2017年01月18日

元上司にだけ「厳罰」は、むしろ「トカゲの尻尾きり」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170118-00000076-asahi-soci
>> 電通、自殺社員の元上司ら社員3人処分 役員も報酬減額

朝日新聞デジタル 1/18(水) 16:06配信

 広告大手の電通は18日、新入社員の過労自殺問題で、労務担当の中本祥一副社長ら役員5人を、3カ月間20%の報酬減額処分にすると発表した。電通の長時間労働問題を巡っては、石井直社長が昨年12月に引責辞任を表明している。


(中略)

 電通は18日、高橋さんの上司だった部長級以下3人の社員についても社内規則によって処分したと公表。ただ、「詳細は言えない」(広報)として内容は明らかにしなかった。

最終更新:1/18(水) 18:14
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「直属上司に対する処分が甘い、懲戒解雇せよ」という指摘があります。人一人を自殺に追い込んだ点においては、そうした指摘も理解できます。

他方、所詮は中間管理職。上と下との板ばさみという位置づけです。到底処理できないような仕事量であっても、他部署等からの「援軍」を自在に手配できるわけではありません。もちろん、修羅場であってもパワハラをせず、部下をしっかりと指揮できる管理職もいるのだから、元上司を全面的に免罪はできません。しかし、以前にも述べましたが、そもそも上司にしてはいけない人物を昇格させた「上層部の指揮命令権」を見逃してはいけません。元上司を積極的に弁護するつもりはありませんが、そうした構造的な部分にも着目する必要があります。

その意味では、このパワハラ・自殺事件は、一定程度において「会社の組織問題」に起因しているともいえます。その点において、社長が引責辞任なら中間管理職としての元上司に対しては、一段下くらいになるでしょう。元上司にだけ「厳罰」は、むしろ「トカゲの尻尾きり」です。

「自主権の問題としての労働問題」を労働者階級の立場から私は論じてきました。パワハラを擁護するつもりは毛頭ありません。他方、マルクスが正しく指摘するように、資本主義体制における現象は、社会構造の被造物です。その視点は忘れてはなりません。また、チュチェ思想が正しく指摘するように、それを打破してゆくのは、人間の自主的な運動です。パワハラは構造的なものだが、それを打ち破るのは人間自身の自主的な運動なのです。
posted by 管理者 at 18:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | 更新情報をチェックする
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