>> レディース&ジェントルマン、NY地下鉄で禁止「ポリコレ文化大革命」の最先端を明後日の方向に驀進するアメリカですが、意外なことに、「この程度で済んだ」ようです。"Everyone"だの"Passengers"だのと、「あなたたちの存在は認めるけど、あくまで他人です」という意味で、「棲み分け的自由主義」の範疇での言い換え運動です。
2017年11月20日 10時13分
【ニューヨーク=有光裕】米ニューヨーク交通公社(MTA)は、ニューヨーク市内などで運行している地下鉄やバスなどの乗務員が、アナウンスの際に乗客に呼びかける「レディース・アンド・ジェントルメン(Ladies and gentlemen)」という言葉の使用を禁止したと明らかにした。
同性愛や性同一性障害など、性的少数者への配慮とみられる。
MTAは、読売新聞の取材に「乗客とのコミュニケーションを根本的に改める取り組みとして行った」と回答した。乗務員は代わりに、「Everyone(皆さん)」や「Passengers(乗客の皆さん)」などと呼びかけている。
(以下略)<<
これが、どこぞの国だったらどうでしょうか? 「あなたたちの存在は認めるけど、あくまで他人です」という意味での「棲み分け」では飽き足らず、「我々を友人として受け入れろ!」などといった調子で、活動家たちは、包摂を要求してきたことでしょう。どこぞの国のノリであれば、「皆さん」や「乗客の皆さん」ではなく、「友人の皆さん」「隣人の皆さん」、甚だしくは「同志諸君」くらい要求しかねないところです。
なんだかんだ言って、アメリカは本質的に自由主義の社会なんでしょう。人間同士の関係は、主体が確立している自立した個人同士の関係性なのでしょう。どこぞの、ムラ社会の延長線上を未だにフラフラしている国、主体が確立し切れておらず、他人に対して親友的関係・家族的関係を要求する観念がしぶとい社会、他人の包摂的承認がないとアイデンティティが危うい社会とは違います。
ラベル:社会