2013年04月15日

フィールドワークとしての就職活動。大学の授業だけで「研究」といえるのか。

太陽節です。キムイルソン主席の生誕101年を熱烈に祝賀しつつ、それとは全然関係ないテーマで今日はお送りします。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130415-00000034-jij-pol
>>> 就活4年春解禁要請へ=安倍首相

時事通信 4月15日(月)10時57分配信

 安倍晋三首相は19日に経団連の米倉弘昌会長ら経済3団体トップと首相官邸で会談し、大学生の就職活動の解禁時期を4年生の春まで遅らせるよう正式に要請する。政府関係者が15日明らかにした。
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久々にコメント欄をネタに少し。。。
>>> 2013年4月15日 11時0分
tom*****(tho...)さん.

企業の自由な経済活動の制約につながるという意見もあるが

現状で企業側が大学の教育を侵している事実を自覚すべき
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>>> 2013年4月15日 11時8分
kui*an*a*(kui...)さん.

国力維持のためにも、就活より学業、実験、実習をしっかりすべきですね。
3年生の夏からやっていた去年までが異常だった。
入学後、教養課程が長い日本式大学教育も改めるべき。
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就職活動の時期をめぐる典型的な言説です。はたして、「就活」は「学業」と両立しないものなのでしょうか? 私の実体験から申し上げて、就職活動も、大学の授業に負けず劣らず(一部では勝っていたかもww)に役に立ちましたよ、それも学問的な意味で

どういうことか。要するに、大学、それも学部レベルで取り扱う話題が、おしなべて古いのです。それは当然といえば当然です。少なくない学問の研究結果は、大学構内ではなく現実の社会のなかで発見・発生している上に、学部教育レベルにまで内容を整理するのには結構時間がかかるからです。とくに商学・経済学・経営学系なんてその最たるものでしょう。いくつかの大学のシラバスのページにアクセスしてみて、そこで教科書指定されている書籍と、シラバスに掲載されている授業計画ををご覧になってみてください。驚くほど「古風」な内容を教育していることが分かるでしょう。理系諸科目の場合は少し勝手は違うかと思いますが、理系だって大学の研究室ばかりが研究フィールドではありません

私は、大学での専攻をベースに業界選びをしていた一人です(ちなみに、あんまり専攻にコダワリすぎるとよくないよ〜!)が、会社説明会や先輩社員質問会が本当に楽しかった「象牙の塔」ではなかなか聞けない現実社会のダイナミックで具体的な話を聞けたからです。「就職活動」なんだか「フィールドワーク」なんだか良く分からん数ヶ月間でしたww

もちろん、大学において「現実社会のダイナミックで具体的な話」を全く聞けないわけではありません。私の経験から言っても、タイムリーな話題を学者ならではの視点から解説してくださる熱心な先生方がおられました(ちなみに私は、自慢じゃありませんが、卒業要件を大幅に上回る大量の単位を修得しましたので、その辺の事情は、並みの学生よりは知っていると自負しています)。しかし、残念ながらそういう授業ばかりではありません。また、そういう熱心な先生方もまた、現場の人々と定期的に交流をもち、「フィールドワーク」に出かけ、情報を仕入れています。「象牙の塔」に引きこもるだけが「研究」ではないのです。

また、いくら「大学の講義では聞けないような現実社会における具体的な話を聞ける」からといって何も予備知識がない人がイキナリ現場に行くべきではないでしょう。「日経新聞を読むに当たって基礎的な経済学知識がないとよく分からない」というのと同じです。そういう意味では、大学の授業の存在意義はゼロではありません。ですから、どんなに早くても大学3年生になる前に就職活動を開始すべきではないとは思います。しかし、逆に言えば、基本的な知識を獲得したら、どんどん街に繰り出して「フィールドワーク」に励むべきです。「4年生の春」は逆に遅いと思います。会社説明会や先輩社員質問会といった就職活動は、いつか必ず来る本番の就活でも使える一石二鳥のまたとない「フィールドワーク」の機会になるでしょう。

私としては、大学3年の後期から4年の前期にかけて会社回りをし、夏ぐらいまでに大方の活動を終え、その経験をもとに卒業論文を書くようにするのが良いのではないかと思います。ちなみに私は、卒業論文執筆に際して就活メモを結構活用しましたww

まとめ。「学生は学ぶべきだ!」というのは、まったく正しい指摘だと思います。しかし、現在の大学だけで果たしてそれを達成できるのか。私は自分自身の経験から言って、「象牙の塔」に引きこもって、浮世離れした「観念論」を学んでも、そんなもの「研究」でもなんでもないと思うのであります。「哲学者たちは、世界を様々に解釈してきただけである。肝心なのは、それを変革することである」(マルクス)――使ってナンボです(ところで、知り合いの某左翼団体関係者も、前掲コメ欄みたいなことを言っている(た)んですが、"教祖"が「使ってナンボや!」って言っていたのを如何捉えているんだろう?)。

というわけでキャンパスの大粛清を希望する次第www

ちなみに、今回の記事で申し上げたかった事は以上なんですが、それとは別に、元も子もない事ですが、いくら政府や企業が「就活開始先送り」なんてしたところで、学生は自主的に「面接で話すネタづくり」のために授業をすっぽかしますってwwwいい加減、「お上が下々のものたちの行動を指導する」っていう前衛崩れの発想から脱却しましょうよ。やるにしても、もう少しゲーム理論的な発想というか、そういう視点を持ちましょ。学生はヒツジほど従順じゃないし、そんなにバカじゃないですよ
posted by 管理者 at 22:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | 更新情報をチェックする
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