>>> 98%がドコモ回線=犯罪悪用レンタル携帯―契約数に制限なし要因コメント欄。
時事通信 5月6日(月)2時34分配信
犯罪に悪用されたレンタル携帯電話について、警察庁が回線の提供元を調べたところ、約98%がNTTドコモだったことが、同庁などへの取材で分かった。他の大手通信会社が契約先の事業規模に応じて回線数を制限しているのに対し、ドコモは上限を設けていないことも判明。捜査関係者はこれが「一つの大きな要因」とみている。
同社は「携帯電話を悪用した犯罪が起きていることは重大な問題。不正利用の状況を調査して、対策を継続的に検討したい」としている。
レンタル携帯電話は、振り込め詐欺やヤミ金融などへの悪用が目立っている。警察庁は1月以降、認知したヤミ金と利殖勧誘の事件で使われた全てのレンタル携帯について、どこの通信会社の回線かを調べた。
調べた回線は3月まで毎月約200台に上り、約98%が大手の1社に集中。捜査関係者によると、この1社はドコモだった。同社の携帯電話全体の市場占有率45%(2012年末、総務省などまとめ)を大幅に上回っている。
大手通信会社3社に不正利用への対策を取材したところ、契約先が法人の場合、ソフトバンクとKDDI(au)は事業規模に応じて回線数に上限を設けていたが、ドコモは制限していなかった。
また、ソフトバンクは契約時に利用目的を確認し、相手がレンタル業者の場合、貸し出す客の本人確認徹底を求める覚書を締結。違反が疑われる際などの同社による立ち入りや改善指示も盛り込んでいる。
同社は「レンタル業者にも客の本人確認が法律で義務付けられているが、念押しの意味でやっている」と説明。一方、ドコモは「レンタル業者かどうか確認していない。用途を把握できる立場にもない」、KDDIは「通信の自由に触れるので、使用目的は聞いていない」としている。
警察庁は4月以降も調査を続けており、夏ごろに対策をまとめる。 <<<
>>> 2013年5月6日 2時40分essassa(kam...)さん「やれやれ」といったところですが、以前の記事でも書いたように、法律系のブロガーや、あるいはかつての私のように「やれやれ」といって世論をバカにしていても仕方ありません。それどころか、ここいう「やれやれ」な意見からも、いろいろ学べるところはあると思います。
私もそう思う7,291点 私はそう思わない399点
国民の安全より「通信の自由」!?
優先順位が違うんじゃないの?
あるいはオレオレ犯は即死刑にするとか・・・。 <<<
「法律の教科書」的に上掲コメントを論評すれば、おそらく「国家権力から市民的自由を守るという基本的人権の保護の視点が足りない」といったところになるんでしょう。では、世論に「人権保護」の視点がまったく欠けているのでしょうか? もちろん、結論としては「落第点」だとは思いますが、決定的に欠けているとは思えません。
どういうことか。「国民の安全より「通信の自由」!?」というセリフに端的に示されていると思います。すなわち、典型的な世論の根底には「比較的どうでもいい『自由』より、もっと重要な『安全』のほうを守るべきだ」という発想、詐欺事件などで財産を奪われることを防ぐためなら、この程度の「通信の自由」は犠牲にしても構わないという発想があるのです。その点では、ある意味「人権感覚」があるといえるかもしれません。少なくとも、古典的な全体主義とはだいぶ違う感覚を持っていると思われます。
ただ、残念ながら一歩及ばないのが、「権力は怖いものだ」という点でした。スターリンのようなとても分かりやすい「独裁者」とはいうのは稀で、多くの「独裁権力」は、「大衆の安全」を標榜しています。あるいは、ポル・ポトのように本人は大衆の利益を実現していると信じ切っている「確信犯的な独裁者」も居ます。そこへの警戒心が余りにも甘いのです。
しかしこれは「法律側」の人々の反省点でもあるかもしれません。たしかに「権力は怖い」ものですが、「権力の横暴への対抗」を意識する余り、「個人の自由」という「標語」を表に出しすぎたというのはあるのかもしれません。昨今の「反・自由」「反・権利」の世論は、何かというとすぐに「自由」「権利」を掲げ、結局法律がなにも出来ていないことに対する不満の表れとみるべきかもしれず、今回についても「通信の自由」なんて「標語」を持ち出したのが悪かったのかもしれません。もちろん、「通信の自由・通信の秘密なんて撤廃すべきだ」なんてアホなことを言うつもりはサラサラありません。主張したいのは、「モノは言いよう」ということです。
もしこれについて、「使用目的などを詳しく聞きすぎると、逆に第三者が通信内容にアクセスできてしまいかねず、プライバシーの安全性などにおいて問題がおきる恐れもある」といったふうに述べたらどうでしょうか? 踏み込んで「やるとしたら、しっかりとしたガイドラインが必要になる」というのも付け加えるのもいいでしょう。これもまた「国民の安全」であることは間違いありませんし、古典的な法律的立場にも沿ってると思います(というか「通信の自由」を言い換えただけだし)。
前掲の過去ログにおいても触れましたが、従来の「法律的常識」など意に介さない「急進過激派」が最近、勢力をもちつつあります。かつてのように「法律を知らないド素人がまたバカなことを言っているw」と「法律側」の人々が余裕をかましている場合ではなくなってきました。それどころか、たとえば光市事件をめぐる世論を見る限り、多数派の怒涛の勢いの前に「法律側」の人々は、ほとんど存在感を示すことはできませんでした。「憲法」とか「人権」といった「御託宣」を「宣教」していられるようなのどかな時代は終わりを迎えつつあります。となれば、「法律側」の人々は、そろそろ現実的な対応をはじめるべきでしょう。このままじゃ左翼みたいになりますよ[※1]。
[※1]左翼の主張が真に正しいかどうかは別として、事実として世論にはほとんど受けられていません。しかし左翼側は、「我々の科学的な見解を理解できないほうがどうかしている」などと述べ、路線の抜本的見直しを先送りしつづけた結果、世論からさらに乖離してしまい、どうしようもない勢力状況におちいりました。もし左翼が、早々に世論の求める部分を重点的に、そして分かりやすくフォローすれば(すなわち、その魂を受け継ぎつつ、現実的な対応をすれば)、あるいは状況ももう少し異なったかもしれません。