>> TPP会合、今度こそ最後? =交渉の現状、見通しはなんだか最初にブチあげられたときからズルズルダラダラと続いている感のあるTPP交渉です。
時事通信 9月27日(日)7時30分配信
日米など12カ国は環太平洋連携協定(TPP)交渉の妥結に向け、2カ月ぶりとなる閣僚会合を30日から米ジョージア州アトランタで開く。難航分野を政治決着させ、今回を最後の閣僚交渉の場とできるのか。見通しをQ&Aでまとめた。
―今回の閣僚会合で大筋合意できるのか。
安倍晋三首相は「今回を最後にしたい」と合意に強い意欲を示している。10月19日にはカナダで総選挙があり、来年には日本で参院選、米国で大統領選挙が行われる。各国の政治日程を踏まえ、今回でまとめなければという危機感は共有されているようだ。
―7月の米ハワイ州での閣僚会合が「最後」のはずだったのでは。
交渉を主導する日米両国は、前回会合で大筋合意を実現できるとの期待が大きかった。失敗の原因は3点指摘されている。乳製品市場の開放を最重視する酪農大国のニュージーランドが妥協を拒んだこと。自動車分野の関税撤廃・削減の前提となるTPP域内での部品調達比率を定める「原産地規則」に関し、メキシコとカナダが日米の妥協案に反発したこと。最先端のバイオ医薬品のデータ保護期間をめぐり米国とオーストラリアの対立が解けなかったことだ。
日米両国の思惑だけで交渉をまとめられない多国間交渉の難しさが改めて示された格好だ。
(以下略)<<
ふるーい記憶を呼び起こすと、TPP反対派によると、「この交渉は参加しただけでアメリカに言いくるめられて、アメリカの国益に沿った内容の売国的条項を結ばされる」という言説がまことしやかに語られました。日米両国以外の参加予定国が、いわゆる「中小国」ばかりであるというのが、ひとつの理由でした。
私は、「帝国主義戦争を内乱に転化せよ!」ではありませんが、アメリカ帝国主義の横暴をむしろ好機と捉えて、やるだけやってみたら如何なのかと考えています。「国益」の名の下に交渉にすら参加しないというのは、その発想の背景に「身内共同体への引きこもり」が見て取れます。さらに深く探れば、そこには「弱者的被害者妄想」が見て取れます。こういう発想が一番危ない。日本は外交交渉的にケンカの出来る国にならなければならないと思います。
そういう視点からTPP交渉はウォッチしてきましたが、どうもニュージーランドが頑張っているのが全面に出すぎていて、日本がどれくらい主張しているのかが少し霞んでしまっています。残念なことです。TPP反対派の「アメリカの国益に沿った内容の売国的条項を即座に結ばされる」という当初の主張が大嘘だったことはハッキリしましたが、「身内共同体への引きこもり」「弱者的被害者妄想」といった鎖国的発想の誤りが白日の下に晒される機会は残念ながらなさそうですし、外交交渉的にケンカできる国になるための経験値が得られたわけでもなさそうです。完全に脇役でした。
ちなみに私は、自由貿易は原則として支持しているものの急進主義的な方法には反対の立場です。TPPが将来的に掲げるビジョンはさておき、急進的な市場開放を求める立場の人たちが挙って推進の弁を述べ、実際に急進的な方向で交渉が進んでいる点、現時点では慎重な立場です。