2013年04月11日

経済改革

今日も共和国について。

共和国をめぐっては、皆さんミサイル騒ぎにばかり注目しています。しかし、そんなどうでもいいことよりも注目に値するニュースが飛び込んできました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130411-00000101-jij-kr
>>> 農業改革を一部実施=総連機関紙が確認―北朝鮮

時事通信 4月11日(木)15時2分配信

 【ソウル時事】在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の機関紙・朝鮮新報は11日の記事で、2012年に農場の自立性を高める改革措置が一部施行されたことを明らかにした。韓国の聯合ニュースが伝えた。韓国などではこうした改革を推進しているとの見方が強かったが、北朝鮮系メディアが具体的に確認したのはほとんど例がないとみられる。
 記事は、12年の模範農場との評価を受けた黄海南道の農場を紹介する中で、「昨年、各地の農場では、分組(グループ)管理制に基づき、労働と実績に合わせ、現物分配が正しく進められるようにする措置が取られた」と言及。「国から分与を受けた土地、かんがい、営農物資、肥料などの代金に相応する分さえ納めれば、残りの農作物は全て農場の決定に従い、処理できるようになった」として、各農場の裁量権を高め、インセンティブを向上させる措置が取られたことを指摘した。
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キムジョンウン第一書記が資本主義に興味を持っておられるらしいという話は、既に読者の皆さんもご存知のことかと思います。今回のニュースは、その文脈に位置づけることが出来るでしょう。

また、先日の最高人民会議では、パクボンジュが首相に再登板したそうです。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2013040202000115.html
>>> 北朝鮮 首相に「経済専門家」 最高人民会議

 【ソウル=篠ケ瀬祐司】北朝鮮は一日、平壌で最高人民会議(国会に相当)を開き、経済専門家と目される朴奉珠(パクボンジュ)・労働党中央委政治局員を首相に選出し、「核保有国」の地位を強固にするための法令や、「経済強国建設」のための今年の国家予算を採択・承認した。朝鮮中央通信が伝えた。

 二〇〇三〜〇七年にも首相を務めた朴氏は物価・賃金引き上げと、企業への独立採算制の導入など、市場経済の要素を取り入れた〇二年七月の経済改革を主導したと目される。

 朴氏の再登板や核関連の法令採択などは、核開発と経済発展を並行して進めるという、労働党の活動方針を実行に移す狙いとみられる。今後は何らかの経済改革措置や、追加核実験が強行される可能性がある。

 会議では「宇宙開発法」や、宇宙開発局設置も採択された。「人工衛星」と主張した長距離弾道ミサイルの発射継続への環境整備とみられる。

 憲法の一部「修正・補足」も認められたが、内容は明らかにされていない。会議には金正恩(キムジョンウン)第一書記も出席した。
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他方で、以下のような「旧態依然」な振る舞いも見せています。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130411/kor13041110030002-n1.htm
>>> 北朝鮮、中断した開城の事業権、第三国へ委任か 韓国紙
2013.4.11 10:01 [北朝鮮]

北朝鮮が開城工業団地の稼働中断を発表し、韓国・坡州の南北出入事務所で取材する報道陣=9日(共同)
 11日付の韓国紙、東亜日報は、北朝鮮が稼働を中断した南北経済協力事業の開城工業団地の事業権を、第三国に委任することを慎重に検討していると報じた。中国の消息筋の話としている。

 団地の事業権は韓国の現代グループ系企業が2000年に北朝鮮との合意で取得し、韓国の公社が50年間の土地使用権を保有している。だが、北朝鮮は南北関係に左右されずに団地を活性化させるため第三国や韓国以外の企業への事業権委任を検討しているという。

 北朝鮮は南北協力事業である北朝鮮・金剛山観光をめぐっても、08年の韓国人観光客射殺事件を受けて中断後、現代グループの事業独占権を一方的に取り消し、施設を接収して独自で観光事業を行っている。(共同)
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果たして共和国はどちらに向かうのでしょうか。市場志向的な措置をとる一方で、反市場志向の行動をとるのは、まだまだ方向が定まりきっていないことを示すと思います。

もっとも、今や「世界有数の資本主義国」となった中国共産党の羊頭狗肉政権も、似たようなことをやっているのですから、このくらいの反市場志向の行動は、そんなに騒ぎ立てなくてもいいのかもしれません。少なくとも、「反市場主義的なイデオロギー」に根ざす行動ではなく、単なる「揺さぶり手段」でしかないのなら、「チャイナ・リスク」ならぬ「コリア・リスク」程度で済むでしょう。これがイデオロギー由来だと、どうしようもないんですけどね。

これからの共和国の動静について、どのように接してゆくべきでしょうか。今までも経済改革の動きらしいものがあっては潰え、あっては潰えの繰り返しでした。私としては「三度目の正直」に期待したいところですが、「二度あることは三度ある」ともいいます。あまり情報に飛びつかずにじっくりと情勢を見守るしかないのでしょう。しかし、少なくとも一ついえることは、ミサイル騒ぎなんかよりもずっと興味深い動きだということです。今後も、注目したいと思います。
posted by 管理者 at 21:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | 更新情報をチェックする
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