2017年05月14日

日本左翼のEU崇拝・EU幻想を崩したフランス大統領選挙での左翼票動向

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170510-00127274-diamond-int
>> マクロン勝利でフランスのポピュリズムは本当に失速するか
ダイヤモンド・オンライン 5/10(水) 6:00配信


(中略)

 ルペン候補の敗退は ポピュリズムの失速か?

 開票直後、速やかに敗北宣言したルペン候補は、最大野党の党首として活動することと、国民戦線の躍進を誓った。そのルペン候補に対し、欧州ポピュリズム政党の代表らは続々とエールを送っている。

 3月のオランダの議会選でポピュリズム政党である自由党が第一党の座を逃したことに続き、今回のフランス大統領選決選投票でもルペン候補が敗退したことを受け、ポピュリズム政党の失速と見る向きもある。しかし第1回投票では、グローバル化に反対するルペン候補、メランション候補だけでなく、反資本主義・共産主義のアルトー候補、ブトー候補、EU懐疑派であるデュポン・エニャン候補らの得票率を合わせると、ポピュリズム政党の得票率は全体の半数近くにまで達した。

 EUやドイツをはじめとする加盟国で今回の大統領選の結果が歓迎されていることには違いないが、有権者の約半分が反EU・反グローバル化を標榜する候補者に票を投じたことは、今後の懸念材料を改めて浮き彫りにした。

 このため、ポピュリズム政党に対する警戒感を弱めることは時期尚早と言っても過言ではない。特に英国のEU加盟継続の是非を巡る国民投票と比較すると、反EUを掲げるルペン候補に若年層(18歳〜24歳)からの支持が多かった点で明確な違いがあることは、重要な事実として認識すべきだろう。長期にわたる経済低迷や若年層の失業率が高止まりしていることによる鬱積した不満が、従来左派寄りの若年層を極右にシフトさせた原因と言われている。


(以下略) <<
日本の「お左翼」連中のEU崇拝は度が過ぎたものがあります。EUなど所詮は、資本の利益を代表するための枠組みに過ぎないにもかかわらず、あたかも今のEUを守ってゆくことが、「多様性の保障」や「共生の世界」といった理念を生み出す母体であるかのように見なしています。

そんな馬鹿馬鹿しい幻想から、すべてのEU懐疑論を一緒くたにして「極右の思想」「開かれた社会・多様性の敵」といったレッテル貼ってきた「お左翼」連中。たまたまトランプ氏のような「アレ」な人が当然したアメリカ大統領選挙や、イギリスのように社会全体が成熟化しており左右対決があまり鮮明ではない国での国民投票のような「例外的ケース」が続いていたからこそ、馬脚が現れることはなかなかありませんでしたが、今回のフランス大統領選挙ではついに化けの皮が剥がれてしまいました

フランス共和国は、フランス革命を通じて近代民主主義の「第一人者」となり、そしてパリ・コミューンを筆頭に、さまざまな社会主義運動の牙城です。今も尚、右翼・左翼がハッキリしています。そんな「先進的」な国で、メランション氏を筆頭としたガチ左翼の候補者たちが、資本の利益を代表しているに過ぎない現在のEUの正体を見破り、そのあり方へのノンを主張し、そうした主張に労働者階級等から一定の支持が寄せられたのが、この大統領選挙でした。

アメリカ大統領選挙の民主党候補者指名レースで、「サンダース旋風」なるものを実態以上にフレームアップしていた――たしかにアメリカで自称社会主義者が生き残るのは画期的ではあります――ときと異なり、今回のフランス大統領選挙での「EU懐疑論の立場から左翼が伸びている」という画期的な出来事は、サンダース旋風をあれだけ持ち上げたのだから報じてもいいものですが、いわゆる「リベラル」の論調ではあまり報じられていません。EU懐疑論=極右の思想=多様性の敵という従来のストーリーを突き崩すファクトだからでしょうか? ダイヤモンドのような論調(もっとも、ここの論調は元来、記事・記者によって千差万別で統一性に欠けていますが)が、「ポピュリズム」というレッテルを貼っているくらいのものです。

敗れたとはいえ、EUの正体を見破り、その認識を一定の範囲に広めることに成功したことを証明したフランスの左翼諸氏、馬鹿馬鹿しい幻想が崩された日本の「お左翼」連中。フランス大統領選挙から明らかになりました。
ラベル:お左翼 メディア
posted by 管理者 at 22:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | 更新情報をチェックする
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