2016年09月15日

「我が党の要求が取り入れられた!」では永遠に在野勢力

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20160909-00000043-nnn-soci
>> 小池都知事 待機児童対策に126億円

日本テレビ系(NNN) 9月9日(金)15時45分配信

 東京都の小池知事が9日午後に行った定例会見で、待機児童対策のための約126億円の補正予算と自らの報酬を半減させるための条例改正案を今月末に始まる都議会に提出することを正式に発表した。

 小池知事「待機児童対策を都民ファーストの視点で、年度内に効果を出すというような工夫を盛り込むことで、126億円の補正予算を提案している。身を切る改革の覚悟を示す観点から私の給与を減額することにします」

 小池知事は待機児童解消に向けた緊急対策として126億800万円の補正予算を組むことを発表した。具体的には、民有地や空き家を保育所などに活用するため不動産業者などと協議会を設置することや保育所にした場合の賃借料を補助すること、保育士確保のために宿舎を借り上げる保育事業者への支援を拡大することなどで、これにより5000人分の保育サービスを確保するという。


(以下略) <<
小池都知事が保育所増設のために巨額予算を計上しています。

以前から行政は保育所増設に取り組んでいましたが、いわゆる「日本死ね」ブログ以降は、さらに社会的注目が高まり、増設への取り組みが積極化しています。都の増設予算計上も、その文脈に位置づけることができるでしょう。

にもかかわらず、「日本死ね」と大声を上げていた人たちは、取り組みが進むにつれて、ますますトーンが下がってきています。「取り組みが進む」とは言っても、敷地候補地の地元住民の反対や、絶対的な予算不足等で順調に進んでいるとは言えません。こういうときこそ、「尻を叩く」という意味で、声をあげ続ける必要があると言えます。「小池さんの努力は認めますが、まだまだ苦しいんです!」といった具合に。ヤフーニュースのコメント欄は、総じて小池知事の取り組みの進展に期待を寄せています。

なぜ、応援の意志もこめて尻を叩くべきタイミングで、トーンが下がってゆくのか。結局のところ、政争の具にしようとしていただけだったという疑念さえ沸いてきます。思いがけず、為政者側が「追い風」として我が物にしてしまい、政争の具として使えなくなってしまった、だからこそ、利用価値(使用価値?)がなくなり放棄したのでしょうか?

政争以上に何よりも党勢の維持が至上命題になっている共産党は、小池知事の取り組みのお零れに預かろうと必死になっています。小池知事のプランについて、「共産党の提言反映」などとしています[1] [2]一体いつ、小池知事が共産党の提言を取り入れると言ったのでしょうか? 単に、誰でも言えるようなことを言っていただけに過ぎないでしょう。特段、共産党の獲得ポイントにはなり得ない展開です。

同様に、小池知事が積極的に取り組む姿勢を見せている「築地市場の豊洲移転見直し問題」。これも知事のリーダーシップに慌てて乗っかろうと豊洲市場の現地視察パフォーマンスを打ってみたところ、各方面からツッコミが入る事態になっています。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160915-00000065-san-soci
>> 豊洲市場、地下の水「強アルカリ性」 共産都議団「通常とは違う」

産経新聞 9月15日(木)7時55分配信

 築地市場(東京都中央区)の移転先となる豊洲市場(江東区)の主要施設下で、都が土壌汚染対策に実施したとしていた4・5メートルの盛り土が行われていなかった問題で、共産党都議団は14日、豊洲市場を視察し、盛り土のない青果棟の地下空洞にたまっていた水を調べた結果、強アルカリ性だったと発表した。


(中略)

 都議団は自然界の水は中性か弱酸性だと説明した上で、「通常の地下水とはまったく違う。何らかの化学物質の影響がなければ、強アルカリ性にはならない」と説明。採取した水は検査機関に調査を依頼しており、早ければ16日にも結果が判明する。

(以下略) <<
コメント欄。
>> コンクリート自体が強アルカリだからね。
硬化過程で透過した水は、そうなるよな。
こういうのは、そんなど素人の思いつきで会見しないで、専門家の調査結果が出てからにした方が良いよ。
<<
功を急ぎすぎたようですw

ここに在野勢力の本質的限界があります。いくら在野勢力側が「我が党の要求が取り入れられた!」などと主張しても、取り組むことを決定したのは与党であり、加点(プラスのポイント)を獲得するのは為政者側です。これが小池知事のように積極的に取り組むのではなく、しぶしぶ取り組んでいるだけだったとしても、やはり「取り組む」という決定は為政者の専決事項なので、加点は為政者側に配分されます。そこで在野勢力側が功を急ぐと、共産党都議団の豊洲視察のように、方々からバカにされるような浅慮コメントを発表するという末路に至るのです。

やはり、在野勢力は政権を目指さなければなりません。特に、現為政者の立場上の限界を突いて、「この課題を解決するためには、我々の立場のほかにない! 我々が政治を動かすほかにない!」という論法を提案しなければならないのです。誰でも言えること・できることでは、減点こそされないものの加点にはなりません。在野勢力である限り、平凡な政策の積み重ねだけで政権を奪取することは困難です。常識的政策提言で減点を回避しつつ、入魂の一撃で加点を目指すべきなのです。

その点、日本の在野勢力は加点意欲・政権獲得意欲が乏しい。先日、香港議会では政権志向の市民運動が存在感のある議席数を獲得しました。他方、たとえば日本のSEALDsは政権獲得を目指さず、衆議院選すら経験せずに中途半端なところで解散しました。民進党・共産党も本気で政権を目指しているのかは怪しい情勢です。平凡な政策提言に留まったかと思えば、突然バカバカしい夢物語をブチ上げて政権担当能力のなさを露呈させています

政権を目指さず、為政者側の対応に対して「我が党の要求が取り入れられた!」に終始しているようでは、現体制はまだまだ当分、磐石でしょう。現体制の人的布陣は、基本的な価値観は似ているものの一枚岩ではありませんが、これはすなわち現体制の弱点ではなく、むしろ冗長性として優位に作用することでしょう。

メディアは「小池知事vs巨大利権」といった構図で描くようになりました。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160915-00101982-diamond-soci&p=1
>> 小池知事vs巨大利権、盛り土問題を契機に全面対決へ

ダイヤモンド・オンライン 9月15日(木)6時0分配信

(以下略) <<
本来、自民党政治家を中心とした巨大利権を正すのは在野勢力の仕事であるはずですが、自民党員である小池氏に自民党体制に対する「世直し」をに期待するという構図になっています(「小泉純一郎文化大革命」の再来?)。冗長性が高い自民党体制の前に、完全に在野勢力の立場がなくなっています。「磐石」どころじゃないかもw
posted by 管理者 at 20:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | 更新情報をチェックする
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