2020年04月07日

よく言えば「等身大の感覚」、悪く言えば「素人考え」でコロナウィルス対策を考える風潮について:組織論・社会歴史観編

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200325-00000640-san-soci
「中国寄りで対応誤った」…WHOに批判 五輪実施へ責任重く
3/25(水) 23:17配信
産経新聞

 【ロンドン=板東和正】新型コロナウイルスの感染が世界各国で広がり、東京五輪・パラリンピックが延期された。国際オリンピック委員会(IOC)の決定に大きな影響を与えたのは世界保健機関(WHO)の感染拡大に関する判断だ。WHOは、中国に配慮し過ぎて対応を誤り、感染拡大を招いたと批判されており、今後の東京五輪実施に向け重い責任を担っているといえそうだ。

(中略)
 米国発の署名サイト「Change.org」ではWHOのテドロス事務局長の辞任を要求する署名活動が行われ、賛同者は25日時点で50万人を超えた。署名活動の発起人は、テドロス氏が1月22、23日に開催されたWHOの緊急委員会で「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言を見送ったことが、感染拡大につながったと非難する。WHOは同月30日に宣言を出したが、医療機関の検査態勢整備が遅れたとされる。米紙ウォールストリート・ジャーナルは、早期に宣言しなかったのは「経済や指導部のイメージを損なうとする中国の懸念をWHOが重視しすぎたことの表れだ」と指摘した。

 テドロス氏は、中国から巨額投資を受けるエチオピアの元保健相だけに中国を擁護しているとみられてきた。英紙フィナンシャル・タイムズなどは、感染源の中国武漢市の当局による感染拡大の報告が遅れ、隠蔽もあったと報じたが、テドロス氏は同紙のインタビューで「中国が何を知っていたか性急な推測をすべきではない」とかばっている。

(以下略)
WHOの解体的出直しの象徴としてテドロス事務局長の辞任を求めるのであれば理解可能ですが、テドロス事務局長が個人的に親中派だったがゆえにWHO全体の動きが遅かったとでも言わんばかりの言説が見られます。ヒトラーやスターリンのような絶対的独裁者じゃあるまいし、また、ワンマン経営の中小企業でもあるまいし、トップといえども一個人に過ぎないテドロス事務局長が国際組織としてのWHOを個人の意のままに操れるはずがありません。WHOはそこまで上意下達の組織化はなされていません。もし仮にWHOに中国の影響・中国に忖度する風潮が及んでいるとすれば、中国共産党はWHO内部に党細胞を設立できる程度にまで浸透しており、既に大きく強固な足場を築いているということでしょう。

たかだか一個人の意志程度でWHOほどの国際的大組織が操られて大きく揺らぐなど、まさに主観観念論的と言う他ない見方です。特に意識して上意下達の組織化に取り組んでいない限り、一般的な組織は「中立」的なものとなり、いくら事務局長と言えどもその個人の意志では操作できないものになります。

新型コロナウィルス禍を巡っては、よく言えば「等身大」、悪く言えば「素人考え」で国家レベルの問題を分析・論考する言説が氾濫しているところですが、今回もまた「素人考え」という他ありません。

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posted by 管理者 at 22:25| Comment(0) | 時事 | 更新情報をチェックする
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