川淵三郎氏、新型コロナウイルス感染拡大でイベント自粛に疑問…「中止する…という考え方は、もっともだけど安易すぎない?」誤った推論、かつ、ゼロか100でしか物事を考えられない人の典型と言わざるを得ませんね。
2/21(金) 10:32配信
スポーツ報知
(中略)
新型コロナウイルスによる感染拡大で各地でイベントが自粛されていることにツイッターで「色々考えたんだけど…感染を防ぐために人との接触をできるだけ避ける。そのためにイベントの開催は中止する…という考え方はもっともだけど安易すぎない?」と指摘した。
その上で「満員の通勤電車をどう考えるの?生活のために自己責任で通勤するのでは?イベントも自己責任で見に行きたい人は行けば良いという事にならない?」と疑問を投げかけていた。
事態は個人的な風邪症状の問題ではなく、公衆衛生上の深刻な伝染病(感染症)です。「イベントも自己責任で見に行きたい人は行けば良い」とはならないでしょう。どのような経路で伝染してゆくのかは依然として不明瞭ですが、人から人への伝染が連鎖しているようです。そうなれば、もはや「自己責任」の問題では済みません。「自己責任」で腹を括ったイベント参加者にだけ伝染するわけではないのです。公衆衛生の問題になります。他人様・世間様のご迷惑になるのです。
個人レベルで済まない問題を「自己責任」に位置付けようとする言説が飛び出してくる現状。もともと稚拙で粗雑、低レベルでくっだらない「自己責任」論が幅を利かせており、また、自由と放蕩を履き違え、社会的・集団的視点が欠落していた「自由」主義・「個人」主義の日本社会ですが、いよいよ「社会とは何か」という基本的な認識・理解さえもが崩壊していることを端的に示していると言えるでしょう。
また、「満員の通勤電車」と「イベント」は、質的にまったく異なるものです。「満員の通勤電車」は、そりゃ避けられるなら避けた方がよいでしょうが、なかなかそうは行かないのが現実です。「出勤しない」という選択肢は現実的にはありません。しかし、イベントは「避けられる」ものです。いままさに「不要不急の外出は避けてください」という呼びかけがなされているとおりです。
満員電車での出勤を「生活のために自己責任で」というのは、そもそもおかしな言い分ではあります(会社側が時差出勤・在宅勤務を認めないから、仕方なく満員電車で通勤しているわけです)が、百歩譲ってそれが正しいとしたとしても、「満員の通勤電車がいいなら、イベントもいいはずだ」というのは、質的に異なるものを同列に配置している点において、理屈として成り立っていません。こういうのを「屁理屈」というのです。