2017年10月15日

日本共産党の9条の完全実施・自衛隊解消プランは、実はごく当たり前のことを言っているだけ

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171008-00000504-san-pol
>> 安倍首相「侵略受けたらどうなる」 志位委員長「政権奪取後しばらく合憲」 共産党の自衛隊違憲論めぐり
10/8(日) 9:30配信
産経新聞

 与野党8党首が7日臨んだインターネット中継動画サイト「ニコニコ動画」の党首討論会では、自衛隊は憲法違反との立場を取る共産党の志位和夫委員長への批判が集中した。


(中略)

 志位氏が党綱領に基づき「国民の多数の合意が成熟して初めて解消に向けた措置を取ることができる」と説明すると、安倍晋三首相(自民党総裁)は「志位氏が首相になり、『自衛隊は違憲』といった瞬間に自衛隊法は違憲立法となる。この間に侵略を受けたらどうなるのか。災害出動もできない」と畳みかけた。

 さらに公明党の山口那津男代表が「立憲民主党も拒否するのに、どうやって政府を作るのか」とただすと、志位氏は党綱領に基づき「(共産党を含む)政権はすぐに自衛隊を解消する措置はとれない。(しばらく)合憲という立場を引き継ぐ」と説明した。


(中略)

 激しいやりとりを聞いていた希望の党の小池百合子代表(東京都知事)も参戦した。「『しばらくの間は合憲』といったが、平成5年の自社さ政権では、社会党が一夜にして自衛隊をめぐる立場を変えた。志位氏も同じことになるのでは」と加勢した。

 志位氏は「党として違憲という立場を変えない。憲法判断を変えるのは情勢が熟したとき」と再度言及したが、小池氏は「しばらくの間とか当面の間などは世界情勢の中で許されない。無責任だ」と批判を重ねた。これには安倍首相も「その点については小池氏とまったく同じ意見だ。しばらく合憲と認めるが、自衛隊は命をかけるというのはあまりに無責任だ」と歩調を合わせた。

 志位氏は「私たちが参加した政権が、すべての国々と平和的な友好関係を作る。日本を取り巻く平和的な環境が熟する。それをみて国民の圧倒的多数が『もう自衛隊がなくても安心だ』となったら、初めて9条の完全実施(自衛隊の解消)ということだ」と訴えたが、首相らは首をひねったままだった。


(以下略) <<
相変わらず苦しい理屈です。もっとも、「表向きはxxだけど、実際には如何ともしがたい事情により...」というのは現実世界では往々にしてあるもの。その意味では、志位氏の言い分は「まったく理解不能」というわけではありません。理屈の縛りで身動きができなくなりがちな共産主義者の割には、柔軟で現実主義的と言ってもよいでしょう。

しかし、憲法や法律というものは、理想の未来社会のビジョンを宣言するものというよりも目の前の現実的問題を解決するにあたっての実務的なものなのだから、いったん改憲して、それこそ「もう自衛隊がなくても安心だ」となった段階で初めて9条を「復活」させればいいのではないかとも思うのであります。

まあ、共産主義者は、「宣言」に基づいて目的意識的に理想を目指そうと心掛ける人たちであり、七転八起の精神で理想の旗を掲げ続けようとする人たちですから、一度掲げた理想の旗を降ろすことはできないのでしょう・・・私は日本共産党は支持していませんがチュチェ思想信奉者なので、そういう考え方はとてもよく理解できますw

それはさておき、志位氏の「(共産党を含む)政権はすぐに自衛隊を解消する措置はとれない。(しばらく)合憲という立場を引き継ぐ」という発言と「私たちが参加した政権が、すべての国々と平和的な友好関係を作る。日本を取り巻く平和的な環境が熟する。それをみて国民の圧倒的多数が『もう自衛隊がなくても安心だ』となったら、初めて9条の完全実施(自衛隊の解消)ということだ」という発言を踏まえて分析すると、日本共産党の9条の完全実施プランというのは、結局のところ、「国民が自衛隊を必要だと思う間は存続させ、必要ないと判断すれば解消する」ということに尽きるのではないでしょうか。

こんなの当たり前のことです。国民が自衛隊を必要だと思っているのに共産党政権が勝手に自衛隊を解消させれば独裁以外の何物でもないし、国民がもはや必要としていない行政組織が廃止されずに残っているとすれば、これは自衛隊に限らず行政改革の対象でしょう。

このように考えると、日本共産党の9条の完全実施プランなどというものは、特異なことを言っているように見えて、実はごく当たり前のことを言っているだけ政策として特筆すべきことは何も言っていないのです(「情勢が熟したとき」っていつ?)。

だからみんな、あんまりイジメないであげてね。結局、憲法を「理想の旗印」と考える進歩的考え方と、憲法を「現実のソリューション」と考える一般的な考え方とのギャップですから。進歩的考え方も大切だと私は思いますよ(それだけじゃ観念論に転落するけど)。いいじゃん、いつになるのかは、たぶん本人たちもまったく見当がついていないんでしょうけど、当面は自衛隊を存置させるって言っているんだから。

ただ・・・平和の問題は日本共産党にとっては「政策の柱」なのだから、政策として特筆すべきことは何も言っていない、ごく当たり前の話に終始するのは、いかがなものなのかとも思うところです。
ラベル:政治 日本共産党
posted by 管理者 at 23:32| Comment(0) | 時事 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。