2020年04月30日

どんなに経済発展し都市化を達成しても、人心の根底は「ムラ社会」:憎悪と分断をもたらす大阪「維新」の文革路線・非国民狩り路線が「勝利宣言」

https://news.yahoo.co.jp/articles/bc729ea7f571b1522b6e1c0d0b78245ec73e3a13
東京・葛飾のパチンコ店 休業要請応じず 周辺住民憤り
4/28(火) 17:19配信
産経新聞

(中略)
店内は半数以上の席が埋まり、来店者用の駐輪場もほぼいっぱいに。多くの客が訪れ、普段と変わらないようなにぎわいを見せた。近くに住む男性(69)は「休業に協力してもらわないと。周辺の店の便乗営業にもつながるし、何で営業しているのか」と憤りをあらわにした。
(以下略)
簡単な話です。「自粛」だからです。言葉の原義に照らせば明白です。

どうしても営業を止めさせたいのであれば、そういう立法措置を講ずるべきでしょう。単なる「お願い」であり従う義務のない「自粛」を持ち出しておいて、相手方が受け入れないからと言ってアレコレと非公式な圧力を加えて捻じ伏せるのは正常な在り方ではありません

他人に何かを強制したいのであれば、暗黙のルールとしてではなく明確な義務として課すべきです。発展した民主主義社会においては、私権制限は、正当なステップを踏む必要があります。明確に義務を負っていない人に対して何か強いるべきではありません。暗黙のルールを認め始めると、結局その時の空気・雰囲気・集団心理で「何でもあり」に成り下がります。

明確な義務として定めないものを他人に強制しようとすると、それは文化大革命や非国民狩りのような「吊るしあげ」を主体とする方法を取らざるを得なくなります

この方法論の深刻な害悪については、4月29日づけ「憎悪と分断をもたらす「維新」の文化大革命路線・非国民狩り路線は、人民大衆の「命」を守れない」で論じましたが、大義名分を掲げて異論を力づくで沈黙させると、表面的には結束を固めたとしても、人心には憎悪、社会には深い溝と分断が残り、それは以後の積極的な団結を弱めることになるのです。

かつて首領様は、中国の文化大革命を念頭に朝鮮式の階級闘争について次のように教示されました。

社会主義革命を行うときの階級闘争は、ブルジョアジーを階級として一掃するための闘争であり、社会主義社会での階級闘争は、統一団結を目的とする闘争であって、それは決して社会の構成員を互いに反目し、憎みあうようにするための階級闘争ではありません。社会主義社会でも階級闘争を行うが、統一と団結を目的とし、協力の方法で階級闘争を行うのであります。
『資本主義から社会主義への過渡期とプロレタリアート独裁の問題について』1967年5月25日
ついこの間、吉村知事は民放司会者である小倉智昭氏の言説に対して「同じ日本国民でしょ」と述べました(吉村府知事、小倉智昭氏の「大阪に寄付をしたら、大阪に使われるんじゃないの」発言に異議「エリアってそんなに問題か?同じ日本国民でしょ」 4/22(水) 6:51配信 スポーツ報知)。「同じ日本国民」であるならば、統一団結を目的とすべきであり、そうであればまさに首領様がおっしゃるように「社会の構成員を互いに反目し、憎みあうようにする」べきではありません。「協力の方法」で古い利己主義的で自分勝手な思想を人々の頭の中から一掃させるべきです。この観点から見ると、吉村知事は言っていることとやっていることが矛盾していると言わざるを得ません。

これに対して維新「教祖」の橋下徹氏は、パチンコ屋にも休業補償を導入するよう訴えていました。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200427-00010016-chuspo-ent
橋下徹氏が改正特措法に手を付けない国会議員に怒気!!「呑気なステイホーム生活のツイートで悦に入ってる」
4/27(月) 9:14配信
中日スポーツ

(中略)
 大阪府が24日に休業要請に応じなかったパチンコ店6店舗の店名公表を決め、うち2社は臨時休業を決断。営業を続けていた1店舗も誹謗(ひぼう)中傷の電話が相次いだとして26日から休業したと発表していた。

 橋下氏は「このようなかたちでの店名公表は、明らかに罰金刑よりも重い罰だ」と率直な感想を漏らし、「ところが特措法は、これでもまだ営業停止の強制ではない、営業するかどうかの最終判断は経営者の自由で、営業の自由は守られているので補償はしないという。おかしいだろ!」と法律の立て付けの不備を改めて指摘した。

(中略)
 法律上は外出自粛、休業も強制力のない要請、指示しかできないことから、「なんなんだこの国は! 要請ではなく営業停止の強制を認めてしっかり補償する法律を作れ!」と訴えた。
橋下プランの方が遥かにマトモであると言うべきでしょう。出来の悪い弟子ですね。

さて、パチンコ屋を休業に追い込むために文化大革命路線・非国民狩り路線に手を染めた大阪府の吉村知事が「勝利宣言」しました。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200430-24300240-nksports-soci
吉村知事「宣伝になると言ってた人に聞いてほしい」
4/30(木) 12:22配信
日刊スポーツ

大阪府の吉村洋文知事(44)は30日、大阪府庁で取材に応じ、新型コロナウイルス特別措置法に基づく休業要請に応じず、この日に休業を指示する方向で調整していた府内のパチンコ店7店が休業したことを発表し、指示を見送った。

(中略)
休業要請に応じない店舗名を公表したことにより、SNSなどでさまざまな指摘があった。吉村知事は「さまざまなテレビコメンテーター、解説者の方から『こんなことやったって宣伝効果になるだけじゃないか』と散々、ご指摘も受けました」と振り返った。7店舗すべてが休業したことに「感染のリスクは大きく軽減されていると思います。口だけでなく実行するということが非常に重要と感じている。『密になるだけじゃないですか』や『宣伝になるんじゃないですか』と言ってたみなさんに、これについてどう思うか聞いていただきたい」とコメントした。
(以下略)
これについてどう思うか」――文化大革命路線・非国民狩り路線の「成功体験」を与えてしまい、これに味をしめた「維新」が今後さまざまな場面で同じ手口を使うようになると思うと、大変なことになったと思います

※もちろん、法改正によってパチンコ店等も中小企業庁のセーフティネット保証制度の対象に加わったことも、今般パチンコ店が休業するに至った一要素として有力かと思います。

しかしそれにしても、4月29日づけ記事にも書きましたが、ここでも改めて言及しているように、ラサール石井さんのような「小物」の批判に尋常じゃない執着心を持っていたんですね・・・ちょっと怖いくらいのプライドの高さですね・・・

やっぱり日本は、どんなに経済発展し都市化を達成しても、人心の根底は「ムラ社会」なんだなあ。
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2020年04月29日

憎悪と分断をもたらす「維新」の文化大革命路線・非国民狩り路線は、人民大衆の「命」を守れない

■成熟した市民社会のありようと異なる「維新」の文化大革命路線・非国民狩り路線
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200422-04220055-sph-soci
田原総一朗氏、休業要請応じない施設名公表を掲げた吉村府知事に疑問「公表して、そしてどうするのか」
4/22(水) 6:44配信
スポーツ報知

(中略)
 この吉村知事の方針に田原氏は「公表して、そしてどうするのか」と疑問を投げかけていた。
熱心なシンパを扇動し飽和攻撃を仕掛けさせ、自らは直接的には手を下さずに政策目標を達成しようと目論んでいるのでしょう。維新の文化大革命路線・非国民狩り路線の典型的手口です。

案の定、コメ欄ではシンパが「自粛を守らない業者名を公表することで、市民に3密の危険場所を伝え、感染拡大を防ぐ。為政者として至極当然のことです。それが、理解できないのですか、田原さん?」と書き込んでいますが、タレントの太田光さん(「爆笑問題」)は、同じようなことを計画している東京都の小池知事について、次のように述べています。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200426-04260055-sph-ent
爆笑問題・太田光、小池都知事の休業応じないパチンコ店の公表意向に「さらし者にして何がしたいのかなと思う」
4/26(日) 12:28配信
スポーツ報知

(中略)
 「ただでさえ分断が起きやすい状況の中で。今、スーパーや公園にいる人たちはちゃんと政府の言いつけを守って、だからこそ3密を避けるために外にいる人たちで、常識と常識の人たちが分断するんですよ」とした上で、「パチンコ屋も営業する権利はあるわけですよね。政治家がやるべき事は、この店がやってますよ、皆さんどうですかっていう事じゃなくて、引き続き休業要請は私たちはしますと。だから皆さんはパチンコ屋さんを誹謗(ひぼう)中傷しないでくださいと。もし混雑したら、安全に営業できる様に私たちが指導をしますと。そういう風に言わないと、つるし上げみたいな状況になる。それを何で小池さんはやってくれないんだろう」と熱弁していた。
私は、吉村知事や小池知事の考え方よりも、太田さんの考え方のほうが成熟した市民社会のありようを反映していると考えます。

なお、後述のとおり、同じ「維新」でも橋下徹氏は、吉村知事が文革路線・非国民狩り路線によってパチンコ店を捻じ伏せようとしているのに対して、維新「教祖」の橋下氏はインセンティブを付与して休業に誘導しようとしています。これは、吉村知事の方法に比べればマシでしょう。

■文革路線・非国民狩り路線は人心には憎悪、社会には深い溝と分断を残す
国際政治学者の三浦瑠麗さんは、「人びとの憎しみを焚きつけるような私刑を誘うやり方はよくない。法治国家はそれをすべきでない」と述べたそうです。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200425-04250068-sph-soci
三浦瑠麗氏、吉村洋文大阪府知事の要請応じぬパチンコ店公表に「反対」「自粛なんだからあくまでも基本自由」
4/25(土) 10:53配信
スポーツ報知

(中略)
 そして「行政が電凸を誘う社会的圧力をかけるべきではないし、潰れて労働者がクビになったら責任を取れるのでしょうか」と疑問を呈した。

 また「休業して持ち堪えることできない場合、要請にとどまるあいだは営業は自由だと思う。人びとの憎しみを焚きつけるような私刑を誘うやり方はよくない。法治国家はそれをすべきでない」とツイートした。
全面的に同感です。文革路線・非国民狩り路線は、想像以上に社会に深い爪痕を残すものです。文革的・非国民狩り的つるし上げをやるくらいなら、いっそ初めから休業指示を出すか、それこそ新しい法律を作った方がよいでしょう(そもそも「自粛しない奴は袋叩き」とは、「自粛」のという日本語の意味はご存じかと問いたくなる、おかしな話です)。

大義名分を掲げて異論を力づくで沈黙させて表面的には結束を固めたとしても、人心には憎悪、社会には深い溝と分断が残り、それは以後の積極的な団結を弱めることになるでしょう。

坂上忍、パチンコ店名公表の吉村洋文大阪府知事に「嫌われてもいいという腹のくくり方が見事」」(4/27(月) 13:48配信 スポーツ報知)などという弁護が出てきています。日本人は実際のところ「嫌われることができない」傾向にあり、よって「嫌われてもいいという腹のくくり方」に対するある種の「憧れ」がありますが、文革路線・非国民狩り路線は「嫌われてもいい」といったレベルの方法論ではありません。「嫌い」で済む話ではなく、分断が起こるのです。

文革路線・非国民狩り路線で今般の緊急事態を乗り越えられたとしても、それで守れるのはあくまでも物質的存在としての命であり、人間の社会的存在としての命は尽きることでしょう。

かつて首領様は、中国の文化大革命を念頭に朝鮮式の階級闘争について次のように教示されました。
社会主義革命を行うときの階級闘争は、ブルジョアジーを階級として一掃するための闘争であり、社会主義社会での階級闘争は、統一団結を目的とする闘争であって、それは決して社会の構成員を互いに反目し、憎みあうようにするための階級闘争ではありません。社会主義社会でも階級闘争を行うが、統一と団結を目的とし、協力の方法で階級闘争を行うのであります。
『資本主義から社会主義への過渡期とプロレタリアート独裁の問題について』1967年5月25日
ついこの間、吉村知事は民放司会者である小倉智昭氏の言説に対して「同じ日本国民でしょ」と述べました(吉村府知事、小倉智昭氏の「大阪に寄付をしたら、大阪に使われるんじゃないの」発言に異議「エリアってそんなに問題か?同じ日本国民でしょ」 4/22(水) 6:51配信 スポーツ報知)。「同じ日本国民」であるならば、統一団結を目的とすべきであり、そうであればまさに首領様がおっしゃるように「社会の構成員を互いに反目し、憎みあうようにする」べきではありません。「協力の方法」で古い利己主義的で自分勝手な思想を人々の頭の中から一掃させるべきです。この観点から見ると、吉村知事は言っていることとやっていることが矛盾していると言わざるを得ません

同じ日本国民でしょ」と述べた舌の根も乾かぬうちに文化大革命の手法に手を染める吉村知事。理解しがたいものです。

■道は他にもあるはず
すこし意外なことに、維新「教祖」の橋下氏は、パチンコ店にも補償することで休業に導こうと主張しています。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200427-00010016-chuspo-ent
橋下徹氏が改正特措法に手を付けない国会議員に怒気!!「呑気なステイホーム生活のツイートで悦に入ってる」
4/27(月) 9:14配信
中日スポーツ

(中略)
 大阪府が24日に休業要請に応じなかったパチンコ店6店舗の店名公表を決め、うち2社は臨時休業を決断。営業を続けていた1店舗も誹謗(ひぼう)中傷の電話が相次いだとして26日から休業したと発表していた。

 橋下氏は「このようなかたちでの店名公表は、明らかに罰金刑よりも重い罰だ」と率直な感想を漏らし、「ところが特措法は、これでもまだ営業停止の強制ではない、営業するかどうかの最終判断は経営者の自由で、営業の自由は守られているので補償はしないという。おかしいだろ!」と法律の立て付けの不備を改めて指摘した。

(中略)
 法律上は外出自粛、休業も強制力のない要請、指示しかできないことから、「なんなんだこの国は! 要請ではなく営業停止の強制を認めてしっかり補償する法律を作れ!」と訴えた。
「弟子」の吉村知事が文革路線・非国民狩り路線によってパチンコ店を捻じ伏せようとしているのに対して、「教祖」の橋下氏はきちんと補償して休業させようとしているわけです。単に捻じ伏せるのではなく、利益を供与して協力させる・・・憎悪と分断を防ぐためには、こちらの方がスマートな方法であると言えます。

ところで少し脱線しますが、「パチンコ店にも休業補償」などという炎上不可避な主張であるにも関わらず、不気味なくらいにそこに突っ込む人はいないんですね。

「何が語られているのか」ではなく「誰が語っているのか」で判断する向きが濃厚であり、平生から自分が支持している人物の言説であれば、多少無理筋だとしても擁護を試みる、あるいは、少なくとも沈黙して積極的には批判しないという行動をとる人が少なくない現代日本を象徴する一幕であります。

吉村流の道しかないと本気で思っているとすれば、ちょっと立ち止まって考え直した方がよいでしょう。まして、よりよい他の道を探ろうとする試みに対して「全国民が一致団結しようとしている最中に異論を唱えるとはケシカラン」というのは、まさに非国民狩りそのものであり、その末路は75年前に明らかになっています。

■閉塞感に対する鬱憤晴らし?
しかしながら、これだけ文革路線・非国民狩り路線が好まれているのを見ると、むしろ社会を分断したい人たちが一定数居るのかもしれません。異論を叩き潰して沈黙させたい、他人にマウントを取りたい・・・日本社会の本質は依然として「ムラ社会」のまま。「誰かが意識的・積極的に抑圧をしているわけではないが、誰もが抑圧されていると感じている」わけであり、ふとしたタイミングで「豹変」の如く現れる、こうした異様な攻撃性は、そうした閉塞感に対する鬱憤晴らしなのでしょう。

以前から述べているように、社会政治的生命体の実現を目指す主体的社会主義の立場としては、現状は、特に人心の面で厳しい条件にあると痛感しています。

■「小物」に対してやたら攻撃的な維新w
主題は論じたので、ここからは肩の力を抜いて・・・

案の定、行政による「開店情報拡散」になった模様wさっそくタレントのラサール石井さんらに突っ込まれるww
ラサール石井、公表のパチンコ店に客殺到し「宣伝した結果になるの、わからんかったんかな」(4/26(日) 15:15配信 スポーツ報知)
高須院長 パチンコ店行列に「根性のすわったパチンコ屋さんの思惑にはまった行政」(4/25(土) 18:40配信 東スポWeb)
高須院長 店名公表後も変わらぬ現実に「パチンコ屋さんの勝ち」「政治家と根性違う」(4/25(土) 19:04配信 デイリースポーツ)

ここで爆笑なのが、これらガヤに対して吉村知事御自らクレームを入れたことでありますw
https://news.yahoo.co.jp/articles/d1b35107a41e8a675647f37605160fd64ef782bd
吉村知事 パチンコ店名公表批判のラサール石井に「お気楽な立場だよ」
4/26(日) 17:21配信
デイリースポーツ

 大阪府の吉村洋文知事(44)が26日、ツイッターを更新。営業を続けるパチンコ店名公表を批判した、タレントのラサール石井(64)に「お気楽な立場だよ」と苦言を呈した。

(中略)
 吉村氏は、この批判を取り上げた記事に「大阪に700店舗近くパチンコ店があり、休業要請後に120店舗の開店状況と府民の苦情と専門家の意見。そこから詰めてきた結果の現在公表3店舗」と段階を踏んで店名を公表したことをあらためて説明。その上で「ここだけ捉えて『分からんかったの?』とはお気楽な立場だよ。影響力ある立場なら『今だけはやめときましょう』位言えないのかね。」と、現象の一部分だけに注目した石井の批判に、珍しく感情的な言葉で不満をぶつけた。
ラサール石井さんのような「小物」に大阪府知事がマジレス・・・「プライド高そうな人だな〜」と勝手に想像していましたが、そのとおりだったようです。橋下氏といい吉村知事といい、維新は「小物」に対してやたら攻撃的ですよね。

「いや吉村知事は、店名公表すればこうなることを予想していたはず」といった弁護もあるようですが、展開を予想していた人がラサール石井さん程度の小物による「だよねw」レベルのコメントに不快感をマジレス的に表明するはずがありませんw「こんなこともあるだろうとは思っていたよ」くらい余裕綽々に答えるはずですからww

■こんな げいにんに まじに なっちゃって どうするの
これに対してラサール石井さん、おちょくりを交えた「謝罪のようなもの」を展開するww
https://news.yahoo.co.jp/articles/1628c795e79e450a8f3abbfb284bd1b096e30ea6
ラサール石井 吉村知事の苦言に反応「影響力全くありません」
4/27(月) 10:05配信
デイリースポーツ

(中略)
 吉村知事から「影響力ある立場なら『今だけはやめときましょう』位言えないのかね」と指摘されたことに、石井は、他のタレントのツイートを引用しながら「影響力全くありません。ごまめの歯ぎしり。そんな呟きに反応していただいて大変申し訳ない」と投稿した。

 「店名の公表がなんか『市中引き回しの刑』みたいに感じたので他に方法なかったのかと思った次第です。すみません気の利いた事も言えず」と続けた。

 石井は26日付ツイッターで、吉村知事の店名公表に対し、「『皆さん、パチンコ屋が軒並み閉まって大変でしょう。今ならここが開いてますよお』と宣伝した結果になるの、わからんかったんかな。」と皮肉った。

 これに吉村氏は「大阪に700店舗近くパチンコ店があり、休業要請後に120店舗の開店状況と府民の苦情と専門家の意見。そこから詰めてきた結果の現在公表3店舗」と段階を踏んで店名を公表したことをあらためて説明。その上で「ここだけ捉えて『分からんかったの?』とはお気楽な立場だよ」と、現象の一部分だけに注目した石井の批判に、珍しく感情的な言葉で不満をぶつけていた。
「他のタレントのツイート」はこれですね。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200427-00000038-dal-ent
ぜんじろう 吉村知事の反論にカットイン「優等生やったら芸人やってませんって(笑)」
4/27(月) 10:56配信
デイリースポーツ

 大阪府の吉村洋文知事が新型コロナウイルス対策の休業要請に応じないパチンコ店を公表したことを批判し、吉村知事が「お気楽な立場」と苦言を呈した件に、タレントのぜんじろうが「そんな優等生やったら芸人やってませんって(笑)」などとツイートした。

 ぜんじろうはツイッターに「大阪府の吉村知事が、ラサール石井さんのツイートに反論して『影響力ある立場なら『今だけはやめときましょう』位言えないのかね』。そんな優等生やったら芸人やってませんって(笑)あと、ラサールさんに『影響力ある』んだったら、安倍政権とっくに潰れてますよ(笑)」と投稿した。

(以下略)
これ、明らかにおちょくっていますよねw政治・権力に対する芸人的な斬り返しであります。ラサール石井さんの芸が面白いと思ったことはあまりなく、ぜんじろうさんって誰だっけレベルですが、こういうところを見ると「芸人なんだな」と思います。

「こんな げーむに まじに なっちゃって どうするの」(たけしの挑戦状)ならぬ「こんな げいにんに まじに なっちゃって どうするの」ですねw
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2020年04月28日

共和国の権力は高度に組織化・システム化されている

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200425-00624357-shincho-kr&p=2
金正恩の「手術後、重体」報道、CIAがリークしたウラで繰り広げられる凄まじい情報戦
4/25(土) 17:00配信
デイリー新潮

(中略)
 韓国政府は過去に、金日成の死亡説を発表したが、後に誤報だったことが判明している。

 韓国の中央日報(日本語版)は23日、電子版の記事として「【コラム】CNNは『金正恩委員長が重篤』…韓米情報に差(1)」を掲載した。

 この記事に、かつて金日成暗殺説を発表した経緯が紹介されている。

《1986年11月中旬、ソウルでは「金日成(キム・イルソン)襲撃死亡」という衝撃的な報道があった。北朝鮮の金日成主席が暗殺されたというニュースに国際社会は騒々しくなった。大統領が緊急閣僚会議を開き、北朝鮮軍最前方部隊に弔旗が掲揚されたとか金日成主席の死を意味する歌が流れているという国防部の報告が続いて、死亡は事実のように見なされた。しかし報道の2日後の同月18日、金日成主席は平壌(ピョンヤン)を訪問したモンゴルの人民革命党書記長を出迎えるために順安(スンアン)飛行場に姿を現した。米軍盗聴部隊の誤った諜報が震源という主張から、国防部責任論、北朝鮮工作説などが続いたが、ミステリーとして残った。韓国では屈指の大型誤報事態に挙げられる》

たとえ死亡でも国家は安泰
 もし金正恩が手術後、健康を回復していたとすれば、祖父の時と同じような“サプライズ”を再現しようと考えても不思議ではない。

「重体説が流れている金氏が颯爽と登場し、例えばトランプ大統領と電撃的に会談を行ったり、中国を訪問したりすれば、韓国やアメリカの諜報機関に大恥をかかせることができます。何よりも自身の政治基盤を強化させることにもつながるはずです。これは決して“現実性ゼロ”と片付けられないシナリオだと思います」(同・重村氏)

 これほど情報が錯綜しているのは、特にアメリカや韓国が故意に虚偽の情報を流していることも関係しているようだ。

「今、北朝鮮国内では大規模で苛烈なスパイ狩りが行われているはずです。金正恩氏の健康状態に関する情報は文字通りの国家機密で、それを漏らした者は極刑に値します。アメリカや韓国は情報源を秘匿、保護するため、意図的に間違った情報をマスコミに書かせているのです」(同・重村氏)

 まさに熾烈な情報戦というわけだが、たとえ金正恩が死亡したとしても、北朝鮮の国家体制が揺らぐ可能性は低いという。

「クーデターや国民が蜂起する可能性は低く、幹部も相互に依存しているため、内部抗争も起きることもないでしょう。仮に金正恩氏が死亡したとして、金ファミリーの家族会、労働党と軍の幹部、合わせて10人くらいで後継者を決めるはずです」(同・重村氏)
(以下略)
新潮の記事にしては、珍しく淡々とまとめています。ここ最近のキム・ジョンウン委員長の健康状態を巡る報道は、不自然なまでに詳細過ぎるものが出てくるなど「書いたもの勝ち」の状況にありますが、好対照的です。

注目点は2つあるでしょうか。1つ目は「1986年のキム・イルソン死亡説」への言及(先に書かれちゃったww)。そう、1986年秋に突如として湧いてきたこの一件は、共和国側が仕組んだフシもありました。米・南の国と地域の諜報能力を測るための情報戦だったと思われます。この例があるので、共和国要人の健康問題にかかる報道には慎重にならざるを得ません

2つ目は、「たとえ金正恩が死亡したとしても、北朝鮮の国家体制が揺らぐ可能性は低い」というくだり。別記事になりますが、朝日新聞編集委員の牧野愛博氏も同じようなことを次のとおり書いています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3cbde5aad9950cdacf0bb113be6cfbef4737cad7?page=4
突如流れた「金正恩危篤説」が意味していること
4/22(水) 6:01配信
現代ビジネス
(中略)
「特権層」というしがらみ
 関係筋の一人は「金正恩氏はもちろん独裁者だが、それは独裁者を担ぐ特権層たちとの『予定調和』のなかで成り立っている」と証言する。

 実際、正恩氏は過去、父親が進めた軍優先の政策「先軍政治」からの脱却を目指していたが、今回、政治局員には金秀吉(キム・スギル)軍総政治局長に加え、朴正天(パク・チョンチョン)人民軍総参謀長が昇格した。与正氏より軍人を優先したことも、こうした「予定調和」の現れだろう。正恩氏といえども、しがらみから完全に自由ではないのだ。

 もし、正恩氏に万が一のことがあっても、北朝鮮の特権層は、自分たちの利益を守り維持するための新しい権力構図を作り出すだろう。与正氏を名目上のトップにして集団体制で支えることもあるだろうし、金正日総書記の異母弟にあたる金平日(キム・ピョンイル)前チェコ大使、あるいは金正恩氏の実兄である金正哲(キム・ジョンチョル)氏を緊急避難的に祭り上げるかもしれない。

 そうなると、混乱こそ起きない一方で、北朝鮮の権力構図の激変に至ることも、またないだろう。

 いまはさほど緊張する必要もなさそうだが、当面は日本にとっても、成り行きを冷静に見守る必要がありそうだ。

共和国の権力機構に関して日本の言論空間では、たとえば「斬首作戦が成功した暁には北朝鮮は劇的に変化する」とか「キム・ジョンナムが最高指導者なら北朝鮮はまったく違う国になっていた」といった言説が氾濫しているところです。

これは、権力をシステムとして捉える見方がまったく欠落していると言うべきものです。かつてキム・ジョンイル総書記は次のように仰いました。
わが党には自己の指導者に忠実な中核が多くいます。党に忠実な中核がわたしを積極的に支持し助けてくれるので、キムジョンイル将軍も存在しているのです。一人では将軍になることはできません。わたしは中核の知恵をまとめて、彼らに依拠して政治をおこなっています。
『党のまわりに固く団結し新たな勝利のために力強くたたかっていこう』チュチェ84(1995)年1月1日

リーダーシップというものはフォロワーシップとの連関の中で初めて発揮されるものです。リーダーが一方的に物理的強制力を含む権力を行使しようとしても上手くいかないのが権力の実相です。

政治学は権力の実態について長く研究してきましたが、専門的に考えずとも素人考えでも、生身の人間が一国家の活動すべてを漏れなく監督できるはずがなく、側近たちと利益共同体を構築していることは想像がつくでしょう。自分自身が最高権力者になったと仮定してみれば分かるでしょう。側近たちの意見を完全に無視して文字どおりの「独裁」をしようとすれば、夜寝ている間に引っくり返されるでしょう。

その点、上掲記事は共和国の権力構造をシステムとして捉えています。学問的には至極当然の見方ですが、これがメディアで取り上げられたことは珍しく特筆的なことです。

太陽節の参拝を欠かすのは確かに異例なことです。「整周年でないから」という可能性も絶無ではないが、ちょっと考えにくいところです。人間だから病気になることだってあるでしょう。もしかするとケガかも。それ自体は特に驚くようなことではありません。しかし、なぜそこで「重体」説が出てくるのか理解に苦しむところです。派手にブチ上げた米CNNはトーンダウンしています。

仮にキム・ジョンウン委員長の身に何事か起きたら? 上述のとおり共和国の権力機構はシステム化されているので、大きな変化はないでしょうキム・ジョンウン委員長ご自身がそうであったように、遺訓統治のような形で後継者たちが国家運営してゆくことでしょう。
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2020年04月27日

一億総禁欲・一億総耐乏の自粛旋風は、BCP及びBCRP的発想の欠如、分析的・戦略的思考の欠如

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200426-04260074-sph-soci
高須院長、コメダ珈琲を訪れ「感染しに行ってる?」の声に「客が僕しかいないお店では感染しませんしされません」
4/26(日) 15:30配信
スポーツ報知

(中略)
 その後、再びツイートし「ひとりコメダ。わびさびの世界なう」と笑顔の写真を添付。

 ユーザーからの「感染しに行ってるのかな?喫茶店に高須院長」という投稿には、「客が僕しかいないお店では感染しませんしされません」と返答していた。
コメ欄。
なぜコメダに自分しか客がいないかを考えるべきですね。
それは、他の人たちがみんな行きたいのを我慢しているからで、その犠牲の上で自分だけいい思いをしていることを自覚すべきでしょう。
みんなが一斉にやったら困ることは、自分ひとりでもやるべきでないでしょう。
これこれ、これですよ。一億総禁欲・一億総耐乏精神。

みんなが一斉にやったら困ること」であれば、「順番」にやればよいだけです。また、それがまだ抽象的な可能性に過ぎないのだから、それが具体的なものになったときに統制すればよいでしょう。みんながコメダ珈琲を訪問するようになった段階で整理券を配り、店先での行列を禁止することで入店制限・行列制限すればよいのです。ホリエモンではないが、過度な自粛・自己規制は、過度な萎縮に繋がります

みんなが一斉にやったら困ること」について対策を考えることは大切なことですが、早い者勝ち又は予約割当制の導入等、人数を絞って順番に消費生活を楽しめばよいだけ。にも関わらず、「公平」性を履き違えたのか「順番に」という発想に至らず、なぜか「楽しむこと自体、悪いこと」に摩り替り、そこにムラ社会メンタリティも合わさって「抜け駆け憎し」になる。結局、みんな「公平」に不幸せ・・・

日本人にはBCP及びBCRP(事業継続計画及び事業継続・復旧計画)の発想が足りないと私は以前から指摘してきました。異なる状況下においても平生どおりの活動を可能な限り継続させるという発想が足りないのです。上掲コメントはまさにその典型例であると言えそうです。

非常事態であるのならば、「いつもどおりの生活」を可能な限り維持すべく目標を明確化し、置かれた状況に応じた工夫を凝らす(目標達成のための方法の変更)べきです。非常事態だからといって「いつもどおりの生活」という達成目標までも放棄する必要はありません。目下の状況においては、店舗の営業方法・コーヒーの提供方法に工夫は必要であっても、コーヒーを楽しむこと自体を否定する必要はありません。

BCP及びBCRP的発想の欠如は、つまるところ、分析的・戦略的に物事を考えていないために、目標達成のための「方法」を変更すれば事足りるのに「目標」自体を放棄しようとしてしまうからでしょう。道理に従って考えれば幾らでも道はあるのに、何も考えていないから「我慢」という誰でも思いつくような安直な結論に至るのです。

現代に蘇る「ぜいたくは敵だ!」及び「欲しがりません勝つまでは」。蘇るなら「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」の方がよかったな。

【新型コロナウィルス禍を巡って炙り出された世相 関連記事一覧】
http://rsmp.seesaa.net/tag/articles/%90V%8C%5E%83R%83%8D%83i%83E%83B%83%8B%83X%89%D0%82%F0%8F%84%82%C1%82%C4%E0t%82%E8%8Fo%82%B3%82%EA%82%BD%90%A2%91%8A
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2020年04月26日

不安に駆られるときこそ筋道を立てて推理して・・・

「伸びている」記事ではありませんが、世論がパニックの様相を呈している状況下、科学的に興味深い内容の記事です。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200418-00000001-nshaberu-soci&p=2
日本で感染爆発していないのは「PCR検査を実施していないから」ではない〜感染症専門医が解説 新型コロナウイルス
4/18(土) 11:45配信
ニッポン放送

(中略)
寺嶋)もちろん芸能人の方もそういう症状で陽性だった人がいますが、もともとアレルギー性鼻炎などでも味覚や嗅覚が落ちることはあります。隠れた陽性の人がもっと爆発的にいるとすると、そのなかでは一定の割合で重症者がいますし、一定の割合で集団に体調の悪い人が出てきてもいいと思いますが、あまりそういう現象もないので爆発的に水面下でいるのに検査しないからわからないだけだということは、いまの日本ではないと思います。
サラッと触れていらっしゃいますが、統計学的推論に基づく科学的に信用できる情勢分析です。

不安に駆られるときこそ統計学的に推理して情勢分析をおこなう・・・統計学的思考の実践例と言えるでしょう。私も常にこういうふうに思考できるようになりたい!

コメ欄。
限られたPCR検査を有効に使って感染爆発を防ぐにはどうすれば良いかと考えた結果が、クラスターを徹底的につぶすという方法です。
この方法をとっているのは日本だけです。
日本が感染爆発を起こしていないのはなぜか?
BCG、マスク、靴を脱ぐ習慣などなど色々と言われていますが、このクラスターを潰す作戦が功を奏しているとも言えるのです。
ですが、クラスター潰しにも限界がある。
となれば、今後は、PCR検査などコロナの検査を充実させて、疑いのある人を出来るだけ早く発見して、クラスターになるのを防ぐということも必要になってきます。
日本だけが取り組んだ「クラスター潰し」が、日本が諸外国ほど爆発的感染を広げなかった一因だったという見方は可能かもしれません。もちろん、これは歴史的に判定すべきことですが、「クラスター潰し」は軍事用語でいう「各個撃破」なので、まったく何の科学的根拠がなかったわけではないでしょう。

しかし、各個撃破は定義として「敵が分散しているうちに、そのそれぞれを集中的に撃ち破っていくこと」であります。もうそろそろ「敵が分散しているうち」とは言えなくなってきているので、ここらで戦術を切り替えることが必要であるとも言えるでしょう。

問題はこの時、「戦況の変化に応じて戦術を変更すること」に乗じてもう一騒ぎしようとするワイドショーな手合いの存在でしょうね・・・日本人好みの「筋を通す」を曲解している連中は、一度決めたら間違っていても突き進めとでも言わんばかりであります。

騒ぐこと自体が目的なのでしょうが、騒ぎか起こった以上は、騒がれた側は対応せざるを得ません。足を引っ張らないでほしいものです・・・
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2020年04月24日

事実を突きつけられた「裸の王様」が逃亡を図る

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200423-00010002-chugoku-soci
「10万円活用」1日で幕 広島県知事発言 ネットや議会「強権的」と反発続出
4/23(木) 8:36配信
中国新聞デジタル

「身を切る姿勢」空回り
 新型コロナウイルスの経済対策として広島県職員が受け取る10万円を県の対策事業の財源に充てる考えを示していた湯崎英彦知事が22日、発言からわずか1日で態度を翻した。財源確保へ「身を切る姿勢」を打ち出そうとしながら、部下の給付金を当て込む強権的な発想と受け止められ、県民や県議会から反発が続出。事実上の撤回を余儀なくされた。

(中略)
 国の給付金を念頭に県職員の「協力」に踏み込む今回の考えは、湯崎知事によるトップダウンで発案された。突然の発言を、多くの県職員や県議は「県事業の財源に、国の給付金を充てるのだと思った」(50代課長男性)と受け止めた。

 発言を事前に知らされたのは、ごく一部に限られていたという。ある県幹部は「当面の給与が減らない公務員に対する10万円の給付には批判も出ていた。県が身を切る覚悟を示せば賛意が広がるとの思惑だったのだろう」と推し量った。

(以下略)
■公務員叩きは確実に時代遅れに
湯崎・広島県知事、今となっては「一般市民」に過ぎない橋下徹氏の言説をパクって人気取りを期するや否や、県民及び県議会並びに県外の全国津々浦々から総攻撃を受けて引き下がるの巻wwみっともない・・・

10〜15年前の公務員バッシング全盛期であれば、いまごろ拍手喝采だったでしょう。しかし近年、自然災害が多発するなかで各級公務員が文字どおり身を粉にして滅私奉公している様をうけて、確実に世論は変わってきています。公務員叩きは確実に時代遅れのものになっています

■橋下氏の真似事をすれば拍手喝采を受けられると「思いあがった」湯崎知事
自分も橋下氏の真似事をすれば拍手喝采を受けられると「思いあがった」湯崎知事の愚かさが笑えます。

橋下氏が、他の誰も主張してこなかった率直であるが際どくもある主張を展開して拍手喝采を受けて来られたのは、その発言主体が「橋下徹」であったからであります。すなわち、未だ日本社会においては、「何が語られているのか」ではなく「誰が語っているのか」で判断する向きが濃厚であり、平生から自分が支持している人物の言説であれば、多少無理筋だとしても擁護を試みる、あるいは、少なくとも沈黙して積極的には批判しないという行動をとる人が少なくないのです。

暴論も「橋下徹」だから大目に見られていただけ。橋下氏のようなカルト的人気などあるはずもない湯崎知事が、橋下氏の真似事をしたからといって同じような人気を獲得できるはずがなく、橋下氏と同じレベルの暴論を展開して無傷でいられるはずもありません

■急にハードルを低く設定しなおす橋下氏
面白いのは、湯崎知事への総攻撃を目にした橋下氏が「いかにも維新だな」というべき取り繕いを展開し始めたことw
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200422-04220147-sph-soci
橋下徹氏、広島県知事「県職員の10万円活用」で乙武洋匡氏と議論「見解の違いがあるかもしれないが、ルールが必要という点では一致」
4/22(水) 16:08配信
スポーツ報知
(中略)
 この問題に乙武氏はこの日のツイッターに「橋下徹さんと広島県・湯崎知事は『給料が減っていない公務員は10万円を受け取るべきではない』という主張には共通点があるが、『だから受け取れないルールにすべき』と主張する橋下さんと、ルールがないなかで強権的に職員から吸い上げようとする湯崎知事では大きな隔たりがある」と投稿。

 乙武氏のツイートを引用した橋下氏は「結論は乙武さんと見解の違いがあるかもしれないが、ルールが必要という点では一致」と見解を示した。

(以下略)
これこれ、これなんですよ。分が悪くなったときの維新及び橋下氏の「逃げ方」。あれだけいつも「破邪顕正スタイル」or「文化大革命スタイル」で反対派を叩き潰そうとしているのに、分が悪くなるや否や、急に「一致点・落としどころ形成スタイル」を演じるわけです。あれだけ大言壮語していたくせに、それを達成できないと分かるや否や、急にハードルを低く設定しなおして辛くも達成できた小さな「成果」を実態以上にクローズアップして取り繕うわけです。「ルールが必要という点では一致」って何よ? 異論を叩き潰すのが橋下流。こんな「ヌルい」んでエエのかいな。

もちろん、政治は究極的には「力と力の対決と調整」であり、願望がすべて叶うわけではありません。しかし、「だったら最初の大風呂敷は何だったの? 予想外に敵対勢力が強くて見込みが外れたにしても盛大過ぎではありませんか? そもそも誇大妄想的で政権担当能力がないんじゃないの?」と突っ込みたくなるわけです。

今回だって「給料がびた一文減らない国会議員、地方議員、公務員は受け取り禁止!となぜルール化しないのか。その上で、それでも受け取ったら詐欺にあたる、懲戒処分になると宣言すればいいだけなのに、これも各自に任せるといういつもの無責任政治」(橋下徹さん「公務員は受け取り禁止!となぜルール化しないのか」“10万円一律給付”の持論展開に賛否噴出 4/21(火) 12:53配信 中日スポーツ)だの「江川紹子はもっと勉強しろ」(橋下徹氏、江川紹子氏と一律給付の10万円を巡りバトル「江川紹子はもっと勉強しろ」 4/22(水) 19:36配信 スポーツ報知)と吠えていたのは、つい数日前のことです。

多くの人が指摘しているように、公務員と十把一絡げに言っても様々な職種があるわけです。たとえば地域医療の砦は大抵は公立病院ですが、そこの医療スタッフの身分は公務員です。「最前線で頑張っている公務員には特別手当の支給」などと言い訳を付け加えています(橋下徹氏 10万円給付“ルール設定”求める「給料びた一文減らない人、生活保護受給権者」は“必要なし” 4/22(水) 6:35配信 スポニチアネックス)が、それなら最初から「公務員」などとブチ上げなければ宜しい

リスクという観点で言えば、「市役所の窓口職員の方が余程、感染リスクに晒されている」というべきノーリスクな民間勤労者も沢山いるでしょうし、独占的な業界のように、給与減のリスクがほとんどない民間勤労者もいるでしょう。パブリック・サービスの提供者が公務員だという定義に従えば、「公務員はxxだ」というのは、「会社員はxxだ」と言うのと同じくらい雑な物言いです。繰り返しますが、こんな取り繕いをするくらいなら、最初から「公務員」などと十把一絡げにブチ上げなければよいのです。

■幾つかの解釈が可能な事柄を一方的に断定し始める橋下氏
そう思ったら、今度は自己流定義で一方的に断定する挙に出るw
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200424-00010007-chuspo-ent
橋下徹氏が「公務員叩き」の声に猛反論!!「日本の政治は『全国民一致団結しよう』『国民を分断するな』なんていう美談に腰砕けになった」
4/24(金) 8:03配信
中日スポーツ

(中略)
 橋下氏は「もともとこの10万円の給付は、生活に困っている人への緊急補償。だけど事前に全国民の収入状況・生活状況を確認することは時間がかかるので、スピード重視で全国民(全世帯)に申請書を一律配布しただけ」と断言。さらに「一部の業種の人たちには生活を奪う営業停止を強力にお願いする。それなら、なんで生活に困っていない人に10万円は受け取るな、くらいのお願いができないの。日本の政治は『全国民一致団結しよう』『国民を分断するな』なんていう美談に腰砕けになった」と一刀両断した。
(以下略)
今回の「10万円」の支給対象を巡る議論の混乱は、「10万円」の位置づけが曖昧で、皆がそれぞれ自分勝手に定義づけてそれを前提に主張しているのが原因の一つであるとも言えるでしょうが、その曖昧さを奇貨として、幾つかの可能な解釈のうち特定の解釈を採用して一方的に「これが正しい」とまくし立てるのは、維新及び橋下氏の典型的手口です。とくに進退窮まったときの打開策になっているように見受けられます。

ある人は「10万円」を福祉政策として位置づけ、別の人は経済政策として位置づけ、また別の人は「国難に立ち向かう連帯の象徴」と位置付けています。「困難な時期における報奨金」扱いをしている人までいます。福祉政策として位置づけている人にしてみれば、公務員に10万円は不要ということになるでしょう。しかし、経済政策や連帯の象徴として位置付けている人にしてみれば、等しく10万円を支給すべきとなります。報奨金だとすれば、官民を問わずほとんどの事務員は対象外でしょう。

「10万円」の位置づけが政府公式として整理され切っておらず(だって、世論の反発と公明党の強硬姿勢を受けた安倍首相が慌てて変節しただけだから・・・)、ただ「一律10万円」だけが一人歩きしていることが、こうした議論の混乱を招いているものとも思われます。しかし、繰り返しになりますが、幾つかの可能な解釈のうち特定の解釈を勝手に採用して一方的に「これが正しい」とまくし立てるのは、進退窮まったときの維新及び橋下氏の典型的手口。湯崎・広島県知事が予想以上に激しく袋叩きにあい、湯崎知事を弁護する言説が乏しかったのに動揺している様が見て取れます。お得意の「勉強しろ」でマウントを取るのではなく「腰砕けになった」などと吐き捨てているあたり、多勢に無勢なのを悟ったのでしょう。

■事実を突きつけられた「裸の王様」が逃亡を図る
橋下氏は、依然として公務員叩きが世論のトレンドだと読み違えていたのでしょう。しかし、「敬遠」されていただけで、橋下流公務員叩きに異論を持っていた人は少なくなかったわけです。まさしく「裸の王様」というべきです。

公務員叩き以外には何も持っていない橋下氏が持論を撤回・改心するはずがない(撤回・改心したら何も残らないw)し、進退窮まっていることが鮮明に表れている一方的な断定の言が出てきたあたり、この取り繕いはあくまでも「逃げ」であることは間違いないでしょう。
posted by 管理者 at 23:56| Comment(0) | 時事 | 更新情報をチェックする

2020年04月20日

「現金給付1人10万円」を巡って:「国民の声による政策転換」が野党ではなく与党のポイントになったこと、納税は投資ではないということ等について

■政策が一転、世論も一転
非難轟々だった「所得制限付き給付」が、公明党の強硬姿勢と自民党内からの再考要請をうけて一転して「一律給付」に方針変更されました。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200417-00000026-jij-pol
公明、「連立離脱」論で押し切る 官邸主導の政治手法に影 現金給付1人10万円
4/17(金) 7:16配信
時事通信

 新型コロナウイルス感染拡大を受けた経済対策で、焦点の現金給付は国民1人当たり10万円とすることが決まった。

 連立解消まで持ち出した公明党の強硬な要求に安倍晋三首相が折れた形で、2020年度補正予算案を組み替える異例の展開となった。第2次政権発足以降貫いてきた官邸主導の政治手法が今回ははね返され、首相の求心力低下も印象付けた。

(以下略)
これをうけて、コメ欄も一転。「安倍辞めろ」というコメントが氾濫していたのとは打って変わって「分かればいいんだ」とばかりに、倒閣コメント投稿が急に止みました
取り敢えず一律10万円支給に舵を切ったことは評価できる。それにしても次期総理候補だった岸田が、いかに国民の健康、家計を軽視しているかが明白になったのは、唯一良かった。
公明党の不満だけではありません、国民の不満です!
10万円一律給付に変わって良かった。
後思う事は、マイナンバー制度をこんな時使えないのも政府の怠慢、既に整備できていればもっと早く配付できたと思いますね。
ロスを恐れず、スピード感最優先で実現して欲しい。
もちろん、こうした反応は、国民の関心が「求めている政策が実現したか否か」にあり、実現してくれるならば首相が安倍氏であろうと他の誰であろうと構わないという点において、至極当然であると言えます。

ヒステリックに政府批判・内閣批判を展開してきた平日日中の情報番組のコメンテーターもトーンダウンしつつあります。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200415-04150050-sph-soci
玉川徹氏、自民党の10万円現金給付の追加実施要求を評価…「やっと出てきた。配ることで家にいていただく理由になれば、本当にいいこと」
4/15(水) 10:17配信
スポーツ報知

(中略)
 今回の方針にコメンテーターで同局の玉川徹氏は「やっと出てきたなっていうことです」と指摘した。

 その上で「10万円一律に配ることで家にいていただく理由になれば、本当にいいことだと思う」と評価していた。

報知新聞社
望んでいた政策がめでたく実現したのにアレコレとケチをつけるようでは、あまりにもクレーマー然とし過ぎている印象を持たざるを得ません。特に平日日中の情報番組におけるヒステリックな番組展開に対して最近、嫌悪感を表明する人たちが増えつつあるところです。そうした事情もあって、「風見鶏」たる彼らは一転してトーンダウンしているのでしょう

■どうしても安倍批判にもって行きたい人たちが大衆から浮き始めた
しかし、そうした国民意識が分からない手合いもいるようで・・・
https://news.yahoo.co.jp/articles/7ec3296c3d00de37fdb380dec9c25845cfa9bb66
野党「前代未聞」「総辞職に値」 10万円給付、方針転換批判
4/16(木) 18:38配信
時事通信

 安倍晋三首相が一律10万円の現金給付に向け、2020年度補正予算案の組み替えを指示したことについて、主要野党は16日、「前代未聞」「総辞職に値」などと方針転換を一斉に批判した。

(以下略)
案の定、批判を受けています。
国民にとって良い政策に替わったのに、野党が与党を批判するのはおかしい。

与野党、力を合わせて早急に10万円法案を通して、国民の手元に一日でも早く届くようにして欲しい。

これに乗じて批判に明け暮れる暇があるなら、更なる対策を進言すべきだ。現金給付の他にも改善すべき点はいくつもあるだろう。休業補償の問題や、雇用調整助成金の拡充、消費税の減税等、実のある提案をすべきであり、政局をやっている場合じゃない。ズレているのは野党も同じ。だからこそ政府の支持率が落ちても野党の支持率が上がらないんだろう。学習能力が全くない。

今般の迷走の経緯と安倍氏の「資質」を結び付けてなお「安倍降ろし」を続けようとする言説や、とにかくケチをつけたくて仕方ない姿がありありと見える言説も残ります。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200417-00000102-spnannex-ent
吉永みち子氏 首相の一律10万円給付への転換、一定評価も「リーダーシップに疑問がついてしまう」
4/17(金) 10:59配信
スポニチアネックス

 ノンフィクション作家の吉永みち子氏が17日、テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜前8・00)に出演。政府、与党が16日に新型コロナウイルス対策として、所得制限を設けず全国民に一律10万円を給付する調整を始め、減収世帯に限った30万円給付は取り下げることに言及した。

(中略)
 吉永氏は「2割に絞られてしまって、もらえない人がたくさんいる(30万円給付の)現状を鑑みると良いことだと思います。国民に回ってくるお金が多くなったことは喜ばしい」と評価しつつ、「経済対策が出るまでに大変時間がかかって、ちゃんときちんと練って出していただけるのかと思ったら、こういうふうな形で出した後に変えるっていうのは、やはりリーダーシップに疑問がついてしまう」と指摘。そして、リーダーシップに疑問がつくと「今後のことを考えた時にマイナスに作用するかなって気がします。きちっと伝えるべきことを腹を決めて一気に伝えてもらわないと国民は混乱してしまいます」と話した。
しかし、一時の勢いを維持しているとは到底言えない情勢のようです。
このコメンテーターや立憲の安住、国民の玉木などが前代未聞だとか政府を批判しているが、10万円支給することになったんだからいいじゃない。
批判しかしない議員や芸人には未曾有の国難という意識は皆無。
国民に取って悪い方向ではなく、良い方向への修正なら、納得する人が大多数だろう。

遅きに失した感があるが、やっと与党から話が出てきたのは朗報。
あとは決まったのであれば、一日も早く支給をお願いしたいですね。


https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200417-04170029-sph-soci
「news23」星浩氏、政府の10万円一律給付への方針転換に「前代未聞。ドタバタ感を露呈したかなって感じはあります」
4/17(金) 7:09配信
スポーツ報知

(中略)
 補正予算案に盛り込まれていた困窮世帯限定の1世帯当たり30万円の現金給付は取りやめる方向でアンカーでジャーナリストの星浩氏は今回の方針転換に「公明党の強い要求で10万円の一律給付になるんですけど、予算も組み替えということで前代未聞のことなんですね」と指摘した。

 その上で「しかし、予算が通って国民に配られるのは恐らく早くても6月になってしまうんでスピードー感はないんです」とコメントした。

 続けて「さらに今度、緊急事態が全国展開になりますので、全国に休業要請することで一律10万円の方が分かりやすくていいだろうと安倍総理が判断したようなんですが、そういう意味ではドタバタ感を露呈したかなって感じはありますね」と指摘していた。
星浩氏が安倍首相を評価したら、それはそれで大事件ですがw

■無節操にコメントを引いている報道各社は政府批判自体が目的化している?
また、おそらく発言者本人は一貫していたのでしょうが、以前であれば全く報じられる機会に恵まれなかった一律給付に疑問を呈する意見が俄かに報道されるようにもなりました(記事へのリンクだけ張っておきます)。
松田美由紀 一律10万円給付に疑問「この時期、物凄くお金持ちになってる人もいるかもなのに?」(4/16(木) 20:14配信 スポニチアネックス)
住田裕子弁護士、一律10万円の現金支給に疑問「『この人にどうして10万円?』って場合があり得ると思う」(4/17(金) 15:51配信 スポーツ報知)
小林よしのり氏、一律10万円給付は「ナンセンス」(4/17(金) 13:32配信 日刊スポーツ)

14日づけ「資産階級にも給付金を与えようとする「労働者階級の党」」などでも述べたとおり私は、資産階級どもに給付は不要という立場です。それゆえ上掲3記事の意見は概ね同感なのですが、私が当該記事を書いた時点ではこうしたコメントはほとんど報じられていませんでした。しかし、いざ首相が一律給付に切り替えた途端に報じられるようになるとは、とにかく政府批判を展開したいがために、ありとあらゆる筋から無節操にコメントを引いている報道各社の魂胆が透けて見えます

今回の展開は、明らかに「国民の声が政府の考えを改めさせ、正しい方向性に事態が向かい始めた」という筋書きで理解できるものであり、民衆の勝利・民主主義の成果そのものです。しかし、そうした方向に話を持っていけないあたり「反アベ」勢力の劣化が甚だしいと言わざるを得ません。政府批判自体が目的になっているからこそ、此度の民衆の勝利を素直に喜べないのでしょう

■「国民の声による政策転換」が野党ではなく与党のポイントになった――日本における政権交代が起こる条件とは?
ところで、今回こうして政府が一転して一律給付に舵を切るや否や、「安倍降ろし」的な言説を展開してきた世論が「分かればいいんだ」とばかりに政府批判の矛を収め、また、野党勢力ではなく安倍首相に対して強硬に政策変更を迫った連立与党の公明党が株を上げているのを見ると、「この国で政権交代が起こる条件とは、いったい何なのだろう」と思わずには居られません。

「国民と野党が共に精力的に展開してきた要求運動を政府が受け入れた」という事実が、野党の「政権担当能力を示すポイント」になるのではなく、受け入れた政府の「国民の声を聴いていることを示すポイント」になったわけです。立憲民主党・国民民主党・日本共産党等の野党各党は、公明党に美味しいところを、自民党及び安倍内閣に「可食部分」を持っていかれ、お零れさえも拾えなかったわけです。

現実問題として今の政治は、「自民党と公明党だけで決めている」状態にあります。もちろん、安倍首相が今回、急転回的に方針転換した背景には、政権交代の危険性はゼロであるとはいえ野党が勢力を伸長させ、国会対策の「面倒」を避けたいという動機があったと思われます。それゆえ、「自民党と公明党だけで決めている」とはいっても、それは野党の存在を幾らか意識した条件下である点において、「現下において野党に存在価値はない」とまでは言えません。しかし、野党の影があまりにも薄すぎることもまた否めないところです。健全な状態であるとは言い難いところであります。面倒を避けるために身を正すという消極的な動機ではなく、政策競争で積極的に身を正すことが望ましいものです。

今般の展開を見るに、日本における政権交代は、自民党・公明党の立場ではどう頑張っても実現させられない要求が湧き上がるとき、実現させようとすれば自民党・公明党の存在意義が揺らぐような社会総体の徹底的変革を求める声が国民から湧き上がる「革命情勢」でもない限りは起こり得ないのではないかとも思えてきます。

■納税は投資ではない――正しい税の哲学・再分配の哲学の必要性
「一律給付」を支持する世論についても少し考えてみたいと思います。詳しく見てみると様々な理由・動機があるように分類できるところですが、一つの有力な言説として「高額所得者は高額納税しているのだから、給付対象になって当然」という主張があります。

これは、裏を返せば「非課税世帯は納税していないのだから、給付対象から外れるべきだ」という言説に必然的に至るものです。現にそういう言説も出てきています。

私としては、どうしても納得できない主張です。納税は投資ではないからです。納税額の多寡によって再分配の多寡が決まるというのは再分配論としては邪道であります。

そもそも国家による再分配というものは、自由放任だけでは社会組織体の維持が不可能だという歴史的経験から編み出された人類の英知であり、税と再分配の関係は根本的には「能力に応じて納め、必要に応じて給付される」という、ある種の共産主義的な原理に基づいているものであります。

4月10日づけ「「休業補償」の当否および程度の調整にあたっては、集団主義の哲学的解明が不可欠」でも述べましたが、正しい税の哲学・再分配の哲学、そしてそれらをとおした集団主義の哲学的解明が必要だと改めて思う次第です。
posted by 管理者 at 21:28| Comment(2) | 時事 | 更新情報をチェックする

2020年04月19日

ついに「マスク切符制」が導入される!

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200419-00010000-fukui-l18
福井県が県内の全世帯にマスク購入券配布へ 最大100枚購入可能
4/19(日) 8:20配信
福井新聞ONLINE

 新型コロナウイルスの影響でマスクが手に入りづらい状況が続く中、福井県が県内全世帯に購入券を配布する方針を固めたことが4月18日、分かった。最寄りのドラッグストア「ゲンキー」に購入券を持参すれば、50枚入り1箱(税込み2350円)を最大2箱購入できる。販売は24日開始予定で期間は5月10日まで。県によると、都道府県単位で県民にマスク購入をあっせんするのは全国初。


(以下略)
3月4日づけ「「北朝鮮」にも劣る稚拙な転売規制要求を展開する日本世論の愚:真の問題である「買占めの発生」には「転売規制」ではなく「配給制の導入」で対応すべき」などで再三指摘してきたように、供給不足の物資を買い占めて私的転売することを強権的に禁じたところで取引は地下に潜行し闇市化してゆくだけで、転売行為が根絶されるわけがありません。供給不足の物資を広く国民に行きわたらせるためには、公的な介入による「配給制」の一時的導入こそが現実的な方法論であります。

その点、4月1日づけ「マスクの分配は、「金持ち順」ではなく「暇人順」でもない「配給制」での対応が必要――たとえ「布マスク1家庭2枚」でも配給制導入という点で進歩」で述べたとおり、いわゆる「アベノマスク」は、不十分でありながらも配給制導入と言う点で評価できるものであると述べたところです。

もちろん、国民の中にはマスクに困っていない人もいるでしょう。4月12日づけ「新型コロナウィルス禍によって炙り出されてきた日本世論に染みついた「他力本願」精神」で述べたとおり、欲を言えば広い意味では配給制の一種である「切符制(切符配給制)」が最良であるとも述べました。

そんな中で飛び込んできた本件。まさに切符制の導入理想的です。このことは、単に今回の新型コロナウィルス禍における有効な対応であるに留らないでしょう。戦後の高度経済成長期以降、めったにお目にかかれなくなった切符制が復活したことは、今後の分配政策の立案においても貴重な経験になることでしょう。

なお、この記事で賞賛しているのは、あくまでも「切符制であること」という分配方法であり、「福井県民が一世帯最大100枚確保できる」という分配の具体的内容については、まったく別問題であると申し添えておきたいとおもいます。「福井県、全世帯にマスク100枚分の購入券配布…都道府県で全国初」(4/19(日) 16:39配信 読売新聞オンライン)のコメント欄では、重要な指摘がなされているので、参考として引用したいと思います。
購入券を配布する以上、自治体は全ての世帯に行き渡るだけの数を確保する義務が生じる。

仮に全世帯に福井県と同等の購入券を配布する場合、全国の自治体が確保すべきマスクの総数は50億を遥かに超える。もちろん、月間生産7億程度の現状では到底不可能。

全世帯に広げたとしても、購入券があれど買えない状態になるのは目に見えています。なにしろ足りないモノはどうやっても足りないのですから。

最悪の場合、国が号令しての施策でないため、自治体同士の争奪戦になるでしょう。そうなれば県内に工場や企業を保有していない自治体のマスク品薄は今より遥かに酷い事になる。当然、その自治体の医療関係にも回りにくくなるので、医療崩壊を早めるでしょう。

どう考えても布マスクの普及を促す方が賢い。無い袖は振れない。
「一世帯最大100枚」は、福井県という一地方のスケールで見たときには素晴らしい政策であっても、全国のスケールで見たときには懸念のある政策というわけです。

かつて首領様も仰ったように、供給不足の物資の分配問題は、究極的には生産を増やすことなのです。
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2020年04月17日

マスクがどういうものなのかも分かっていないのに、布だ不織布だと大騒ぎしている:大衆教育について

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200415-24150008-nksports-soci
アベノマスク届くも「小さく鼻出る」「意味ある?」
4/15(水) 5:00配信
日刊スポーツ

(中略)
介護施設の業務では、難聴の入居者に耳元まで顔を近づけて声をかけるなど、間近で話す機会が多い。換気を徹底しても、室内であるため密閉や密集、密接の「3密」は避けられない。外部からの感染を防止するため、家族らの面会も制限。普段から感染防止策を徹底しているものの、重症化しやすいといわれている高齢者には、顔を覆うことができるマスクは必須だ。

職員の男性は「小さくて、(顎まで隠そうとすると)鼻が出てしまう。今使っているマスクがなくなったら、自分で作ろうと思います」と話す。

(以下略)
ちょっと待って! 給食型の布マスクはそもそも顎まで隠す設計になっていません! 小学生時代の給食当番のことは流石に忘れてしまったのでしょうか? 配布予定と思われるマスクを着用して最近登場することが増えてきた安倍首相だって顎は覆っていません。布マスク着用の方法としては正しく着用している安倍首相に対して、タレントのラサール石井さんが噛み付きましたが、逆に恥をかきました

介護施設職員も分かっていなければ、それを報じる日刊スポーツ記者も分かっていない。予想外の部分で計算違いが発生しました・・・国民はマスクの種類ごとの正しい着用方法を分かっていなかったわけです!

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200415-00000005-pseven-soci
アベノマスク緊急アンケート 75.9%が「使わない」の理由
4/15(水) 7:05配信
NEWS ポストセブン

(中略)
そこで、NEWSポストセブンでは【政府が配布する「アベノマスク2枚」、あなたは使う? 使わない?】と題する緊急アンケートを行い(4月10日〜13日投票)、男女1994人(男女比は6対4)から回答を得た。その結果、「使う」と答えた人はわずか24.1%にとどまり、「使わない」と答えた人は75.9%に上った。

「使わない」と答えた人の理由で多かったのは、布マスクの効果が疑わしいとする言及だ。

「布マスクは感染症対策としては効果が弱く、ウイルスの侵入を防げないという報告もあるし、使用後のマスクの処理も大変なので、できれば使い捨ての不織布マスクのほうを使いたい」(42歳女性)
「予防効果にまったくエビデンスのない状態で、自粛しながら過ごす日常生活で必要とは考えられない」(50歳男性)
「繰り返し利用できるとのことですが、洗い方にも注意がいるようですし、使い方次第では逆効果のような気がします」(63歳女性)

 WHO(世界保健機関)が当初、医療機関向けのガイドラインで〈ガーゼやコットンなど布製マスクの使用は推奨できない〉と示した情報が広がったこともあり、日本でも布マスクに対する不信感は根強い。

(以下略)
これは驚きました…「布マスクは感染症対策としては効果が弱く、ウイルスの侵入を防げないという報告もある」というアホコメント。飛沫感染対策であれば布マスクでも効果はあります。布だろうと不織布だろうとそもそも、マスクは「ウィルスの侵入を防いで自分が感染することを避ける」ための道具ではありません。せっせとマスクを買い込んでいる人って、こういう動機だったんだ・・・そんなことだろうとは思っていたけど。

予防効果にまったくエビデンスのない状態」という声については、朝日新聞の「布マスクは有効? WHOは「どんな状況でも勧めない」」の影響を感じるところですが、この記事については「朝日新聞の「WHOは『布マスクどんな状況でも勧めない』」記事は誤解生むのでは? 案内は医療従事者向け」という指摘が上がっています。いかにも朝日新聞的なミスリードを誘う書き方ですが、その効果は大きかったようです。

今回の新型コロナウィルスは飛沫感染で伝染してゆくものであり、感染拡大防止のためには唾が飛ぶことを防けばよいわけです。そういった目的であれば布マスクであっても効果があると考えられます。以前にも述べましたが、医療機関等に不織布マスクを優先的に供給しなければならない情勢(医療機関が闘っているのは新型コロナウィルスだけではありませんからね)においては、一般市民は布マスクを着用する方が社会全体の最適化の視点から好ましいと思われます。

上掲2記事を見るに、国民意識においてそもそもマスクの何たるかの理解が深まっていないことが示されているといえます。マスクがどういうものなのかも分かっていないのに、大騒ぎしているわけです。

Twitterの方でも書きましたが、キム・ジョンイル総書記の労作『チュチェ思想教育において提起される幾つかの問題について』の下記のくだりを連想的に思い出さざるを得ません。
新しい社会制度がいくら優れていたとしても、その主人である人々がそれにふさわしい先進思想と、それを適切に管理運営しうる能力や経験を持たない時には、あたかも下手な機械工が新しい機械の優れた性能をすべて正しく引き出すことができないように、新しい社会制度の優越性を発揚させることができないこともあります。
いかに有利な条件・便利な道具があったとしても、それを使いこなす人間の方が十分に準備されていなければ、宝の持ち腐れになってしまうわけです。

この2つの記事が出たのは4月15日、ちょうど太陽節でした。共和国にあっては、偉大な首領と党が人民大衆を、自然科学と社会科学の両面で十分に教育して革命偉業に参加させる事業が重視されているところです。

大衆路線を掲げている共和国なので、人民大衆は一方的に無知蒙昧で教育対象であると位置付けられているわけでは決してありませんが、日本のように、国家や政権与党が大衆を教育するという風土がない社会で日常的社会生活を送っていると、いささかの「違和感」を感じざるを得ないのも正直なところです。共和国が言っていることは理屈としては正しいとは思うが、なんだか少し「引っかかる」ところが否めないわけです。

そんななかで接した上掲2記事。共和国が言っていることが理屈としても具体的方策としても正しいような気がしてきましたw

【新型コロナウィルス禍を巡って炙り出された世相 関連記事一覧】
http://rsmp.seesaa.net/tag/articles/%90V%8C%5E%83R%83%8D%83i%83E%83B%83%8B%83X%89%D0%82%F0%8F%84%82%C1%82%C4%E0t%82%E8%8Fo%82%B3%82%EA%82%BD%90%A2%91%8A
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2020年04月15日

首領様・将軍様・元帥様の教示・お言葉を「思想自習」するアカウントを作りました【太陽節慶祝】

今日は太陽節(태양절)、偉大な首領:キム・イルソン主席の生誕記念日です!

私事なのですが、ここ最近、ニュース記事を目にしたときに首領様・将軍様・元帥様の教示・お言葉がパッと出て来づらくなってしまいました・・・以前であれば見出しや最初の段落を読んで記事の概要を掴めば直ちに出てきたのに・・・

その原因を考えてみたところ、アウトプットが不足していることに気が付きました。錆びつき始めてしまったわけです。以前はメモ帳の一行目にニュース記事等のタイトル及び要約文を書き、二行目に一文から短文程度の教示・お言葉を引用して書き添えることをやっていたのですが、リアルが忙しくなってきた時期を境に頻度が下がり、ついに途絶えてしまっていました。まったくをもって怠慢であります。

そこで仕切り直しとして「ニュース記事→教示・お言葉引用」を久しぶりに再開して「思想自習」に取り組もうと決心したのですが、どうせやるなら自分しか読まないメモ帳に書いて死蔵させるよりはインターネット上で公開的にやる方がよいと思ったので、とっても今更ながら、Twitterを始めました。

https://twitter.com/rsmtp1

ずっと前からTwitterは気にはなっていたのですが、世間一般とは対立する主張を展開することが多い私は、持論を展開する上ではどうしても長文になってしまいます。Twitterの厳しい文字数制限ゆえになかなか踏ん切りがつかないで今日まで来てしまいました。しかし、ニュース記事へのリンクと短い教示・お言葉の引用だけであれば、長文にはなりません。

当ブログ上でやることも考えたのですが、短文記事が一日に複数投稿されたり、あるいは一つの記事に複数の話題が混在しているのは見栄えが良くないような気がするところです。個人的な好みの問題ですが。他方、短文投稿の羅列こそがTwitterであります。

そんなわけで、新しくTwitterでアカウントを作ってやってみることにしました。

このブログもそうですが、需要予測対応・マーケティング的なことは原則として行うつもりはなく、他人様のアカウントにお邪魔してコメントを残しがてらアカウントを宣伝するつもりもありません。ある意味において「完全に自己中心的」に更新する予定です。だいたい、ニュース記事を取り上げて、それに首領様・将軍様・元帥様の教示・お言葉の引用を書き添えるというニッチな分野に大きな需要があるとは思えないのでw関心のある方にご覧いただければ幸いに思います。

当面は「ニュース記事→教示・お言葉引用」に限定して不定期に更新してゆく予定ですが、今後の気分とTwitterの使い勝手次第では、このブログでも時々投稿している短めの記事はTwitterに移行するかも知れません。

よろしくお願いいたします。
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2020年04月14日

資産階級にも給付金を与えようとする「労働者階級の党」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200411-00000088-kyodonews-pol
共産、国民全員に10万円給付を 小池書記局長が政府対応批判
4/11(土) 18:31配信
共同通信

 共産党の小池晃書記局長は11日、静岡県富士宮市で街頭演説し、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて生活困窮世帯に限り30万円を給付する政府対応を批判した。「みんな苦しんでいる。国民全てに1人10万円以上の給付金を届けるべきだ」と述べた。


(以下略)
え、資産階級にもくれてやるの? そんな必要はないでしょう。労働者階級の党とは思えない主張・・・なんで奴らにも? むしろ奴らに出させるように主張してこそ労働者階級の党の面目躍如であります。こういうときこそ共産党には共産党らしくあってほしい!!

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200414-00000102-jij-pol
国民1人10万円給付を 新型コロナの追加対策 自民幹事長
4/14(火) 18:27配信
時事通信

 自民党の二階俊博幹事長は14日、新型コロナウイルス感染拡大を受けた追加の経済対策として、所得制限を設けた上で国民1人当たり10万円の現金給付を行うよう、政府に求める考えを明らかにした。


(以下略)
これなら理解可能。先の30万円支給は対象を絞り過ぎていますが、かといって無差別にバラ撒くべきではないでしょう。所得制限が具体的に幾らに設定されるかにもよりますが、総路線は正しいと考えます。

あわてて変節したに過ぎない自民党が労働者階級の利益を実現しようとしている奇妙な展開です。
ラベル:政治 日本共産党
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2020年04月13日

反アベの革命情勢?

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200413-24120447-nksports-soci
安倍首相動画“身内”も批判…他国なら「革命起こる」
4/13(月) 8:00配信
日刊スポーツ

安倍晋三首相が12日、ツイッターを更新し、星野源(39)が歌う「うちで踊ろう」とともに、自宅ソファで愛犬のミニチュアダックスフントのロイを抱く姿や、カップ片手にくつろぐ様子を公開した。「ステイホーム」を訴えるのが狙いとみられるが、世の中の混乱をよそに優雅にくつろぐ姿にネットは騒然。同日夜までに30万を超える「いいね」が押される一方、「この国の首相は貴族か」と批判も殺到した。

(中略)
動画は11日、東京・富ケ谷の私邸で撮影されたという。世界保健機関(WHO)が「パンデミック」を表明して1カ月の節目の日だった。新型コロナウイルス対策で先頭に立つはずの首相の超然とした姿にマリー・アントワネットを思い起こした人も多い。「下流老人」などで知られる藤田孝典氏は「この国の首相は貴族か。フランスなら第2のフランス革命が起こる異常なレベルだよ」。
(以下略)
フランスなら第2のフランス革命が起こる」だなんて変なことを言っているのは誰なのかと思ったら、なんのことはない、藤田孝典氏でしたか・・・大人しい国民性の日本人ではなく、「権利は獲得するものだ」という意識が強い国民性のフランス人であれば、これは革命がおこるレベルだと言いたいのでしょう。

貧富の差や経済的困窮が社会的課題の中心になっているのならまだしも、そうでない状況において、金持ちの家に生まれた人が自宅で休日を過ごしている写真をSNSにアップしただけでは革命は起こらないでしょう。もし藤田説どおりであれば、とっくに革命が起きているはずです。

まして、安倍氏ほど「優雅」かどうかはさておき、緊急事態宣言の対象になっている7都府県では、人々は外出できないために自宅でノンビリと過ごしているところです。程度の差こそあれ似たような休日の過ごし方をしている人が多い以上は、「安倍は休んでいないで仕事しろ」ならあり得ても、怨嗟が積もって革命情勢になることは、日本は勿論フランスであっても考えにくいところです。

「陣頭指揮を執るべき首相にしては呑気に寛ぎ過ぎている」という批判、及びそれを理由にした「安倍降ろし」の展開であれば十分に理解可能ですが、マリー・アントワネット云々は違うでしょう。「ある層」の人々にとって安倍氏の振る舞いがマリー・アントワネット的に映っても、「それ以外の層」の人たちにはそうは映らず、そして「それ以外の層」の人の方が多数派であれば、革命情勢にはならないでしょう。リーマンショックのとき、当時の麻生首相が金持ち(あれは本当のブルジョアですからね)だからどうのこうのというコトがありましたが、局地的な騒ぎで終わりました。

少数派の暴動ではなく多数派による革命を論ずるのであれば、それがどういう条件下で起こってきたのかを、しっかりと学んだ上で情勢分析する必要があります。

経済の急速な収縮によって困難な状況に置かれる人は増えつつありますが、依然として勤労者の多数派が困窮するまでには至っていません。よって、経済的困窮による怨嗟の蓄積には至っていません。この意味において革命の条件は満たしていません

キム・ジョンイル同志が指摘されるように、人間が革命に挺身するのは、必ずしも貧富問題ではありません。仮に物質的に豊かな暮らしを送っていたとしても自らの社会政治的自主性を蹂躙されたとき人間は自主権獲得・自主性回復のために革命に決起するものです。その点から情勢を分析するに、とりたてて新型コロナウィルス禍によって社会政治的自主性が、権力によって抑圧されているという事実もありません最新の内閣支持率は依然として40パーセントあります。「本田圭佑、政府の緊急経済対策を評価「批判して好き勝手言うだけじゃなく…」」や「テリー伊藤、政府批判に偏るネットニュースに苦言「揚げ足を取らず前向きな案を」」といった記事も出てくるようになりました。この意味においても革命の条件は満たしていないというべきです。

もともと日本社会はボトムアップ型社会・根回し稟議型社会なので、欧米のようなトップダウン型の決定に適合した社会構造にはなっていません。昨今の政府の動きの鈍さは、こうした根回し稟議型の社会構造にも原因があると思われますが、これがあまりにも続くようだと最高指導者としての安倍氏に対する風当たりは更に強まるでしょう。また、なかなかの「空気の読めなさ」を曝け出している安倍氏には、今後も風当たりは強まる一方だと思われます。それゆえ、今後どうなってゆくのかは分かりませんが、少なくとも現状は革命には程遠い情勢です。
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2020年04月12日

新型コロナウィルス禍によって炙り出されてきた日本世論に染みついた「他力本願」精神

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200411-00000109-spnannex-ent
玉城ティナ マスク2枚は「いらないから必要な人に届いて欲しい」「466億か…」
4/11(土) 7:55配信
スポニチアネックス

(中略)
 玉城は「私の2枚のマスク、いらないから必要な人に届いて欲しい…」と投稿。「466億か………」とも添えた。
(以下略)
■配給された後に自発的に寄付等をすれば?
「私の2枚のマスク、いらないから必要な人に届いて欲しい…」――そう思うのであれば、コメ欄にも投稿されていますが、配給された後に自発的に寄付等をすればよい話であります。

今回の布マスク配給については、最近は少しずつ冷静に評価する意見も出始めましたが、当初は批判的な意見・コメントが少し異様な規模で氾濫していました。そのなかでは「私はいらないので、『国は』我が家を送付先から除外してほしい」という意見が多くみられました。そこまで国や行政にやらせるつもりなのでしょうか?

受け取る側の意向を調査し、その結果をデータベース化した後に宛先ラベルを準備するとなると、特に意向調査の段階で時間と費用が掛かることでしょう。今回の布マスク配布のようにスピードを重視しなければならないケースにおいては、このようなタイムロスはかなり大きな問題になります。それゆえ、受け取る側の意向を敢えて「無視」して「押し付け」ることも一つの方法でしょう。

私は、今回の布マスク配給については、4月1日づけ「マスクの分配は、「金持ち順」ではなく「暇人順」でもない「配給制」での対応が必要――たとえ「布マスク1家庭2枚」でも配給制導入という点で進歩」で論じたとおり評価をする立場ですが、「受け手の意向を無視して一方的に郵便で送りつける」よりは、いわゆる「切符制(切符配給制)」(これはも広い意味では配給制の一種です)の方がよいとは思っています。しかし、切符制を導入するとなると配給所の手配が必要になるし、また、配給所の前に行列ができてそこがクラスタになりかねないので、今回は「一方的に郵便で送りつける」という方法が現実的だったと理解しています。

なお、この「意向調査」を一企業レベルの感覚で論ずることは「素人考え」と言うべきものです(3月28日づけ「よく言えば「等身大の感覚」、悪く言えば「素人考え」でコロナウィルス対策を考える風潮について:経済政策編」参照)。一企業レベルの仕事と一国家レベルの仕事には量的な差があり、よって質的にも差があります。同じような仕事のやり方で取り組めるものではありません。

■成熟した市民社会に主体面でなり切れていない
「いらない」のであれば、腐るものではないし必要としている人もいるわけだから、「いらない」と思う人同士で不用品市を開けばよいだけであるように思えるのですが、その面倒まで国・行政が見なければならないのでしょうか? 国・行政は、国・行政にしかできないことに注力して、それ以外の民間組織・個人でも取り組める事業は、民間組織・個人の自発的社会活動として分業的に展開するというのが成熟した市民社会なのではないかと思うのです。

古くからの「お上が何とかしてくれる」観念が依然として根強いことを伺わせる展開。厄介なのは、こうした「お上任せ」が「民主主義」という概念によって「行政なんだから何とかすべきだ」といった形で正当化されていることでしょう。成熟した市民社会に主体面でなり切れていない様子が見て取れます。

■余談
ちなみに、配給されたマスクって転売したら違法なんでしょうかね? 転売規制の構成要件にも引っかからなさそうだし、3月15日づけ「やはり「転売規制政策は意味があるかないか」こそが核心だった」等で論じてきたとおり、転売行為の真の問題は、その前段階における「買い占め」の発生ですが、配給された布マスクは「買い占め」とは無縁の方法で「調達」されたものなので、法の趣旨から考えても大丈夫なのかな?(しらんけど)

【新型コロナウィルス禍を巡って炙り出された世相 関連記事一覧】
http://rsmp.seesaa.net/tag/articles/%90V%8C%5E%83R%83%8D%83i%83E%83B%83%8B%83X%89%D0%82%F0%8F%84%82%C1%82%C4%E0t%82%E8%8Fo%82%B3%82%EA%82%BD%90%A2%91%8A
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2020年04月10日

「休業補償」の当否および程度の調整にあたっては、集団主義の哲学的解明が不可欠

https://www.asahi.com/articles/DA3S14430557.html
金曜夜なのに9割休業 銀座のクラブ「先が見えない」
2020年4月5日 5時00分

 夜の歓楽街からにぎわいが消えた。新型コロナウイルスの感染拡大が続き、行政が夜間に営業する飲食店への出入り自粛を要請。全国で最も感染者が多く、小池百合子知事が「感染爆発の重大局面」と危機感をあらわにする東京都内では、多数の店が休業に追い込まれている。


(中略)

 休業を決めた高級クラブの経営会社の役員の男性(65)は「国や東京都が一方的にクラブに行くなと言いつつ、あとは放っておく姿勢にどうしても納得いかない」と話す。

(以下略)
リスク及び不確実性を一身に担うからこそ、その成果としての利益を「正統」に自らのものにできるのが資本主義。それにも関わらず、儲けているときは「自分のカネ」・損したときは「国が補償せよ」とは、道理に沿っているとは言い難い主張であります。企業家精神を説いた、かのJ.A.シュンペーターがこのあり様を見たら、きっと仰天することでしょう。お得意の「自己責任」論はいずこへ?

彼らに言わせれば、「我々も納税義務を負い、企業市民として社会共同体への義務を果たしている」といったところかも知れません。しかし、この手の企業こそが政治献金やロビー活動に精を出し、政治権力に食い込むことで納税=社会共同体に対する金銭的貢献を一円でも安くしようと暗躍してきました。こんな時だけ企業市民とは、「虫のよい話」という感想を禁じ得ぬところです。「従業員の生活保障」は人権の問題として理解できますが、「企業の休業補償」は・・・

もちろん、これはそれこそ「企業による」でしょう。このことを考えるには、まずは当該企業の納税状況を個別的に調査して判断する必要がある点において、階級・階層主義的に十把一絡げな判断をするのは不適切かも知れません。

そうした個別的なことはさておいて、一般的な判断の問題として本件を考えるとすると、税の哲学・税金の問題をとおした集団主義の哲学的解明が不可欠であるように思えます。どの程度の貢献を社会共同体に対して果たせば、どの程度の見返りを社会共同体から得ることができるのかという問題です。税金の問題および経済政策の問題は、個人の財産権に直結する問題です。それゆえ、個人と集団との権利調整の問題という点において集団主義の問題として取り扱う必要があります。

また、私有財産権が優先度高く位置づけられている現代資本主義社会から未来社会としての社会主義社会を展望するにあたっては、個人と集団との権利調整問題の解明は最も重要なテーマです。それゆえ、このことを考えることはすなわち、社会主義の在り方を考えることにもなるでしょう社会主義(特にチュチェの社会主義・朝鮮式社会主義)とは、個人と集団の権利を「集団主義」に基づいて両立的に達成する思想体系であります。

ひょんなことで社会主義を目指す上での課題が見つかったようです。
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2020年04月09日

例外的・緊急的なご時世だからこそ、法の究極目的に照らして柔軟に条文を解釈・運用し、実利を取りに行くべき

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200408-00000063-asahi-ind
東京のタクシー会社、全乗務員600人解雇へ 自粛影響
4/8(水) 20:02配信
朝日新聞デジタル


(中略)

 担当者によると、7日から順次、乗務員に解雇を伝えているという。その際、乗務員には「感染拡大が収束した段階で再雇用する。希望者は全員受け入れる」と説明したという。同社は「休業手当を払うよりも、解雇して雇用保険の失業手当を受けた方が、乗務員にとって不利にならないと判断した」と説明している。

朝日新聞社
「レイオフ的な解雇だったらいいな」と思って記事を開いたところ、幸いにしてそのとおりだった本件。コメ欄でもそのような反応が見られるところです。
猿渡由紀
L.A.在住映画ジャーナリスト

アメリカ的なやり方です。ハリウッドの大手も含め、アメリカではコロナで多数の従業員が一時解雇(furlough)されましたが、雇用主からの通知では、たいてい、「状況が元に戻ったら再雇用します。この後X週間分の給料を払いますが、その後のために、みなさんただちに行政に失業手当申請をしてください」と、手続きについてのリンクが掲載してあるようです。健康保険については、大手優良企業だと「その間、普段は個人負担である分も含めて会社が払います」というところもありますが、そこまで寛大なのは稀で、多くは「今月末まで」など限定的なよう。そこが一番の問題です。このタクシー会社の判断は合理的だと思いますが、健康保険がどうなっているのか、そこだけが気になります。

頭いいね。
雇用保険払っているから、失業保険を貰った方が、会社も社員も助かる。

タイトル見たらぎょっとしたけど、
会社としては良い判断であり、社員も助かる。
タクシーの乗務員も感染の恐怖があったと思うし。

見出しでビックリしたけれども、政府よりも働く人の事の味方だと思う。
誰もが生活をする為に働いて賃金を貰っているのだから、正直どんなかたちであれお金が入れば気持ちは落ち着くと思う。

もちろん、ブルジョアの言い分をどこまで信用できるか等、まったく手放しで賞賛できることではありません。しかし、従業員の生活を一企業に「丸投げ」する、「中途半端な社民主義」よりは遥かにマシでしょう。とりわけ、世界史的一大事である今回の新型コロナウィルス禍においては、一企業の努力程度で従業員の生活を維持できるとは到底思えないところです。こうした選択もまた一つの方法論でありましょう。

そう考えると、当ブログでも何度か批判的に取り上げてきたNPO法人POSSE代表である今野晴貴氏の下記主張が悪い意味で目立ちます。
今野晴貴
NPO法人POSSE代表。雇用・労働政策研究者。

600人もの従業員を全員解雇はあまりに乱暴だ。労働契約法に明らかに違反している。他方で、国の無策がこのような経営判断を助長していることも見逃せない。
国は、緊急事態宣言をしておきながら、その間の労働者の生活保障や事業者の支援について有効な策を打ち出していない。東日本大震災の際には、雇用主に対して、労働者を解雇をせずに休業とするよう促して、労働者には特例的に雇用保険上の失業手当を給付できるようにした。この制度があれば、今回のような事態は防げたはずだ。
緊急事態宣言を出し、事業主が休業や解雇にはしることは目に見えていた。東日本大震災など過去に類似の事例があるにもかかわらず、まったくその制度に言及さえしていない。適切な対応をとっていない国の責任は重い。国の無策と雇用主の違法行為で労働者が苦しむことがあってはならない。解雇されたらすぐに労働組合やNPOなどの相談窓口に相談してほしい。
政府の制度的対応が悪いのか、企業の「悪意」が悪いのかが今一つハッキリしない言説ですが、「現行制度下においては、ロイヤルリムジン社の対応は法的にはマズいものの従業員の利益には適う」と読めました。労働契約法の法解釈はさておき、「違法」が従業員の利益になるのなら、決して褒められることではないものの、労働契約法自体が間違っているというべきなのかもしれません。

「法を守る」ことは、法治国家・法の支配下にある国家においては極めて重要なことであります。しかし、本件のような現行法の現行解釈でを乗り越えることが出来るのかという疑問が当然、浮上するものです。

私は基本的に法解釈には例外を設けたくない立場なのですが、しかし、世界史的一大事である今回の新型コロナウィルス禍においては、法の趣旨、もっと突き詰めていえばその究極目的に照らして柔軟な対応を取らざるを得ないとも考えています。その点、ロイヤルリムジン社の対応は労働契約法に照らして問題なのかもしれませんが、この異常事態・緊急事態にあっては致し方なく、また、それが従業員の利益になっている(←ここが一番大切!)点において労働契約法の根本目的がある意味で達成されていることから、とりあえず黙認することも必要なのではないかと思えます。

その点、「法原理主義」的であり柔軟性に欠けた化石のような今野氏の存在が際立つと言わざるを得ません。このご時世は例外的・緊急的なご時世なのだから、法の究極目的に照らして柔軟に条文を解釈・運用し、実利を取りに行くべきだと思いますよ。形式的な雇用を維持することが目的ではないのだから
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2020年04月08日

ここにきても団結できない「反安倍」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200407-00000131-spnannex-ent
フィフィ 条件付きの現金給付に疑問「働く意欲を失くすような税金の使われ方は如何かと」
4/7(火) 13:34配信
スポニチアネックス

(中略)
 フィフィは、1世帯当たり30万円の現金給付案にさまざまな条件が設けられるという記事をリツイートする形で「頑張って働き、納税してきた人は呆れるだろうね。日本はセイフティーネットがしっかりしてるから野垂れ死ぬ事はない。生保レベルにまで生活を落とした方が得をするなんて言う人までいる」とツイート。さらに「そんな働く意欲を失くす様な税金の使われ方は如何かと思う」と投げかけた。
(以下略)
安倍首相による新型コロナウィルス禍をめぐる経済面での対策については、右から左まで:保守・右翼からリベラル・左翼まで非難轟々。珍しく意見の一致が見られています。わずかに政治ジャーナリストの田崎史郎氏のような方が政府の「線引き」に理解を示す言説を展開しています(田崎史郎氏、1世帯30万円給付の条件付きに「大学受験でも何点以下、何点以上とかどっかでラインを引く。一定のラインは引かざるをえない」)が、極めて限定的な動きであります。

しかしながら、ここにきて「足並みの乱れ」が出てきた模様。フィフィさんの言い分は、生活保護受給レベルの家計=国家への「納税貢献」に乏しい人々の方が受給要件を満たしやすく、また、受給の便益が大きいことに対する不満の声であります(社会保障的政策と社会保険的政策の違いも理解していない、実に程度の低いアホ言説に過ぎませんけどね・・・)。生活保護バッシングと重なる言説である点、これは、リベラル・左翼には相乗りしかねる言説でありましょう。

而して、「反安倍」はここにきても団結できないのでありました・・・
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2020年04月07日

よく言えば「等身大の感覚」、悪く言えば「素人考え」でコロナウィルス対策を考える風潮について:組織論・社会歴史観編

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200325-00000640-san-soci
「中国寄りで対応誤った」…WHOに批判 五輪実施へ責任重く
3/25(水) 23:17配信
産経新聞

 【ロンドン=板東和正】新型コロナウイルスの感染が世界各国で広がり、東京五輪・パラリンピックが延期された。国際オリンピック委員会(IOC)の決定に大きな影響を与えたのは世界保健機関(WHO)の感染拡大に関する判断だ。WHOは、中国に配慮し過ぎて対応を誤り、感染拡大を招いたと批判されており、今後の東京五輪実施に向け重い責任を担っているといえそうだ。

(中略)
 米国発の署名サイト「Change.org」ではWHOのテドロス事務局長の辞任を要求する署名活動が行われ、賛同者は25日時点で50万人を超えた。署名活動の発起人は、テドロス氏が1月22、23日に開催されたWHOの緊急委員会で「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言を見送ったことが、感染拡大につながったと非難する。WHOは同月30日に宣言を出したが、医療機関の検査態勢整備が遅れたとされる。米紙ウォールストリート・ジャーナルは、早期に宣言しなかったのは「経済や指導部のイメージを損なうとする中国の懸念をWHOが重視しすぎたことの表れだ」と指摘した。

 テドロス氏は、中国から巨額投資を受けるエチオピアの元保健相だけに中国を擁護しているとみられてきた。英紙フィナンシャル・タイムズなどは、感染源の中国武漢市の当局による感染拡大の報告が遅れ、隠蔽もあったと報じたが、テドロス氏は同紙のインタビューで「中国が何を知っていたか性急な推測をすべきではない」とかばっている。

(以下略)
WHOの解体的出直しの象徴としてテドロス事務局長の辞任を求めるのであれば理解可能ですが、テドロス事務局長が個人的に親中派だったがゆえにWHO全体の動きが遅かったとでも言わんばかりの言説が見られます。ヒトラーやスターリンのような絶対的独裁者じゃあるまいし、また、ワンマン経営の中小企業でもあるまいし、トップといえども一個人に過ぎないテドロス事務局長が国際組織としてのWHOを個人の意のままに操れるはずがありません。WHOはそこまで上意下達の組織化はなされていません。もし仮にWHOに中国の影響・中国に忖度する風潮が及んでいるとすれば、中国共産党はWHO内部に党細胞を設立できる程度にまで浸透しており、既に大きく強固な足場を築いているということでしょう。

たかだか一個人の意志程度でWHOほどの国際的大組織が操られて大きく揺らぐなど、まさに主観観念論的と言う他ない見方です。特に意識して上意下達の組織化に取り組んでいない限り、一般的な組織は「中立」的なものとなり、いくら事務局長と言えどもその個人の意志では操作できないものになります。

新型コロナウィルス禍を巡っては、よく言えば「等身大」、悪く言えば「素人考え」で国家レベルの問題を分析・論考する言説が氾濫しているところですが、今回もまた「素人考え」という他ありません。

【組織論・社会歴史観にかかる関連記事】
チュチェ107(2018)年9月30日づけ「김정은위원장 문재인대통령과 백두산에 오르시였다

【新型コロナウィルス禍を巡って炙り出された世相 関連記事一覧】
http://rsmp.seesaa.net/tag/articles/%90V%8C%5E%83R%83%8D%83i%83E%83B%83%8B%83X%89%D0%82%F0%8F%84%82%C1%82%C4%E0t%82%E8%8Fo%82%B3%82%EA%82%BD%90%A2%91%8A
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2020年04月06日

新型コロナウィルス禍によって炙り出されてきた日本世論の「指示待ち人間」化

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200402-04020148-sph-ent
宮根誠司氏、夜の街での自粛要請に「全ての飲食店に行っちゃいけないの? スッカスカで3密じゃない店ばっかり」
4/2(木) 15:41配信
スポーツ報知

(中略)
「全ての飲食店に行っちゃいけないの? ここがよく分からない。3密(密閉、密集、密接)って言っても、スッカスカのお店で、これ3密かなとか。なんとなく3密じゃない店ばっかりなんですよ。でも、店を開けていらっしゃって。お気の毒だなあって」と話していた。

報知新聞社
最終更新:4/2(木) 16:05
スポーツ報知
宮根誠司氏――彼ほどの「風見鶏」は、テレビ界広しと言えどもなかなかお目にかかれるものではありません。平日昼間のお茶の間の「世論」を機敏に察知して代弁することで、彼の番組は、昼の情報番組にしては「長寿番組」に属する方に位置しています。

そんな彼の上掲言説。やれやれ。せっかく脳味噌を持っているのだから、「三密」回避要請の根拠・本質に基づき、それくらいご自分て判断してはいかがでしょうか? そんなことも御上に御指導いただかないと判断できないのでしょうか? 心配だったらやめときなよ。

「口を開けていれば親鳥がエサを与えてくれるはず」という「雛鳥的メンタリティ」以外のナニモノでもありません。こんなにも「指示待ち人間」化が進んでいるとは・・・自分の命の問題だというのに!

【新型コロナウィルス禍を巡って炙り出された世相 関連記事一覧】
http://rsmp.seesaa.net/tag/articles/%90V%8C%5E%83R%83%8D%83i%83E%83B%83%8B%83X%89%D0%82%F0%8F%84%82%C1%82%C4%E0t%82%E8%8Fo%82%B3%82%EA%82%BD%90%A2%91%8A
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2020年04月04日

非常時にこそ「やりたい放題」を縛るための法が必要:救世主を熱望する気持ちは分かるけど・・・

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200401-04010101-sph-ent
坂上忍、新型コロナ対応で激怒「自分たちの身を守るためだったら法を飛び越えたやり方をして…」「政治判断してくれないと」
4/1(水) 13:28配信
スポーツ報知

(中略)
 これを聞いたMCの坂上忍(52)は「自分たちの身を守るためだったら何だかしらないけど、法を飛び越えたやり方を今までしてきて、文章なんてちょろちょろ書き直してたわけじゃん。改ざんなんかしちゃってさ。こういう時にさ、ちょっとそういう問題じゃないんだって、今は! 政治判断してくれないとダメなんじゃないの!」と語気を強め一気に語った。
森友問題は確かに酷い話でしたが、それを引き合いに出す感性を疑います。とりわけ、非常時にこそ「やりたい放題」を縛るための法が必要です。

絶対的権力者が反対意見を徹底的に排除し、うまく事態を収拾してくれれば独裁でもよいかもしれませんが、アホが絶対的権力を握り、科学的反論を徹底的に潰して間違った政策を推し進めてしまったら? 非常時における絶対的権力の危険性は、「読みが違った場合」にあります。

また、歴史上、とりわけ近代以降の独裁・全体主義がことごとく「非常時」を口実としていた歴史に学ばなくてはなりません。これは私が敢えて繰り返すまでもなく、「人権」と一言申せば、何を指しているのかお分かりいただけるのではないでしょうか(そうです、社民党方面からよく聞くアレです)。

この坂上忍さんは、きっと自分が何を言っているのか分かっていないのでしょうね。

先の見えない不安の中、政府に魔法のように事態を打開してほしいと願う気持ち・救世主を熱望する気持ちは理解可能です。その裏返しとしての八つ当たりや支離滅裂でヒステリックな言動も仕方ないように思われます。しかし、そこにつけ込まれるのです。

さて、ここ数日、「政治判断」なるものを求める声が高まりつつあるところです。その主軸は「緊急事態宣言」を求める声であるように見受けられます。「緊急事態宣言」という単語を目にする機会が急に増えてきました。

しかし、その具体的な構成と期待される効果を踏まえた主張は、依然として乏しいように見受けられます。たとえば、「自粛の『要請』を上回る強力な措置」を執るために緊急事態宣言を出すべきだといった主張が見られます。要するに、ナニモノなのかよく分かっていない・いるようには読めないのに、やたら「緊急事態宣言」を連呼している人がいるということです。

同宣言については、元東京地検特捜部主任検事の前田恒彦氏は、次のように解説しています。
https://news.yahoo.co.jp/byline/maedatsunehiko/20200402-00170941/
買い物や通勤は…新型コロナ「緊急事態宣言」が出たら、何が処罰の対象に?
前田恒彦 | 元特捜部主任検事
4/2(木) 9:04

(中略)
 ただ、(1)は、知事が住民に対して自宅などから外出しないように求めるというものだが、条文には「生活の維持に必要な場合を除き」「みだりに」といった前提条件が付けられている。

 すなわち、食料品や日用品の買い物に行くとか、出勤のために会社に向かうといった外出は対象外であり、よく言われる「不要不急」の外出を控えようというだけだ。

 しかも、単なる「要請」にとどまり、「指示」「命令」まではできない。要請を無視して外出し、繁華街を出歩いても、諸外国のように罰金や禁錮といった刑罰を科すことはできない。

 (2)も、知事が施設の管理者やイベントなどを開催する者に対し、使用制限やイベント停止などを「要請」できるというのが基本だ。

 「正当な理由」がないにもかかわらず、その要請に応じない場合に限り、ようやく「指示」までできる。

 こうした要請や指示に従わなかったからといって、刑罰によるペナルティはない。

(中略)
 新型コロナ対策としては、外出禁止令を含め、もっと強制力を伴った強力な措置が必要であり、今のままだと規制が緩すぎると感じる人もいるだろう。しかし、むしろ特措法は、国や自治体などによる権力の濫用を防ぐため、わざわざ次のような規定を置いている。

「国民の自由と権利が尊重されるべきことに鑑み…対策を実施する場合において、国民の自由と権利に制限が加えられるときであっても、その制限は…対策を実施するため必要最小限のものでなければならない」

 それこそ、諸外国が行っている「ロックダウン(都市封鎖)」など、わが国の特措法の下では到底不可能だと言わざるを得ない。

 知事が新型コロナ患者のいる場所などの交通を制限・遮断できるという感染症法の規定はあるものの、最大72時間までだし、これで都市全体を封鎖できるわけでもない。

 まさしく新型コロナ対策は私たち一人ひとりの自覚に委ねられているわけで、新たな立法措置が行われない限り、これがわが国における規制の限界ということになる。(了)

このように緊急事態宣言の内容を見るに、たとえば、「自粛の『要請』を上回る強力な措置」を求める文脈での緊急事態宣言発出の要求は、そもそも筋違いということになると言わざるを得ません。

緊急事態宣言でさえこうなのだから、「政治判断」を連呼する人たちのうち、いったいどの程度の人がこういった制約を理解しているのか、疑問に思わざるを得ません。
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2020年04月03日

医療は公平ではなく平等こそが原理

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200403-04030060-sph-soci
玉川徹氏「飲みに行っている人たちと気をつけたのに感染した人が等しく医療を受けられる。不公平な気がする」
4/3(金) 11:08配信
スポーツ報知

(中略)
 これを受けてコメンテーターで同局の玉川徹氏は「かからないのが一番大事。人に会わないのが一番なんです」と訴えた。さらに「敢えて言いますけど、例えばこれだけ大変だって言っているのに出歩いて飲みに行っているような人たちが感染した時にちゃんと気をつけたのに感染した人と等しく医療は受けられるんです日本の場合は。医療は平等ですから」と指摘した。

 その上で「だけど、その平等にあぐらをかいてそういう風な人たちがいるのはマジメにやっている人からすると腹立たしい。えてしてそういう人たちが広げるんだもん、また。そうすると一生懸命、家にいて、マジメに守っている人は、基本的にかからない。だけど、そういう人だって外に行かないといけないこともあるし…何か僕は不公平な気がします」と持論を展開していた。
医療は公平ではなく平等こそが原理。汚れた俗世の論理ではなく清潔な神的論理の世界にあるのです。だから疲弊しているわけもありますが・・・

朝鮮民主主義人民共和国 人民保健法 第1条
조선민주주의인민공화국에서 인민보건사업은 자연과 사회의 주인이며 세상에서 가장 귀중한 존재인 사람들의 생명을 보호하고 건강을 증진시키며 모든 근로자들이 무병장수하여 사회주의, 공산주의위업을 수행하는 데 적극 이바지하게 하는 보람차고 영예로운 혁명사업이다.
朝鮮民主主義人民共和国における人民保健事業は、自然と社会の主人であり世界で最も貴重な存在である人間の生命を保護し、健康を増進させて、すべての勤労者が無病長寿して社会主義、共産主義偉業を遂行するのに積極的に尽くさせるやりがいのある光栄な革命事業である。
玉川氏及び同調者は、「人民に誠心誠意奉仕する」という医療者の矜持・覚悟は、あなたには理解できない世界の話ゆえに、なにか勧善懲悪ドラマでも見て早く寝た方がいいですよ。

リーマンショックの時期を思い出させる、アリとギリギリス主義的な勧善懲悪論・・・あの悪夢の時代によく見られた類の言説が噴き出し始めている点、感染症の問題とは別に、世論・社会意識の問題の点において、これは相当に危機的状況に差し掛かりつつあると言えそうです。
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