>> 経済再建を強調=建国65周年、控えめに軍事パレード−北朝鮮朝鮮民主主義人民共和国が建国から65年を迎えました。축하합니다!
【ソウル時事】北朝鮮は9日、建国65周年を迎え、平壌の金日成広場で、金正恩第1書記も出席し、予備役でつくる労農赤衛隊による軍事パレードが行われた。8日には中央報告大会も開かれ、演説した金永南最高人民会議常任委員長は「経済強国建設と人民生活向上のための軍民協働作戦」を強調した。朝鮮中央テレビが伝えた。
7月27日の朝鮮戦争休戦60周年では、大陸間弾道ミサイルや無人航空機が登場し、大規模な軍事パレードを行ったが、今回は正規軍やミサイルなどの兵器は登場せず、控えめ。演説した朴奉珠首相は「片手にはマッチと鎌と筆を、もう一方の手には銃を持ち、自らと郷土を守らなければならない」と経済建設と国防の並進を訴えた。
8日演説した金永南氏は、南北関係改善の方針を示し、「朝鮮半島と地域の平和と安定を守るために全ての努力を果たす」と主張。米国に対しては「時代錯誤的な敵対観念から脱するべきだ」と求めた。最近の対話路線を反映し、朴、金両氏とも核開発には言及しなかった。(2013/09/09-12:14) <<
さて、時事通信の報道。「片手にはマッチと」って何ですか? まだ、ウリミンも朝鮮通信も更新していないので、パクボンジュ首相の正確な発言全体を見ていないのですが、共和国において「鎌」「筆」と来たら、まず間違いなく「ハンマー」ですよ。ハンマーと鎌と筆(ペン)は、朝鮮労働党旗にも刻み込まれている党のシンボルなんですから。労働者(ハンマー)、農民(鎌)、知識人(ペン)の団結をあらわしています。
おそらく、パクボンジュ首相の演説を翻訳した人は、「韓国」語(ソウル語)の使い手であり、朝鮮語(ピョンヤン語・文化語)には慣れ親しんでおらず、「마치(マチ)」を「マッチ」だと思い込んだのでしょう。南じゃ「ハンマー」は「망치(マンチ)」ですもんね。
分断国家になって65年。同じ民族なので北南で全く言葉が通じなくなる事態は、まずあり得ないと思いますが、単語レベルでは、こういうこともあるんでしょうかね。まあ日本人だって方言でしゃべられちゃ分からないけどね。とはいっても以前、かなり若い南側出身者(来日2年くらいだったかな? ごくごく普通の人)に「『동무(トンム)』って単語、如何思う?」って聞いたら(我ながらオイオイw)「北朝鮮ですね」って感想をもらったことがあるので、まだまだ通じると信じているのですが。。。
朝鮮語と「韓国」語の差異については、東京外大の趙義成先生のページが詳しいと思いますので、ご紹介しておきます。文化語の正書規定については、同じく趙義成先生のページが詳しいですが、それ自体がピョンヤン文化語で書かれているので、まずはソウル語を勉強して、それからNaver辞典(「韓国」語版)を使いながら読み進めるとよいと思います。なんとNaver辞典、국어사전であればピョンヤン文化語も「북한어(北韓語)」として掲載していてくれているのです! なんだよ、古本屋を巡り巡ってピョンヤン文化語辞典を探さなくても良かったじゃないか!(w
残念ながら、日本国内でピョンヤン文化語を直に勉強できる機会は、まずないと言ってもよいと思います。書店にある本のほとんど100%は、たとえ「朝鮮語」と書いてあってもソウル語です。あ、『旅の指さし会話帳42 北朝鮮』はピョンヤンの文化語だったかな。
私も、気が乗ったら、分かる範囲内でピョンヤン文化語について記事を書こうと思います。