2020年04月24日

事実を突きつけられた「裸の王様」が逃亡を図る

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200423-00010002-chugoku-soci
「10万円活用」1日で幕 広島県知事発言 ネットや議会「強権的」と反発続出
4/23(木) 8:36配信
中国新聞デジタル

「身を切る姿勢」空回り
 新型コロナウイルスの経済対策として広島県職員が受け取る10万円を県の対策事業の財源に充てる考えを示していた湯崎英彦知事が22日、発言からわずか1日で態度を翻した。財源確保へ「身を切る姿勢」を打ち出そうとしながら、部下の給付金を当て込む強権的な発想と受け止められ、県民や県議会から反発が続出。事実上の撤回を余儀なくされた。

(中略)
 国の給付金を念頭に県職員の「協力」に踏み込む今回の考えは、湯崎知事によるトップダウンで発案された。突然の発言を、多くの県職員や県議は「県事業の財源に、国の給付金を充てるのだと思った」(50代課長男性)と受け止めた。

 発言を事前に知らされたのは、ごく一部に限られていたという。ある県幹部は「当面の給与が減らない公務員に対する10万円の給付には批判も出ていた。県が身を切る覚悟を示せば賛意が広がるとの思惑だったのだろう」と推し量った。

(以下略)
■公務員叩きは確実に時代遅れに
湯崎・広島県知事、今となっては「一般市民」に過ぎない橋下徹氏の言説をパクって人気取りを期するや否や、県民及び県議会並びに県外の全国津々浦々から総攻撃を受けて引き下がるの巻wwみっともない・・・

10〜15年前の公務員バッシング全盛期であれば、いまごろ拍手喝采だったでしょう。しかし近年、自然災害が多発するなかで各級公務員が文字どおり身を粉にして滅私奉公している様をうけて、確実に世論は変わってきています。公務員叩きは確実に時代遅れのものになっています

■橋下氏の真似事をすれば拍手喝采を受けられると「思いあがった」湯崎知事
自分も橋下氏の真似事をすれば拍手喝采を受けられると「思いあがった」湯崎知事の愚かさが笑えます。

橋下氏が、他の誰も主張してこなかった率直であるが際どくもある主張を展開して拍手喝采を受けて来られたのは、その発言主体が「橋下徹」であったからであります。すなわち、未だ日本社会においては、「何が語られているのか」ではなく「誰が語っているのか」で判断する向きが濃厚であり、平生から自分が支持している人物の言説であれば、多少無理筋だとしても擁護を試みる、あるいは、少なくとも沈黙して積極的には批判しないという行動をとる人が少なくないのです。

暴論も「橋下徹」だから大目に見られていただけ。橋下氏のようなカルト的人気などあるはずもない湯崎知事が、橋下氏の真似事をしたからといって同じような人気を獲得できるはずがなく、橋下氏と同じレベルの暴論を展開して無傷でいられるはずもありません

■急にハードルを低く設定しなおす橋下氏
面白いのは、湯崎知事への総攻撃を目にした橋下氏が「いかにも維新だな」というべき取り繕いを展開し始めたことw
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200422-04220147-sph-soci
橋下徹氏、広島県知事「県職員の10万円活用」で乙武洋匡氏と議論「見解の違いがあるかもしれないが、ルールが必要という点では一致」
4/22(水) 16:08配信
スポーツ報知
(中略)
 この問題に乙武氏はこの日のツイッターに「橋下徹さんと広島県・湯崎知事は『給料が減っていない公務員は10万円を受け取るべきではない』という主張には共通点があるが、『だから受け取れないルールにすべき』と主張する橋下さんと、ルールがないなかで強権的に職員から吸い上げようとする湯崎知事では大きな隔たりがある」と投稿。

 乙武氏のツイートを引用した橋下氏は「結論は乙武さんと見解の違いがあるかもしれないが、ルールが必要という点では一致」と見解を示した。

(以下略)
これこれ、これなんですよ。分が悪くなったときの維新及び橋下氏の「逃げ方」。あれだけいつも「破邪顕正スタイル」or「文化大革命スタイル」で反対派を叩き潰そうとしているのに、分が悪くなるや否や、急に「一致点・落としどころ形成スタイル」を演じるわけです。あれだけ大言壮語していたくせに、それを達成できないと分かるや否や、急にハードルを低く設定しなおして辛くも達成できた小さな「成果」を実態以上にクローズアップして取り繕うわけです。「ルールが必要という点では一致」って何よ? 異論を叩き潰すのが橋下流。こんな「ヌルい」んでエエのかいな。

もちろん、政治は究極的には「力と力の対決と調整」であり、願望がすべて叶うわけではありません。しかし、「だったら最初の大風呂敷は何だったの? 予想外に敵対勢力が強くて見込みが外れたにしても盛大過ぎではありませんか? そもそも誇大妄想的で政権担当能力がないんじゃないの?」と突っ込みたくなるわけです。

今回だって「給料がびた一文減らない国会議員、地方議員、公務員は受け取り禁止!となぜルール化しないのか。その上で、それでも受け取ったら詐欺にあたる、懲戒処分になると宣言すればいいだけなのに、これも各自に任せるといういつもの無責任政治」(橋下徹さん「公務員は受け取り禁止!となぜルール化しないのか」“10万円一律給付”の持論展開に賛否噴出 4/21(火) 12:53配信 中日スポーツ)だの「江川紹子はもっと勉強しろ」(橋下徹氏、江川紹子氏と一律給付の10万円を巡りバトル「江川紹子はもっと勉強しろ」 4/22(水) 19:36配信 スポーツ報知)と吠えていたのは、つい数日前のことです。

多くの人が指摘しているように、公務員と十把一絡げに言っても様々な職種があるわけです。たとえば地域医療の砦は大抵は公立病院ですが、そこの医療スタッフの身分は公務員です。「最前線で頑張っている公務員には特別手当の支給」などと言い訳を付け加えています(橋下徹氏 10万円給付“ルール設定”求める「給料びた一文減らない人、生活保護受給権者」は“必要なし” 4/22(水) 6:35配信 スポニチアネックス)が、それなら最初から「公務員」などとブチ上げなければ宜しい

リスクという観点で言えば、「市役所の窓口職員の方が余程、感染リスクに晒されている」というべきノーリスクな民間勤労者も沢山いるでしょうし、独占的な業界のように、給与減のリスクがほとんどない民間勤労者もいるでしょう。パブリック・サービスの提供者が公務員だという定義に従えば、「公務員はxxだ」というのは、「会社員はxxだ」と言うのと同じくらい雑な物言いです。繰り返しますが、こんな取り繕いをするくらいなら、最初から「公務員」などと十把一絡げにブチ上げなければよいのです。

■幾つかの解釈が可能な事柄を一方的に断定し始める橋下氏
そう思ったら、今度は自己流定義で一方的に断定する挙に出るw
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200424-00010007-chuspo-ent
橋下徹氏が「公務員叩き」の声に猛反論!!「日本の政治は『全国民一致団結しよう』『国民を分断するな』なんていう美談に腰砕けになった」
4/24(金) 8:03配信
中日スポーツ

(中略)
 橋下氏は「もともとこの10万円の給付は、生活に困っている人への緊急補償。だけど事前に全国民の収入状況・生活状況を確認することは時間がかかるので、スピード重視で全国民(全世帯)に申請書を一律配布しただけ」と断言。さらに「一部の業種の人たちには生活を奪う営業停止を強力にお願いする。それなら、なんで生活に困っていない人に10万円は受け取るな、くらいのお願いができないの。日本の政治は『全国民一致団結しよう』『国民を分断するな』なんていう美談に腰砕けになった」と一刀両断した。
(以下略)
今回の「10万円」の支給対象を巡る議論の混乱は、「10万円」の位置づけが曖昧で、皆がそれぞれ自分勝手に定義づけてそれを前提に主張しているのが原因の一つであるとも言えるでしょうが、その曖昧さを奇貨として、幾つかの可能な解釈のうち特定の解釈を採用して一方的に「これが正しい」とまくし立てるのは、維新及び橋下氏の典型的手口です。とくに進退窮まったときの打開策になっているように見受けられます。

ある人は「10万円」を福祉政策として位置づけ、別の人は経済政策として位置づけ、また別の人は「国難に立ち向かう連帯の象徴」と位置付けています。「困難な時期における報奨金」扱いをしている人までいます。福祉政策として位置づけている人にしてみれば、公務員に10万円は不要ということになるでしょう。しかし、経済政策や連帯の象徴として位置付けている人にしてみれば、等しく10万円を支給すべきとなります。報奨金だとすれば、官民を問わずほとんどの事務員は対象外でしょう。

「10万円」の位置づけが政府公式として整理され切っておらず(だって、世論の反発と公明党の強硬姿勢を受けた安倍首相が慌てて変節しただけだから・・・)、ただ「一律10万円」だけが一人歩きしていることが、こうした議論の混乱を招いているものとも思われます。しかし、繰り返しになりますが、幾つかの可能な解釈のうち特定の解釈を勝手に採用して一方的に「これが正しい」とまくし立てるのは、進退窮まったときの維新及び橋下氏の典型的手口。湯崎・広島県知事が予想以上に激しく袋叩きにあい、湯崎知事を弁護する言説が乏しかったのに動揺している様が見て取れます。お得意の「勉強しろ」でマウントを取るのではなく「腰砕けになった」などと吐き捨てているあたり、多勢に無勢なのを悟ったのでしょう。

■事実を突きつけられた「裸の王様」が逃亡を図る
橋下氏は、依然として公務員叩きが世論のトレンドだと読み違えていたのでしょう。しかし、「敬遠」されていただけで、橋下流公務員叩きに異論を持っていた人は少なくなかったわけです。まさしく「裸の王様」というべきです。

公務員叩き以外には何も持っていない橋下氏が持論を撤回・改心するはずがない(撤回・改心したら何も残らないw)し、進退窮まっていることが鮮明に表れている一方的な断定の言が出てきたあたり、この取り繕いはあくまでも「逃げ」であることは間違いないでしょう。
posted by 管理者 at 23:56| Comment(0) | 時事 | 更新情報をチェックする
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