2017年03月12日

ご近所トラブルからの草の根レイシズム;「我々が彼らに寛容になろう」ではなく「ご近所同士お互いに配慮し合おう」

ちょっと古い記事になりますが、重要な記事です。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170225-00010002-dime-soci
>> 7割の人が住むのをためらう○○が多いマンション
@DIME 2/25(土) 9:12配信

 ここ数年、訪日外国人の数は増加傾向にあり、観光地だけでなく、スーパーや飲食店でも見かけるようになった。また都心の飲食店やコンビニでは、外国人の店員も多い。身近なところで外国人と接する機会が増えた分、「言葉の違い」や「文化の違い」などからトラブルへと発展してしまうこともあるのではないだろうか。オウチーノが2015年に、首都圏在住の20歳〜59歳男女498名を対象に、「『外国人トラブル』に関するアンケート調査」を行なったところ、「外国人が多いマンション」は7割の人がためらうと答えていることがわかった。


(中略)

■約7割が、外国人が多くいるマンションに住むのはためらう

 最後に、「仮にこれからあなたがマンションを購入するとして、購入したいと思ったマンションに外国人が多く住んでいると分かった時、あなたはどうしますか?」という質問をした。

 結果、「購入をとりやめる」と答えた人が21.9%、「購入を迷う」と答えた人が23.7%、「どこの国の人かによる」と答えた人が24.9%、「特に気にしない」と答えた人が29.5%だった。なお、「外国人とトラブルになったことがある」と答えた人の場合、48.8%が「購入をとりやめる」と答えた。やはり一度トラブルを経験してしまうと、近隣に住むことをためらう人が多いようだ。

「購入をとりやめる」と答えた人にその理由を聞くと、
「価値観や生活習慣が違うとトラブルになるから」(45歳/男性)
「治安やコミュニケーションに不安があるから」(36歳/男性)
「ゴミ出しや生活習慣の差による騒音など、トラブルが多そうだから」(58歳/女性)などが挙がった。

「購入を迷う」と答えた人にその理由を聞くと、
「言葉が通じなかったり、日本の文化を知らない人がいるとちょっと不安だから」(28歳/女性)
「トラブルが発生しそうだから」(34歳/男性)
「住んでいる人が日本的な生活をできているのか、確かめる必要があるから」(27歳/女性)などが挙がった。

「どこの国の人かによる」と答えた理由を聞くと、
「反日思想の国の人なら購入をやめるから」(46歳/男性)
「モラルのない国は困るから」(33歳/女性)などが挙がった。

「特に気にしない」と答えた理由を聞くと、
「日本の文化に溶け込もうとしているなら問題ないから」(58歳/男性)
「外国人と交流するいい機会だから」(29歳/男性)
「日本人だって問題のある人はいる。外国人と言うだけで躊躇することはないから」(50歳/男性)などが挙がった。

 約7割が、購入予定のマンションに外国人が多く住んでいたら、購入をためらうことがわかった。一方で、交流するいい機会になる、といった前向きな声も挙がった。マンションの管理側も、居住者同士がうまく共同生活を送るために、現行のルールをただ守れというだけではなく、管理規約などを多言語化すること、文化・生活習慣の違う外国人がいる前提でルールを作ることなどが必要になるのではないだろうか。

 日本に来る外国人が増えることで、日本人が享受するメリットがある一方、トラブルの増加も避けられない。どう外国人と上手に付き合っていくのか、他人事と思わず考えていく必要があるのかもしれない。

【調査概要】
有効回答:首都圏在住の20歳〜59歳男女498名
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査期間:2015年11月11日(水)〜11月13日(金)

文/編集部
@DIME編集部

最終更新:2/25(土) 9:12
<<
価値観や生活習慣が違うとトラブルになるから」「治安やコミュニケーションに不安があるから」「ゴミ出しや生活習慣の差による騒音など、トラブルが多そうだから」――外国人に対して溝を作る発想に基づく言説です。ヘイトスピーチ問題が注目を浴びるようにきた昨今、日本第一党vsのりこえネット、ネトウヨvsパヨクの「イデオロギー空中戦」が激化する一方ですが、そうした連中がほとんど関与していない「近所づきあいの現場」という生活に密着した土俵で、外国人に対する溝が深まっています

価値観や生活習慣が違うとトラブルになる」といった生活上の摩擦は、「やはり一度トラブルを経験してしまうと、近隣に住むことをためらう人が多いようだ」という一文からも分かるように、ゆくゆくは深刻な外国人に対する嫌悪感に発展します。差別意識というのは、特定個人との間での不満・トラブルの蓄積が、その個人が所属している集団の問題に増幅されることで生じるものです(サンプル数過少のインチキな統計的推論のようなものです)。また、実際に自分自身が外国人とトラブルになったことがない人物であっても、こうした情報に接すると、「外国人は生活習慣が違うから・・・」というイメージが定着し、外国人敬遠に繋がってしまいます

こうした発想を「思い込みに過ぎない」などと批判することは、理屈の上では正しいものの、被害経験者の被害者感情や、とにかくトラブルを徹底的に避けたい人物の切なる生活上の願いの前では、ほとんど意味がありません。たとえ「レイシスト」と言われようとも、自分自身の生活を守ることを選択する人は少なくないでしょう。

快適な日常生活をお互いに送るためにも、特定個人によるトラブルを差別問題に発展させないためにも、生活の現場;近所づきあいの過程で生じるトラブルを最優先で、一つ一つ解決してゆく必要があります。

ここで重要なのは、問題は近所づきあいの過程で生じている以上は、お互いに配慮する必要があるということです。外国人・異人種に対する寛容を要求する人たちや、あるいは、「反レイシズム」の人々は、「異なる文化の人たちを仲間として受け入れよう!」といった具合に受け入れ側への「変化」を要求します(日本国内に限らず、欧米の移民受入国でも見られます)。しかし、「近所づきあい」のような生活に密着した視点に立って考えるとき、日本人住民同士のケースであっても日本人vs外国人のケースであっても外国人住民同士のケースであっても等しく、既に住んでいる人と新しく引っ越してくる人とが、お互いに配慮し合う必要があるといえます。イデオロギー空中戦でお忙しいネトウヨやパヨクの皆さんはご存じないかも知れませんが、一般生活者同士の近所づきあいは、お互いに配慮しあってやるものなんですよ。

レイシズムに関するネトウヨvsパヨクのイデオロギー空中戦は一進一退の攻防が展開されていると言えます。しかし、それとはまったく隔絶された「戦線」では、レイシズムを推進させかねない大きな勢力が育ちつつあることがこの記事から分かります。そして、「反レイシズム」を自称する勢力が、その状況にまったく気がついていないのが現状です。気がついたころには、「草の根レイシズム」が相当の規模になっていかねない状況にあるのです。

日本第一党など相手にしている場合ではないし、のりこえネットのイデオロギー空中戦志向に期待は掛けられません。繰り返しになりますが、近所づきあいの過程で生じるトラブルを「我々が彼らに寛容になろう」ではなく「ご近所同士お互いに配慮し合おう」で対処してゆくべきなのです。

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ラベル:社会
posted by 管理者 at 21:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | 更新情報をチェックする
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