2016年09月10日

ブラックすぎて感覚が麻痺した企業を退場に追い込んだ競争的評判経済

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160910-00000024-it_nlab-sci
>> ゴルスタ個人情報流出問題 被害者には当初謝罪メール1通だけ 炎上招いた「暴圧」運営の高すぎる代償
ねとらぼ 9月10日(土)16時24分配信

 Twitterにユーザーの個人情報を故意に書き込んだことがきっかけで炎上し、サービス終了が発表された中高生向けSNSアプリ「ゴルスタ」ですが、個人情報を晒された“あると”さん本人に対しては当初、謝罪のメールが1通届いたのみで、対面での謝罪や、保護者への報告なども行われていなかったことが分かりました。あるとさんは編集部の取材に対し、「親には電話やメールすらなかったです」「(ゴルスタ側の対応には)満足していないです」と語りました。


(中略)

●担当者個人ではなく、スプリックス自体に問題か

 結局スプリックスはその後、ゴルスタのサービスを終了することを発表。一連の炎上については、担当者1人を再教育すれば済む問題ではなく「ゴルスタ運営部門、ひいては弊社全体の問題であると重く受け止めております」とコメントしました。

 実際、スプリックスが経営する「森塾」で働いていたという元社員に取材したところ、スプリックス社内では以前から、不祥事を起こした元社員の名前をさらす「みせしめ」行為をはじめ、従業員に対する監視や言論統制も恒常的に行われていたことが分かっています。元社員は「ゴルスタの運営で問題になっていることは、社内でやっていることを一般ユーザーに向けてやってしまっただけ」と今回の炎上を分析します。

 最終的には「サービス終了」という最悪の形で終わりを迎えたゴルスタの炎上ですが、少なくともユーザー側の意見を真摯に聞き入れ、正面からきちんと対応できていればここまで大きな問題に発展することはなかったはずです。批判を浴びた「暴圧」運営でしたが、その代償はあまりにも大きなものでした。
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自社社員を威圧・沈黙させているうちに感覚が麻痺してきて、同じ要領で顧客を威圧したところ、顧客は自社社員のようには沈黙せず、逆に盛大なる自爆死をしたということでしょうか? もしそうであれば、典型的なツメの甘いブラック企業の管理体制です。

このような企業に対して引導を渡したのは、またしても世間の評判でした。チュチェ104(2015)年10月8日づけ「「日本の労働組合活動の復権は始まっている」のか?――労組活動は労働者階級の立場を逆に弱め得る」を筆頭に何度も述べてきているように、自由な競争経済社会においては、評判こそが企業にとって生命線です。「その企業でなければならない必然性」など顧客側にはない(選択の余地・選択の自由)のだから、自社社員のケースとは異なり、商品・サービスへの反発は、抗議のアクションに転化しやすく、共感する人々によって大きなうねりになりやすいのです。

もし今回の運営会社への抗議行動が監督官庁への通報、法廷闘争、「支援団体」への駆け込みに留まっていたのであれば、このような結果にはならず、敗北していたことでしょう。自社社員を威圧・沈黙させるのと同じ要領で顧客を威圧して沈黙させようとするという盛大な勘違い、重篤な感覚麻痺の「患者」に、ショボい抗議をしたところで「カエルのツラに小便」でしょう。自分の評判や財布が大いにいたんで、やっと事態に気がつくレベルでしょうから、消費者世論の大きなうねりで、企業イメージに傷をつけるくらいの勢いでなければ、効果は期待できません

そこまで計算していたのかは存じ上げませんが、今回は上手くいきましたね。競争的市場経済・評判経済の条件をフル活用し、企業イメージに傷をつけるくらいの勢いで、消費者世論の大きなうねりを巻き起こすことが肝心だということが、改めて判明したのだと思います。
ラベル:社会 経済 経済学
posted by 管理者 at 18:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | 更新情報をチェックする
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