2015年09月13日

陰謀論化した進歩史観、「諸悪の根源は特定の悪人・悪徳商人」論、計画経済的ノルマ観

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-09-11/2015091101_02_1.html
>> 大企業に便宜 秘密通達
愛知労働局長 派遣業界天下り
小池議員が参院厚労委で追及

 厚生労働省愛知労働局で、労働基準監督官がトヨタ自動車など大企業に監督指導に入る場合、労働局の承認なしに認めない“マル秘”通達を出していたことが分かりました。日本共産党の小池晃議員が10日の参院厚生労働委員会で内部資料を明らかにしました。

 同通達を出した時の局長が派遣業界団体に天下りし、派遣法改悪を推進していたことも判明。小池氏は、厚労省と大企業、派遣業界の醜い癒着は許されないと追及しました。

 監督指導は通常、監督署長の決裁で行われます。ところが愛知労働局は、県内に本社を置く3000人以上の事業所か1000人以上の事業所について、労働基準部長らの承認を課す通達を2013年3月に出し、向こう10年間マル秘扱いとしていました。県内に本社を置く大企業は、トヨタ自動車などです。

 小池氏は、同局の監督件数は、通達前の7千件台から通達後の14年度は5395件と2割も減っており、「大企業の監督に手心を加えると見られても仕方ない。こんな通達はやめさせるべきだ」と追及。塩崎恭久厚労相は「大企業だからと指導を控えることはあってはならない。(通達は)やめるようにしたい」と言明しました。

 この通達を出した時の新宅友穂局長は退職後、製造業派遣会社でつくる日本生産技能労務協会の専務理事に就任。同協会は労働政策審議会部会に代表を送って派遣法改悪を主張し、要求に沿った改悪案が提出されました。

 小池氏は「在職中は大企業に便宜を図るような通達を出す。退職したら業界団体に天下りし、法案を提案させる。まるで“越後屋”(商人と癒着した代官)だ。許されない。(元局長を)やめさせるべきだ」と批判し、衆院に回付された派遣法改悪案は廃案にすべきだと求めました。
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労働基準監督官がトヨタ自動車など大企業に監督指導に入る場合、労働局の承認なしに認めない“マル秘”通達を出していた」愛知労働局長が、「派遣業界団体に天下りし、派遣法改悪を推進していた」ので、「大企業の監督に手心を加え」たそうです。うーん、やっぱり共産党の主力論客が安保法案に引き抜かれて、残ったのはアホばっかなのか・・・と思ったら、この質問は小池晃議員かいww(いや、記者がアホなのかもしれない)

周知のとおり、労働基準監督官は国税局専門官とは違って、個人プレーで仕事をすることが多い職業です。監督官の絶対数も足りません。特別司法警察職員としての監督指導は警察(一般司法警察職員)の家宅捜索に近いものですから、労働局の管理下で調整し、それなりの体制を組んでから乗り込まないと無意味でしょう。その意味で、「労働局の承認なしに認めない」のは、そんなに怪しい話とも思えません。

通達前の7千件台から通達後の14年度は5395件と2割も減っており」といいますが、一件ごとの成果の推移は? 計画経済体制下での生産ノルマではないので、件数が大きければよいというものではないでしょう。脆弱な体制で複数回に分けて監督指導していたのが、労働局の管理下で強化された体制を以ってして1回で済んだのかも知れませんね。短絡的に便宜と断ずることは出来ません。

天下りしたことを以って「在職時に手心を加えたに違いない!」に至っては、もはや典型的な陰謀論の構造を見せています。「後から得た利益を根拠に、前の行為が『あらかじめその立場から企画されたもの』と見る」。ある意味、「進歩的」なものの見方ですが、この記事では「計画性」が立証されていません。常識的感覚であれば、前の行為が実績として業界の目に留まり、後の天下りが決まったと考えるものではないでしょうか・・・いや、それどころか実績に関係ない単なる「天下りの指定席」であるだけかもしれません。そもそも、こういう内部通達って局長の独裁事項なんですか?

また、労働基準監督署は企業を取り締まる機関ですが、労働局は労使関係の調整を司る機関であり、階級闘争を支援する機関ではありません。ときに裁量の範囲内で企業の要望を反映させる処分もしなければなりません。再就職先が労働組合で、派遣法改正反対の階級闘争に先陣を切っていれば満足だったのでしょうか? 天下り一括反対という文脈なら分かりますが、「越後屋」などと言っている点、そんなことはなさそうです。

陰謀論化した進歩史観、「諸悪の根源は特定の悪人・悪徳商人」論、計画経済的ノルマ観。短い記事ですが、共産党の世界観がにじみ出ています。
ラベル:経済 日本共産党
posted by 管理者 at 11:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | 更新情報をチェックする
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