鮮の当局と相談して中止を決めたんです。(Q.ツアーはいつ再開しますか?)通知を待つだけです」(丹東の旅行会社)

 緊張が高まる北朝鮮情勢、国境の町にもじわりと影響が広がっています。(10日17:09).
最終更新:4月11日(木)0時21分
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(太字部分は当方による)
要するに、中国当局も「危機の演出」に協力しているということです。

また、上記報道を見る限り、貿易は通常通り。どうせ欧米諸国が「制裁」なんていったところで、そもそも共和国はそういった国々とは殆ど通商関係がないんですから、たいして困りはしない。中国だって毛沢東時代のようなDQN全開というわけにも行かないんですから、たいして意味のない名目的な「制裁」に賛成することくらいはあるでしょう

さらにいえば、共和国のミサイル運搬車は中国製です
http://sankei.jp.msn.com/world/news/121201/kor12120110290001-n1.htm
>>> 北朝鮮ミサイル車両輸出 「木材運搬用」と中国反論
2012.12.1 10:28 [核・ミサイル事情]

 北朝鮮が4月の軍事パレードで公開した新型弾道ミサイルの発射台車両が中国の企業から輸出された疑いが持たれている問題について、中国が国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会で説明し、中国から輸出されたのは「木材運搬車」だと主張していることが11月30日分かった。

 北朝鮮への軍事物資輸出は安保理決議で禁止されている。発射台車両は昨年5月に中国企業が北朝鮮に輸出したと指摘され、事実なら常任理事国でありながら安保理決議に違反したことになる。これに対し中国は「木材運搬車」は軍事物資ではないとして決議違反を否定したとみられる。

 パレードに登場したミサイル発射台車両は片側に8個の車輪がついた大型トレーラー型式。(共同)
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実物の写真は、Googleなどで検索してご覧頂きたいと思いますが、あれは何処から如何見ても「木材運搬車」なんかじゃありませんwww用途が何なのか分かってて輸出しているのは明らかでしょうww

どうも最近の日本国内の世論を見ていると、共和国の行動を過度に神秘化したり、あるいは過度に単純化したりしている傾向が強いように思います。自分たちの国がかつて、外交危機から戦争まで一直線だった(少なくとも一般国民の歴史認識レベルでは。実際には外交努力と苦慮の末の開戦だったと思いますよ)ことを他国に投影しているのでしょうか。しかし、共和国だってアメリカだって中国だって、計算に計算を重ねた上で、タテマエとホンネを使い分け、ギリギリの駆け引きをしているわけです。二元論的思考で乗り切れるのは「公務員バッシング」みたいな、ショボい国内問題までですって。
posted by s19171107 at 15:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | 更新情報をチェックする

2013年04月11日

経済改革

今日も共和国について。

共和国をめぐっては、皆さんミサイル騒ぎにばかり注目しています。しかし、そんなどうでもいいことよりも注目に値するニュースが飛び込んできました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130411-00000101-jij-kr
>>> 農業改革を一部実施=総連機関紙が確認―北朝鮮

時事通信 4月11日(木)15時2分配信

 【ソウル時事】在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の機関紙・朝鮮新報は11日の記事で、2012年に農場の自立性を高める改革措置が一部施行されたことを明らかにした。韓国の聯合ニュースが伝えた。韓国などではこうした改革を推進しているとの見方が強かったが、北朝鮮系メディアが具体的に確認したのはほとんど例がないとみられる。
 記事は、12年の模範農場との評価を受けた黄海南道の農場を紹介する中で、「昨年、各地の農場では、分組(グループ)管理制に基づき、労働と実績に合わせ、現物分配が正しく進められるようにする措置が取られた」と言及。「国から分与を受けた土地、かんがい、営農物資、肥料などの代金に相応する分さえ納めれば、残りの農作物は全て農場の決定に従い、処理できるようになった」として、各農場の裁量権を高め、インセンティブを向上させる措置が取られたことを指摘した。
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キムジョンウン第一書記が資本主義に興味を持っておられるらしいという話は、既に読者の皆さんもご存知のことかと思います。今回のニュースは、その文脈に位置づけることが出来るでしょう。

また、先日の最高人民会議では、パクボンジュが首相に再登板したそうです。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2013040202000115.html
>>> 北朝鮮 首相に「経済専門家」 最高人民会議

 【ソウル=篠ケ瀬祐司】北朝鮮は一日、平壌で最高人民会議(国会に相当)を開き、経済専門家と目される朴奉珠(パクボンジュ)・労働党中央委政治局員を首相に選出し、「核保有国」の地位を強固にするための法令や、「経済強国建設」のための今年の国家予算を採択・承認した。朝鮮中央通信が伝えた。

 二〇〇三〜〇七年にも首相を務めた朴氏は物価・賃金引き上げと、企業への独立採算制の導入など、市場経済の要素を取り入れた〇二年七月の経済改革を主導したと目される。

 朴氏の再登板や核関連の法令採択などは、核開発と経済発展を並行して進めるという、労働党の活動方針を実行に移す狙いとみられる。今後は何らかの経済改革措置や、追加核実験が強行される可能性がある。

 会議では「宇宙開発法」や、宇宙開発局設置も採択された。「人工衛星」と主張した長距離弾道ミサイルの発射継続への環境整備とみられる。

 憲法の一部「修正・補足」も認められたが、内容は明らかにされていない。会議には金正恩(キムジョンウン)第一書記も出席した。
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他方で、以下のような「旧態依然」な振る舞いも見せています。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130411/kor13041110030002-n1.htm
>>> 北朝鮮、中断した開城の事業権、第三国へ委任か 韓国紙
2013.4.11 10:01 [北朝鮮]

北朝鮮が開城工業団地の稼働中断を発表し、韓国・坡州の南北出入事務所で取材する報道陣=9日(共同)
 11日付の韓国紙、東亜日報は、北朝鮮が稼働を中断した南北経済協力事業の開城工業団地の事業権を、第三国に委任することを慎重に検討していると報じた。中国の消息筋の話としている。

 団地の事業権は韓国の現代グループ系企業が2000年に北朝鮮との合意で取得し、韓国の公社が50年間の土地使用権を保有している。だが、北朝鮮は南北関係に左右されずに団地を活性化させるため第三国や韓国以外の企業への事業権委任を検討しているという。

 北朝鮮は南北協力事業である北朝鮮・金剛山観光をめぐっても、08年の韓国人観光客射殺事件を受けて中断後、現代グループの事業独占権を一方的に取り消し、施設を接収して独自で観光事業を行っている。(共同)
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果たして共和国はどちらに向かうのでしょうか。市場志向的な措置をとる一方で、反市場志向の行動をとるのは、まだまだ方向が定まりきっていないことを示すと思います。

もっとも、今や「世界有数の資本主義国」となった中国共産党の羊頭狗肉政権も、似たようなことをやっているのですから、このくらいの反市場志向の行動は、そんなに騒ぎ立てなくてもいいのかもしれません。少なくとも、「反市場主義的なイデオロギー」に根ざす行動ではなく、単なる「揺さぶり手段」でしかないのなら、「チャイナ・リスク」ならぬ「コリア・リスク」程度で済むでしょう。これがイデオロギー由来だと、どうしようもないんですけどね。

これからの共和国の動静について、どのように接してゆくべきでしょうか。今までも経済改革の動きらしいものがあっては潰え、あっては潰えの繰り返しでした。私としては「三度目の正直」に期待したいところですが、「二度あることは三度ある」ともいいます。あまり情報に飛びつかずにじっくりと情勢を見守るしかないのでしょう。しかし、少なくとも一ついえることは、ミサイル騒ぎなんかよりもずっと興味深い動きだということです。今後も、注目したいと思います。
posted by s19171107 at 21:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | 更新情報をチェックする

2013年04月09日

遺訓統治

共和国情勢について。

「キムジョンウンは戦争を起こそうとしている!」というセリフが最近、よく見られるようになってきました。かなり緊迫しているように見えるのは確かです。他方で、共和国が何よりも大切にする「イデオロギー」という面から見ると、積極的な開戦を正当化する遺訓や前例の心当たりが見当たりません(ただし、祖国解放戦争――朝鮮戦争――以降に限る。祖国解放戦争でだいぶ痛い目にあわれたのだろう)。

「北朝鮮は何を考えているのか分からない国だ」とよく言いますが、共和国の行動は、遺訓や前例に基づいているという点において、ある意味において分かりやすい国です。もちろん、昔のどこかの島国と比べればかなり現実的ですが、そうした処世術は常に「遺訓」による正当化がなされていました(そう考えると、キムイルソン主席の洞察力はすごいなあ)。

なぜ共和国が遺訓や前例を大切にするのか、イデオロギーにこだわるのか。それは、共和国における権力の正当性が、永遠の首領たるキムイルソン主席に基づくからです。キムイルソン主席の遺訓に従って統治する、遺訓統治をして初めて権力の正当性が担保されるのです。逆に言えば、遺訓や前例にない措置は困難ですし、ましてや反することなんて、そうそうできるものではないのです。

キムジョンウン第一書記が、主席に似せて自身に整形手術を施されたのかどうかは知りませんが、主席をかなり意識して統治されているのは明らかです。では主席はアメリカに対してどのように対応なさったのか。祖国解放戦争(朝鮮戦争)以降に絞って歴史を振り返ると、たしかにEC121を撃墜したり、プエブロ号を拿捕したりしましたが、割とアメリカが腹を立てた「ポプラ事件」では遺憾の意を表明し、謝罪されました。主席のあとを継いだ総書記も、たとえばヨンビョン島砲撃事件においては、民間人に犠牲者が出たことについて「極めて遺憾である」とされました。先代は、「ちょっとヤバいかも」というときは必ず引っ込んだのです。こういう前例をひっくり返して新しい積極策に打って出られることが出来るのか。「暴走」するにしても、それをどうやってイデオロギー的に正当化するのか。「キムジョンウンは若い」というのは、むしろ、ますます遺訓統治に頼る要素になります。積極的な開戦正当化は、当の戦争以上に難しい作業なんじゃないでしょうか。

もっとも、「間違えて戦争になった」というのはあるかもしれません。失敗ですから。また、ミサイル発射くらいはやるでしょう。むしろ、「総書記の遺訓」がある以上、「やらねばならぬ」プロジェクトです。しかし、イデオロギー面における「開戦準備」が進んでいるようには見えない点、そして、実質的で本格的な戦闘準備をやろうともしていない点を見るに、少なくとも「本気ではないんだろうな」と思う次第です。
posted by s19171107 at 23:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | 更新情報をチェックする

2013年04月07日

「メカニズム・デザイン」と「前衛党指導型経済システム」

おととい(4月5日)づけの日経新聞の『ニュースを読み解く やさしい経済学』について。現物は図書館なりで各自、調達していただきたいと思いますが、京大教授の依田高典氏が「政府の役割」について経済学的に解説しています。

概要としては、「健康増進のためのタバコ税増税」などは、本来は「選択の自由」に帰する問題なのに何故、政府が介入するのかという問いからスタートし、その根拠として、経済主体(個人)の限定合理性を前提とする「行動経済学」を挙げ、国民が望ましい行動をとる(正しい生活習慣を身につけられる)よう、政府は「誘導」する役割があるのだ、と締めくくっています。

いやあ驚きましたよ、知り合いの古典的(化石的?)なマルクス・レーニン主義者と同じようなことを言っているんですから。その知り合いの「啓蒙」によると、「すべての人々が合理的に判断することは出来ないので、我々、前衛が科学的見地に基づいて啓蒙・指導する」そうです。

たしかに、「すべての人々が合理的に判断することは出来ない」というのは、そのとおりです。しかし、「政府」や「前衛党」ならそれが可能なのでしょうか。

ある程度の範囲内ならば、「政府」や「前衛党」の「啓蒙・指導」も有効かもしれません。特に、マクロ的な活動の目的が明確に定まっている場合は、強力なリーダーシップがあったほうがよいでしょう。イギリスが何百年もかけて達成した工業化を、ソ連はわずか数十年で達成しました。これは、ソ連共産党の独裁的指導力の賜物です。他方で、「経済計算論争」におけるハイエクの指摘は、20世紀を通してその正しさが証明されたように思います。ミクロ的な活動においては、「政府」や「前衛党」の役割は、相当に限定されざるを得ず、無理に「啓蒙・指導」をしようとすれば、たちまち大混乱に陥るのです。

「国民が望ましい行動をとるよう、政府は「誘導」する役割がある」――はたしてそんなことはできるのか。「望ましい」とは何なのか。政府は「誘導」できるのか。今回の連載シリーズは、「メカニズム・デザイン」を軸にやっているようなんですが、それはすなわち、「メカニズム・デザイン」と、既に失敗したことが確定している「前衛党指導型経済システム」は、どこがどう違うのかという問題に直結するでしょう。

週明け以降の続編の展開に期待しています。
posted by s19171107 at 16:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | 更新情報をチェックする