2013年01月19日

橋下文革路線がホンモノの文革路線と違うところ

http://www.sponichi.co.jp/society/news/2013/01/19/kiji/K20130119005011220.html
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中学浪人やむなし、橋下市長入試中止強硬姿勢崩さず

 大阪市立桜宮高バスケットボール部主将の男子生徒が顧問の体罰を受けた後に自殺した問題で、橋下徹市長は18日、「自分も浪人した。人生には1年遅れることもある」と述べ、同校の体育系学科の入試中止を強硬に求める姿勢を貫いた。高校受験での「中学浪人」もやむなしととれる発言で、橋下市長の姿勢に理解を示してきた教育評論家の尾木直樹氏でさえ「ちょっと行き過ぎね」と話すなど、反発の声は強まっている。

 橋下市長はこの日、市議会委員会の協議会で、自身が大阪府立北野高卒業後、大学受験のため1年間の浪人生活を送ったことに触れ「申し訳ないが、僕だって浪人した。(人生には)1、2年遅れることもあるが、もっと考えることもある」と述べた

 桜宮高の体育系学科を志望する中学生が、浪人生になってもやむを得ないと解釈できる表現。生徒を自殺に追い込むほどの体罰が横行していた桜宮高の体質改善へ、教職員の全員異動を市教育委員会に要求するなど厳しい姿勢を示してきたが、あらためて入試中止への揺るぎない決意を強調した。

 この日の協議会でも、同校の佐藤芳宏校長が先月27日に遺族を弔問した際「新人戦に出てもいいか」と確認していたことを明らかにし「亡くなって4日のときに、こんなことをなぜ聞くのか。このような体育科に受け入れたら同じような意識の卒業生を輩出する」と主張の正当性を訴えた。

 来月20、21日の入試までわずか1カ月。橋下市長は前日の17日にも「(受験生は)生きてるだけで丸もうけ。またチャンスはある」と述べた。エスカレートする発言による受験生の心理的ダメージを心配する声は相次いでいる。

 橋下市長の姿勢について「100%賛成」と明言している尾木氏でさえも、今回の「浪人」発言には「行き過ぎた言い方ね」と苦言を呈する。

 橋下市長が入試中止の方針を打ち出して以降、尾木氏のもとには同校を受験する予定の中学生や保護者から「朝までもんもんとして眠れない」など不安を訴える声が殺到しているといい「入試間際に目標がなくなるというのは計り知れないショック。生徒の気持ちを思えばもう(発言を)やめたほうがいい」と言う。

 一方で「市教委、学校が理想の対案を出してくることを引き出すための方法なのでは」と過激な発言に理解も示し「橋下さんの発言を止めるためにも市教委が速やかに対案を示すべき。責められるべきは橋下さんではない」と、市教委の腰の重さを批判した。

 市教委は入試中止の是非を判断する会議を21日午後4時から開く。

[ 2013年1月19日 06:00 ]
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 旧ブログの頃から私は、橋下市長の政治手法を「大阪文化大革命」「橋下文化大革命」と呼んで来ましたが、あいかわらずの文革路線ですなww

ただ、尾木直樹氏が「橋下さんの発言を止めるためにも市教委が速やかに対案を示すべき。責められるべきは橋下さんではない」と述べているのは、おそらくそのとおりで、敵を殲滅して自分たちの思い通りの世界を些かの妥協も無く作ることしか考えていないホンマモンの「文革」と違って、橋下市長の場合は、対案を引き出し、最終的に妥協点を探り出すための「文革」なのではないかと思います。すなわち、闘争をチラつかせながら交渉する。

これは天地の開きがあります。相手に「指導」することしか考えていない人たちは、本当に交渉能力がないですからね(経験談)。そういう意味では、橋下氏のことは、あまり快く思わない私ですが、やっぱりこういうこと(だけ)は上手い人なんだなあと思いますwww

でも、主に左翼さんたちをはじめとして、世間ではなかなか彼の「手法」を見破れてないですよね。おそらく、「闘争とは、『敵を殲滅して自分たちの思い通りの世界を些かの妥協も無く作る』ことである」という先入観みたいなのがあるんでしょうな。私の知る範囲内でも、さすがに暴力的行動はありませんでしたが、「相手がグウの音も言えなくなるまで論破する」という闘争スタイルを信奉している某左翼政党関係者がいました(威勢がいい割には、おバカだったから助かったけど、私はそんな連中との交渉窓口でしたorz)。人間、自分がやっていること・前提にしていることを、他人もやっている・前提にしていると思いがちですから(いわゆる「感情屋」が、マイ・スタンダードをグローバル・スタンダードだと思い込んでいるのと同じ)。だから、「橋下がやる気だ、我々もやるぞ!」みたいな全面対決になってしまう。

橋下氏に対して下手に出る必要はないと思いますが、もう少し彼の狙いというか、行動特性というか、そういうのを学んだほうがいいと思います。また、彼の交渉スタイルを学ぶのも有益でしょう、主に、古典的な階級闘争路線を信奉する左翼さんたちは。原則論を繰り返し「指導」したって、所詮、少数派なんですから、無視されますって。

他方、橋下氏も、もうすこし「闘争色」は押さえたほうが良いかもしれません。こういう風に誤解されますし、そもそも、階級闘争路線って非効率的ですからね。まあこの辺は、「急進革命主義」と「漸進改良主義」、どちらを好むかっていうところにも関わってくる、ややこしい話ですけど。
posted by 管理者 at 22:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | 更新情報をチェックする
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