2017年10月22日

朝米のどちらが真に挑発的なのか

http://chosonsinbo.com/jp/2017/10/yr20171019-1/
>> 米南合同海上訓練、最大規模で実施/全民族非常対策委が声明
“予想外の時刻に、想像外の打撃”

米国と南朝鮮は、16日から、朝鮮東海・西海海上で史上最大規模の合同海上訓練を開始した。

訓練には米原子力空母ロナルド・レーガン号打撃群とミシガン号をはじめとした3隻の米原子力潜水艦、イージス艦を含む約40隻の各種戦闘艦船と戦闘機が投入された。

また、在南米空軍はソウル空港で16日、最新鋭のステルス戦闘機F22、F35Aをメディアに向け、公開。17〜22日まで同空港で開催される「ソウル国際航空宇宙及び防衛産業展示会(ソウルADEX)」では、戦略爆撃機B1Bが一般公開された。

南の鳥山空軍基地では、米国と日本の岩国基地から米空軍の戦闘爆撃機F16十数機と米海兵隊追撃襲撃機F/A18数十機が起動展開され、「北核心対象物」に対する実践打撃訓練が行われた。

23日からは、南に滞在する米国民間人を海外に退避させる「非戦闘員護送訓練(NEO訓練)」を行うなど、演習は朝鮮半島に戦争前夜を彷彿とさせる緊張状態を醸成しようとしている。

さらに米南両軍は、今回の訓練終了後、核戦略資産を南朝鮮と周辺水域に配備し、10月末、米海軍原子力空母セオドア・ルーズベルト号打撃群を追加投入した上で、再度、大規模連合海上打撃訓練を行う予定だ。


(以下略) <<
侵略意図を隠そうともしない米「韓」両軍の演習に対して、共和国側も黙ってはいられません
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20171015-00000015-jnn-int
>> 北朝鮮で弾道ミサイルの発射台が移動
10/15(日) 12:31配信

 北朝鮮をめぐる情勢が緊迫するなか、北朝鮮国内で弾道ミサイルの発射台が移動していることが確認されました。


(中略)

 アメリカ軍は、来週17日から原子力空母ロナルド・レーガンを朝鮮半島近海に展開して、韓国軍と軍事演習を行う予定です。北朝鮮は米韓演習に激しく反発しており、ミサイル発射などの軍事的挑発に警戒が強まっています。(14日22:25)

最終更新:10/15(日) 12:31
<<
朝鮮外務省のチェソンヒ北米局長は次のように説明しています。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171021-00000049-asahi-int
>> 北朝鮮局長「核兵器、米だけが標的」 国際会議で発言
10/21(土) 18:25配信
朝日新聞デジタル

 北朝鮮外務省の崔善姫(チェソンヒ)北米局長が20日、モスクワで開かれた国際会議で「米国以外は核兵器のターゲットではない」と語った。核保有に向けて国際社会の理解を求める発言だが、核保有国としての地位を手に入れることへの執念も示した。

 政府関係者や専門家が核問題を話し合う「モスクワ不拡散会議2017」に出席した崔氏は、日韓両国の高官らが見守るなか、歴代米政権による北朝鮮敵視政策を列挙。核開発は自衛の手段だと強調する一方、核不拡散の取り決めを順守する考えも示した。


(以下略) <<
■どちらが真に挑発的なのか
「シリア・アサド政権による化学兵器の使用」なる事態を受けて米軍が行った限定的攻撃とは次元がまったく異なる展開。4月に強行されたICBM「ミニットマン3」の発射実験を含めて一連の経緯を振り返れば、これでは、共和国の弾道ミサイル発射「挑発」準備に対して米「韓」両軍が牽制しているというよりも、米「韓」両軍の侵略策動に対して朝鮮人民軍が牽制のために弾道ミサイルの発射を準備しているという構図の方が、より正確なところだと言えるでしょう。

このことは、朝鮮戦争(祖国解放戦争)以来の歴史的経緯を慎重に振り返れば(休戦協定の第13節(d)を無視する挙など)見えてくることですが、そんなことせずも、今年一年の動静を振り返れば直ちに分かるほどの展開になってきました

共和国のミサイル発射について日本国内では「挑発」と表現するのが一般に定着し切っています。しかし、ここ最近の朝米両国のやり取りを見れば、「どちらが真に挑発的なのか」という論点に対して真相が見えてくるのではないでしょうか。

■社民党は正しく理解している
このことについては、社民党は早くから正しく認識していたようで、同党の又市幹事長は次のように発言しています。
http://www.sankei.com/politics/news/170921/plt1709210052-n1.html
>> 社民党の又市征治幹事長「挑発するから北朝鮮は身構えるんだ」 米韓軍事演習の中止求める

(中略)

 又市氏は朝鮮半島周辺での米韓合同軍事演習中止を首相に働きかけるよう求める考えも示した。又市氏は「挑発しておきながら、北朝鮮が身構えると『けしからん』といって追及するのは筋が通らない」と述べた。 <<
社民党が目指すビジョンと朝鮮労働党が目指すビジョンは、実は相当異なっており、チュチェ思想派として「なぜ社民党は朝鮮労働党の肩を持つのか? 意味がよく理解できない・・・」というのが正直なところですが、上掲記事の一点に限っては、「社民党は、朝鮮労働党の主張を正確に理解してくれている」と思う次第です。

■世論の顔色を窺っている日本共産党の不見識
他方、日本共産党の不見識が目につきます。いや、「世論の顔色を窺っている」というべきでしょうか?
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-08-30/2017083001_01_1.html
>> 2017年8月30日(水)
北朝鮮が弾道ミサイル発射
志位委員長が厳しく抗議
「対話による解決に逆行する行為を中止せよ」

 北朝鮮が29日朝、弾道ミサイルを発射したことについて、日本共産党の志位和夫委員長は同日、「北朝鮮の弾道ミサイル発射に厳しく抗議する――対話による解決に逆行する行為を中止せよ」の談話を発表しました。

 一、北朝鮮は、本日、国際社会が強く自制を求めているもとで、弾道ミサイルの発射を強行した。これは、世界と地域の平和と安定にとっての重大な脅威であり、累次の国連安保理決議などに違反する暴挙である。通告なしに日本列島の上空を飛び越える発射は、きわめて危険な行為である。日本共産党は、厳しく糾弾し、抗議する。

 とりわけ、今回の発射は、米国を含めて国際社会が対話による解決を模索しているもとで、それに逆行する性格をもつ行為であることを、強調しなければならない。


(以下略) <<
志位委員長の「通告なしに日本列島の上空を飛び越える発射は、きわめて危険な行為」というのは、まだ理解可能な主張ですが、「世界と地域の平和と安定にとっての重大な脅威」や「米国を含めて国際社会が対話による解決を模索しているもとで、それに逆行する性格をもつ行為」という主張については、「元はと言えば、この緊張状態を作り出しているのは誰なのか、朝鮮戦争休戦協定にある『外国軍の撤退』の定めを無視しているのは誰か」という点について問わねばならないでしょう。この点は、社民党又市幹事長の指摘の方が筋が通っていると言わざるを得ません。

また、「累次の国連安保理決議などに違反する暴挙」という主張についても、共和国は以前から一貫して、アメリカの急迫不正なる侵略策動に対する正当防衛であると述べてきました。「丸腰平和主義の面目躍如」というべきでしょうか? 帝国主義との対決下にある朝鮮民主主義人民共和国ならびに朝鮮労働党は、後述するように、ここまでバカにはなれません。

■都合の良いところだけツマミ食いし、客観的事実を党利党略的に再編集する日本共産党
井上参議院議員の言説は、志位委員長の言説以上に党利党略的意図に満ちています。都合の良いところだけツマミ食いし、客観的事実を党利党略的に再編集しています。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-08-31/2017083101_01_1.html
>> 2017年8月31日(木)
北朝鮮問題
軍事衝突避け 対話で解決を
圧力一辺倒でいいのか 閉会中審査で 井上・赤嶺議員


(中略)

 井上氏は参院外防委で、国際社会が対話による解決を模索するなか、北朝鮮の行為は極めて重大だと指摘。国際社会と関係国は経済制裁とともに「困難はあっても対話による問題解決の道を粘り強く追求することが必要だ」と強調しました。

 井上氏は、マティス米国防長官とティラーソン同国務長官の米紙への共同寄稿で、北朝鮮がこれ以上の挑発行為を停止することを条件に「米国は北朝鮮と交渉する意思がある」と表明し、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領も同様の発言を行っていたと指摘。「非核化の意思と行動を北朝鮮が出すまでは圧力の時」と繰り返す河野太郎外相の姿勢は「国際的な流れからしても特異な姿勢だ」と批判しました。

 「対話のための対話は意味がない」との姿勢を崩さない佐藤正久外務副大臣に対し、井上氏は「意味ある対話を引き出すための対話、緊張緩和のための対話もある」と指摘。圧力についても「北朝鮮を対話に引き出すための圧力であるべきだ」と強調しました。


(中略) <<
井上議員はマティス国防長官とティラーソン国務長官の「対話志向」の言説を取り上げていますが、彼らの上司であるアメリカ合衆国大統領・アメリカ軍最高司令官のドナルド・トランプ氏のキチガイ染みた好戦的言動は意図的に無視しています。最高指導者の言説を無視し、彼の指揮下にある部下に過ぎない人たちの言説を取り上げて「米国は北朝鮮と交渉する意思がある」などと言ってのけるのは、都合の良い断片的事実に飛びつく、およそ科学的とは言えない姿勢と言う他ありません。トランプ大統領は「狂人戦略」の使い手であるとは言え、大統領(最高指導者)なのだから、まずは彼の言説に注目すべきでしょう。上司の発言をスルーして部下に過ぎない人たちの言説を敢えて取り上げて「公式の意向」などと見なすことこそ「特異な姿勢」です。

■このタイミングでの「緊張緩和のための対話」は「軍事力を背景にしてこそ対話は成立する」ことの実例になる
緊張緩和のための対話」という主張は理解可能です。共和国も事実として、そうした意味における対話を目指してきたところです。しかし、この意味における対話は、あくまで「軍事力を背景にした対話」。アメリカの歴代政権は共和国の対話要求を頑として拒否してきたものですが、共和国が核武力を現実的なものとした今日において、アメリカ側が急転回的に対話に応じるのであれば、それは「軍事力を背景にしてこそ対話は成立する」と言うことになるでしょう

これも対話であることには違いはありませんが、果たして日本共産党が金条玉科とする「日本国憲法第9条」が目指す意味での対話なのでしょうか? 「対話」という表層的な部分に飛びついて、その深層にまでは考慮が至っていないのではないかと疑問に思わざるを得ません。

大切なことなので繰り返しますが、事実として今まで、共和国は一貫して戦争状態の終結や朝米国交正常化を求めて対話を模索してきたにも関わらず、アメリカは共和国をまったく相手にしてきませんでした。しかし、共和国が核の実力をつけて来、いよいよグアム島を攻撃射程に収め、アメリカ本土への打撃力を持つのも時間の問題だと言われるような段階で両国が話し合いのテーブルをセットするというならば、それは「軍事力を背景にした話し合い」ということになります。

武力行使によって相手国を叩き潰すような形での「平和」ではないとはいえ、依然としてこの対話は、軍事力を背景にしているわけです。このことは、決して9条が目指すところではないでしょう。これは一見して「話し合いでの解決」という9条信奉者にとっては理想的なコースに見えますが、これまでの経緯を振り返れば、9条信奉者にとっての理想とは真逆の展開であると言わざるを得ないでしょう。

■党利党略になるのも仕方ないのかもしれないが・・・
まあ、昨年の参議院選挙の期間中に、防衛予算についてうっかりと「人を殺す予算」などと口走った結果、上り調子だった党勢に水を差してしまった経緯がある以上は、日本共産党においては、世論の反発を受けかねないような主張は厳に慎まなければならないという党利党略的な狙いがあるのでしょう。その点、何を言ったところで誰にも相手にもされず、ある意味「開き直っている」社民党のように筋を通すことは出来ないという事情も、分からないでもありません。

しかし、「科学」を自称している日本共産党が事実を捻じ曲げてまで露骨に世論に阿るのは、いかがなものなのでしょうか? 歴史的経緯も直近の客観的事実も無視し、党利党略的に事実を捻じ曲げる日本共産党の姿勢、まして帝国主義者と足並みを揃えるほどに堕落した日本共産党の姿勢は、日本の左翼運動の歴史において特筆に値すべきでしょう。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-08-31/2017083101_07_1.html
>> 2017年8月31日(木)
共産党 北ミサイルに抗議

 北朝鮮による弾道ミサイル発射の暴挙に対し、日本共産党は30日、各地で県委員長や衆院候補、議員を先頭に、緊急の抗議宣伝を行いました。

 宣伝では、志位和夫委員長の抗議談話を掲載した「しんぶん赤旗」(同日付)を広げたり、同談話を印刷したビラを配布して、北朝鮮の弾道ミサイル発射を「対話による解決に逆行する行為」「国際社会が挑発行為をやめるように求める中でこのような暴挙は許されません」と批判。「戦争に向かう道は絶対に阻止しなければなりません。日本共産党は米朝に無条件で直接対話に踏み出すように呼びかけています」と訴えました。
<<
不気味なまでにいち早い街宣。「国際社会が挑発行為をやめるように求める中」の「国際社会」って誰のことなんでしょうか? 「共産党フィルター」で現実を見ると、こうなるのでしょうか? とんでもないフィルターですね。

■まさに「平和ボケ」
冷徹なるリアリストであり、そうであるがために今も尚、社会主義政権を維持できている朝鮮民主主義人民共和国・朝鮮労働党は、ここまでバカにはなれないでしょう。

共和国でしばしば歌唱・演奏される"우리의 총창우에 평화가 있다"(我らの銃の上に平和がある)では、次のようなくだりがあります。

평화를 진정 사랑하기에
平和を真に愛するから
우린 목숨도 바쳐가리라
我らは命も捧げて行かん
원수님 따라 천만이 뭉쳐
元帥様につづき 千万が団結し
정의의 총창 들었다
正義の銃をとった
평화가 아무리 귀중해도
平和がどんなに大切でも
절대로 구걸은 하지않으리
絶対に乞いはしない
우리의 총창우에 우리의 총창우에
我らの銃の上に 我らの銃の上に
평화가 평화가 있다
平和が 平和がある

これが帝国主義と対決するということなのです。
posted by 管理者 at 17:06| Comment(0) | 時事 | 更新情報をチェックする
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