2016年07月10日

党が軍を支配する典型的な社会主義国に戻りつつある共和国

http://www.kcna.kp/kcna.user.special.getArticlePage.kcmsf;jsessionid=272D1A2C35763436173EE67EF193A63C
>> 敬愛なるキム・ジョンウン同志におかれては、偉大な首領キム・イルソン同志死去22年を迎え、クムス山太陽宮殿を訪ねられた

(以下略)<<
7月8日は、キム・イルソン同志の命日でした。例年通り、今年も共和国指導部がクムス山太陽宮殿に安置されている主席のご遺体をたずねられました。

ただ、今年は例年と異なる参拝模様だったようです。リンク先(朝鮮中央通信HP)の現地写真を見ると、参拝した共和国指導部の面々が皆、人民服姿(例年ならば2〜3名は軍服のはず)。こういうときには、たいていは軍服姿で現れるチェ・リョンヘ同志も人民服姿でした。

キム・ジョンウン体制発足から漸進的に推進されて来、5月の党大会と6月の最高人民会議にて体制として固まるに至った党中心の陣容がここでも現れてきているといえるでしょう。人民軍組織の位置づけと関連させて分析すれば、党が軍を支配する典型的な社会主義国になりつつある(戻りつつある)ということでしょう。

党大会で明示された「並進路線」も、先軍政治としての並進ではなく、前衛党の指導性の下での並進ということになりましょう。軍中心の軍拡では、軍事路線自体が自己目的化してゆく恐れがありますが、党中心の軍拡は、さまざまな政治的課題の一手段としての軍拡という位置づけに「降格」されます。軍には軍の権力維持、党には党の権力維持という目的がありますが、党の権力の方が「バリエーション」の余地があります。党中央の意向次第で「切り替え」がしやすくなるのです。

もっとも、そもそも共和国の軍拡路線自体が、今も昔も外部要因への反応としてです。外部要因はそう容易に変わる見込みはありません。その点、「並進路線の主人公の変化」が作用をもたらすようになるのは、しばらく先になるでしょう。
ラベル:共和国
posted by 管理者 at 19:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | 更新情報をチェックする
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