2017年10月09日

多様性を軽視し、異文化を理解せず、不寛容な悪意的記事を書き立てる毎日新聞

どうもなかなかニュースを新鮮なままに取り上げられず、悔しいところです。遅れ馳せながら、中国国慶節について。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171001-00000031-mai-cn
>> <中国>「国慶節」で自賛報道 党大会控え権威強調
10/1(日) 17:38配信
毎日新聞

 【上海・林哲平】中国の建国記念日「国慶節」の1日、中国メディアはインターネットを活用した経済発展や国際的な影響力拡大を特集した記事を一斉に報道し、街頭にも自賛の動きが広がった。共産党大会を18日に控え、メディアを動員した国威発揚で党の権威を強調する狙いだ。


(中略)

 報道では「共産党なくして新中国なし」として党の役割を強調。「発展は大きな自信だ」(上海市の李栄さん)との歓迎が多い。一方で「大国は自らを誇らない。自賛のテレビ番組や本が多いと聞く日本同様に自信を持ちきれていない表れ」(同市の女子大学生)との冷静な声もあった。

最終更新:10/1(日) 21:58
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そりゃまあ、中国人は「正統」を重視する文化的・伝統的な考え方を持っている上に、共産主義的進歩思想は「共産党の周りに全人民が団結し、その正しい指導に従って未来社会を自ら切り開いてゆく」というビジョンを持っているのだから、なんら驚くような話ではありません。中国の御国柄を踏まえれば、ごく普通の出来事です。

日本人的感覚に照らした場合、現代日本では一国レベルで何らかの目標に結束して取り組むことはほとんどないので「共産党の周りに全人民が団結」というのはちょっと違和感を感じるかもしれませんが、同じ目的に向かって結束して取り組んでいる集団が達成した成果を振り返り、互いの努力を称えあい、「リーダーが上手く采配を振ってくれたお陰だねー」と語り合うくらいのことに読み替えれば、それほど奇怪・異常とは言えないでしょう。文化大革命時代のように、ほとんど同じような服装をしているウン十万人の群衆たちが広場に整列し、合図とともに「万岁!!」と叫び始めているのであれば分かるけど、今回はそんな展開ではありません。

中国の御国柄を踏まえれば、ごく普通の出来事であり、日本人的感覚に照らしても、それほど奇怪・異常とは言えないレベルの出来事を自賛報道」などと書き立てる毎日新聞。現代日本においては、一般的に「自賛」という語句はいい意味では使われません。とりわけ、他人の言動について「自賛」と指摘するケースは、「くだらないことを実態以上に誇大して吹聴しまわっている」といったような意味合いになります。悪意さえ感じる語句選択です。

まして、このことを「同市の女子大学生」へのインタビューという形にしているとはいえ、「自賛のテレビ番組や本が多いと聞く日本同様に自信を持ちきれていない表れ」などと、日本のバカウヨと並べるが如く書き立てるのは、輪をかけて悪意的であるとさえ言えます。

前述のとおり、中国が自国の発展の成果を誇ることは、「共産党の周りに全人民が団結し、その正しい指導に従って未来社会を自ら切り開いてゆく」というビジョンに基づくものであり、「苦労したけど頑張ったね、これからも頑張ろう」という点において、それほど奇怪・異常とは言えない言行です(少なくとも建前ではネ)。

他方、日本のバカウヨたちの言行は、自分とはまったく何の関係のない先人たちの努力の成果を何故か自分が達成したことであるかように誇る意味不明な自慢話です。共通点なんて唯一「お互いに日本人であること」だけ。自分たちのチームが挙げた努力の成果を誇っている中国に対して、バカウヨは、努力した先人たちのチームに勝手に入り込んで、自分自身は何もしていないのに他人の努力の成果を自慢し回っているに過ぎないのです。「その話は確かにすごいとは思うけど、なんでお前が鼻を高くしているの?」と言わざるを得ないのがバカウヨの言行です(こっちは建前でさえ自分の成果ではない。バカウヨはまったくをもって自分自身とは無関係のことを自慢している)。

この両者を混同する「同市の女子大学生」の不見識は甚だしいものですが、単に無知なだけかもしれません。それに対して、バカウヨ的言説のバカさ加減についてはよくご存じであろう毎日新聞記者が、一緒になって混同しているのは、文脈的に見ても悪意的な狙いを感じざるを得ないところです。

昨今の「多様性重視・異文化理解・寛容な社会」の風潮をリードしている毎日新聞が書いたとは思えないような、まるで産経新聞のような難癖。毎日新聞の普段の論調は一体どこへ行ってしまったのでしょう? 是非とも、多様性重視・異文化理解・寛容な社会の基本路線に従って、中国の御国柄を報じてほしかったものです。

中国の御国柄に沿った中国メディアの国慶節記念報道を「自賛報道」などと書き立てる毎日新聞が、永住外国人への地方参政権付与に反対する小池新党について「「寛容な党」矛盾しないか」などとするのは筋が通らない話です。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171003-00000111-mai-pol
>> <希望>踏み絵「外国人参政権」 「寛容な党」矛盾しないか
10/3(火) 22:09配信
毎日新聞

 ◇民進党からの入党希望者に、「政策協定書」署名を義務づけ

 希望の党の小池百合子代表は「寛容な保守」「ダイバーシティー(多様性)社会」を掲げている。その一方、民進党からの入党希望者には、外国人への地方参政権の付与に反対する「政策協定書」への署名を義務づけた。「寛容」「多様性」という看板と矛盾しないのだろうか。【福永方人、中村かさね】


(以下略) <<
毎日新聞が熱心に伝道を試みる「多様性重視・異文化理解・寛容な社会」とは、いったい何なのでしょうか? 「国」という単位で人々がまとまることが気にくわないのでしょうか? よくわからなくなってしまう一幕です。

【編集後記】義理もなければ意欲もないのに、なんだか中国共産党政権を弁護する形になってしまったのは、ちょっと不本意w
ラベル:メディア 中国
posted by 管理者 at 23:08| Comment(0) | 時事 | 更新情報をチェックする
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