2017年07月27日

政策としての朝鮮民主主義人民共和国における市場経済化は着実に前進している――韓銀推計という第三者的立場の分析からも明らか

http://japanese.joins.com/article/546/231546.html
>> 北朝鮮、昨年の経済成長率3.9%…制裁でも市場効果
2017年07月22日12時20分

北朝鮮に対する制裁にもかかわらず、昨年の北朝鮮の実質国内総生産(GDP)は以前に比べて大きく改善したという分析があった。韓国銀行(韓銀)は21日に発表した「2016年北朝鮮経済成長率推定結果」で、昨年の北朝鮮の実質GDPが前年比3.9%増加したと明らかにした。99年の6.1%以来17年ぶりの最高水準だ。

産業別には鉱業(15年マイナス2.6%→16年8.4%)と製造業(マイナス3.4%→4.8%)、農林漁業(マイナス0.8%→2.5%)、電気・ガス・水道業(マイナス12.7%→22.3%)の改善が目立った。

韓銀は2015年まで厳しい状況だった北朝鮮経済が回復に向かったのは「ベース効果」のためだと診断した。しばらく低かった数値が従来の水準に戻ったことで成長率の数値が大きく上昇したという説明だ。実際、韓銀が推定した北朝鮮の実質GDP成長率は7年間、マイナス1.1〜1.3%の間で推移していた。

(中略)
しかし専門家らは北朝鮮経済がこれより速いペースで成長中とみている。イム・ウルチュル慶南大極東問題研究所教授は「北の内需産業と建設業がかなり活性化し、民間投資も大幅に増え、実際の経済成長率は5%を超えるというのが学界の大半の意見」と話した。

チョ・ボンヒョンIBK経済研究所副所長は「昨年は中国内の鉱物需要が多かったうえ、石炭など鉱物価格が2015年より上昇し、北が鉱物輸出効果を享受した」と診断した。「下半期に入って輸出制裁があったが、民生目的の輸出は許されたため打撃は大きくなかった」という分析だ。

最も大きな動力は市場経済の活性化だ。北朝鮮の市場は個人が金を稼げる私設市場であり、金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長の執権後に200カ所から400カ所に増えた。チョ副所長は「昨年、市場が活性化し、北の生産工場の稼働率が高まり、独立採算制で企業の経営自律性も高まった」と伝えた。独立採算制とは、利益の一部を国に納め、残りの経営は企業に任せる制度をいう。北朝鮮は金正恩委員長の執権後の2014年に「社会主義企業責任管理制」を実施し、企業の自立権を拡大する措置を取った。

(以下略) <<
「国際社会から厳しい経済制裁を受けて孤立している北朝鮮」というストーリーにそぐわない、ファクトです。中央日報紙は、この高成長を「ベース効果」としています。それはおそらく事実だと私も思いますが、しかし、この状況下で「下げ止まりを見せた・踏みとどまった・正常化した」ということは、強調してもし過ぎることはないでしょう。

最も大きな動力は市場経済の活性化だ。(中略)昨年、市場が活性化し、北の生産工場の稼働率が高まり、独立採算制で企業の経営自律性も高まった」という分析は極めて正しい。このことは、当ブログでもたびたび指摘してきたことです。共和国は漸進的ではあるものの明らかに市場経済を取り入れる方向性にあると言えます。
チュチェ102(2013)年10月1日づけ「ウリ式市場経済
チュチェ102(2013)年10月7日づけ「チュチェの市場経済・ウリ式市場経済――共和国の経済改革措置に関する報道簡易まとめ
チュチェ105(2016)年6月6日づけ「朝鮮労働党第7回党大会は経済改革・競争改革を漸進的に継続すると暗に宣言した画期的大会
チュチェ106(2017)年1月2日づけ「キムジョンウン委員長の「新年の辞」で集団主義的・社会主義的競争が総括された!
チュチェ106(2017)年4月26日づけ「「キムジョンウン委員長が導入した市場経済」という、さりげないが画期的な一文

当初(チュチェ102年)私は、「とても喜ばしい方向性ではありつつも、俄かには信じられない」と述べました。それからわずか4年足らず。事実として市場の役割の拡大は続き、そしてそうした方向性を共和国政府は、「集団主義的競争」というキーワードで政策的に位置づけました。「互いに成功を学びあい、助け合い、切磋琢磨してゆく」タイプの競争を社会主義的競争と位置づけ、「弱肉強食の生存競争」としての資本主義的競争との違いを定義した点において、伝統的に難題だった「集団主義と競争原理の両立」に解答を与えたのです。

明らかに共和国は、市場経済を取り入れる方向に進もうとしています。そんな中での今回の韓銀報告。推測せざるを得ない部分があったとはいえ、朝鮮中央通信の公式発表とは異なる第三者的な分析においても、共和国経済の経済指標における前進が認められます。そしてその要因として、キムジョンウン同志の政策によるところが大なのです。つまり、キムジョンウン同志の政策的意図の下、共和国は漸進的に市場化を推進しており、そして事実として、第三者的な分析においても、その成果が出ているということなのです。

私は、中国共産党の「改革開放」と比較して、朝鮮労働党の「集団主義的競争」は、社会主義的原則により忠実でありながらも、経済的実利についても怠ることなく追求している点において、より現実主義的な社会主義であると言えると考えています(中国共産党はもう社会主義など追求していないのでしょうね)。社会主義者として、朝鮮労働党の「集団主義的競争」を支持するものです。

また、以前から述べているように、朝鮮労働党の政策は、新しいアイディアが実験的に実践されてから全面的に導入される例が多いという「科学的社会主義」を標榜する国にしては珍しい伝統的行動様式があります。「科学的社会主義」の信奉者たちは、その素朴な科学信仰のために、「合理」的な思考によって十分にシミュレーションできるなどと思いあがり、素人の浅慮に過ぎないシロモノを急進的・全面的に実践しようとする傾向があります。歴史的に見ると、強引な自然改造計画等も確かにありましたが、昨今は、市場経済化に特に顕著に表れているように、悪しき「合理」主義的傾向とは一線を画すようになってきています。この点についても、漸進主義者として私は支持を表明するものです。

市場メカニズムが生み出す自生的秩序を活用した、より現実主義的な社会主義を、漸進的に模索してゆく朝鮮労働党のチャレンジングな政策が、韓「国」銀行という第三者が公表する分析においても成果を見せつつある――キムジョンウン同志の経済政策は着実に前進しているようです。
posted by s19171107 at 23:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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