さる9月8日未明、IOCは2020年の夏季オリンピック大会を東京で開催することを決定したことは、皆様も既にご存知のことかと思います。多くの国民がこれを慶事として受け入れました。私もその一人です。
ところで、左翼陣営は、オリンピックの東京招致に継続して反対してきました。ここ何回かの東京都知事選挙や東京都議会議員選挙でも、「招致反対」を論点に設定しようと左翼陣営は努力(=人民大衆へ布教・・・じゃなくて教宣)を重ねてきました。
しかし、ついに左翼陣営の「教宣活動」が報われること無く、このたびのIOC決定を多くの国民は大いに歓迎しました。もちろん、歓迎していない国民・都民も無視できない一定数いることは確かですが、多数派としては、歓迎しています。
さて、教宣活動の失敗に対して左翼陣営はどういった反応を示したでしょうか? 社民党はもはや沖縄のことにしか興味がないらしく、HPをみても特に記述がありませんでした。
招致反対をかなり声高に主張してきた共産党は、市田書記局長の発言を機関紙(9月10日づけ)で以下のように伝えています。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-09-10/2013091001_02_1.html
>> OC総会の決定を尊重あれだけ反対してきたトーンはいったい何処へ。オリンピックのために福祉がかなり圧迫されるんじゃなかったんですか? 韓国なんて「今からでも開催権を返上させるべく運動を展開しよう」と息巻いているのに、日本の左翼が時勢に怖気づいてトーンダウンしてどうするんですか。
市田書記局長が会見
首相の原発発言 根拠示し国際公約として責任果たせ
日本共産党の市田忠義書記局長は9日、国会内で記者会見し、国際オリンピック委員会(IOC)が総会で2020年オリンピック・パラリンピックの東京開催を決めたことについて、「IOC総会の決定を尊重し、スポーツを通じて国際平和と友好を促進するというオリンピック精神の実現に努めることが重要だ。また、国民や都民の生活や環境と調和のとれた無理のない取り組みを進めることが求められる」と述べました。
(以下略)<<
一方、朝鮮総連系の月刊誌『月刊イオ』の編集部ブログは、9月11日づけの記事で以下のように述べています。
http://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/2964e336084e289d9a6a1cf462fa89a9
>> (前略)優れた考察だと思います。日本社会の典型的パターンとして、何か流れが生じるとそれに対する異論が、誰も権力的に規制しているわけでもないのに、なぜかパタッと途切れてしまう。『月刊イオ』編集部が指摘する「北朝鮮憎しの社会的空気」もそうでしたし、「光市事件」のときもそうでした。
オリンピック招致に関し、日本のマスコミの報道を見ていると、「日本に住んでいる人たちみんなが東京オリンピックを期待している」という伝え方をしてきました。招致が決定した日曜日からの報道の喜びようは異常です。政党も同じです。しかし、私のツイッターのタイムラインに流れてくる意見を見ると、ほぼ100%、東京オリンピックに反対するものばかりでした。その落差に、「本当に同じ国に住んでいるのか」と思うほどです。まあ、私がそんな人たちばかりをフォローしているからなのでしょうが…。しかし、マスコミ報道ではそんな人間は一人もいないという感じです。東京オリンピックに真っ向から反対するコメンテーターをテレビで一人も見たことがありません。もし反対するようなことを言ったら、そのコメンテーターは2度とテレビに出演させてもらえないのではないでしょうか。
オリンピックの是非は横においておくとしても、オリンピック歓迎の社会的空気が作られて、反対する意見はあるにもかかわらずかき消されてしまう。それが恐ろしいことだと思っています。「北朝鮮憎し」の社会的空気も強固にできあがり、それに反対する意見があるにも関わらず黙殺されているのと同じように。
(後略) <<
本来、そうした「流れ」や「空気」を打破し、主張しつづけるのが「左翼」であるはずです。にもかかわらず、社・共両党のこのザマ。まあ、プライドというのか自己愛というのかが異様に強い連中ですので、なんだかんだいって「世間様」の評価が怖いんでしょうな。
それに対する『月刊イオ』編集部の堂々たる主張。今更、怖いものなんてないってことでしょうwそれでこそ革命的だ!
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