東京都知事選 現職の小池百合子氏 2回目の当選都知事選について。ネット上では大盛り上がりだった山本太郎候補が惨敗。「東京に地盤のない大阪の地域政党が送り込んできた落下傘候補」(維新系無所属・小野泰輔候補)と大差ない票数しか得られませんでした。もちろん、現職・小池百合子候補の足元にも及びませんでした。
2020年7月6日 3時01分
過去最多の22人が立候補した東京都知事選挙は、現職の小池百合子氏(67)が、2回目の当選を果たしました。
東京都知事選挙の結果です。
▼小池百合子、無所属、現。当選。366万1371票。
▼宇都宮健児、無所属、新。84万4151票。
▼山本太郎、れいわ新選組、新。65万7277票。
▼小野泰輔、無所属、新。61万2530票。
▼桜井誠、諸派、新。17万8784票。
▼立花孝志、諸派、新。4万3912票。
▼七海ひろこ、諸派、新。2万2003票。
▼後藤輝樹、諸派、新。2万1997票。
▼澤紫臣、無所属、新。2万738票。
▼西本誠、諸派、新。1万1887票。
▼込山洋、無所属、新。1万935票。
▼平塚正幸、諸派、新。8997票。
▼服部修、諸派、新。5453票。
▼齊藤健一郎、諸派、新。5114票。
▼市川浩司、諸派、新。4760票。
▼内藤久遠、無所属、新。4145票。
▼関口安弘、無所属、新。4097票。
▼竹本秀之、無所属、新。3997票。
▼石井均、無所属、新。3356票。
▼長澤育弘、無所属、新。2955票。
▼押越清悦、無所属、新。2708票。
▼牛尾和恵、無所属、新。1510票。
(以下略)
ネット上での盛り上がり傾向と実際の得票傾向はまったく異なる・・・この展開、13年前の2007年東京都知事選挙を思い出します。
当時は民主党が勢いをつけつつある時期で、民主党・社民党推薦の浅野史郎候補がネット上の左派・リベラル派に強く推されていました。当時はブログ全盛期だったので、多くの左派・リベラル派が著名なトラックバックリストに自らの執筆した記事のトラックバックを送信していましたが、あのトラックバックリストを見る限りは、浅野候補熱は尋常ではなかったことは確かでした。「ひょっとすると石原都政を打倒できるのでは・・・?」と勘違いしそうになるほどの「熱量」でした。
しかし、実際に蓋を開けてみれば、浅野候補の得票数は、同じく「反石原」の旗幟鮮明だった吉田万三候補(共産系無所属)の得票数を足しても石原候補の得票数に遠く及ばない結果に終わりました。
冷静に振り返ってみれば、当時リアル世界では浅野候補熱はまるで盛り上がっていなかったので、石原候補の完勝は当然の結果ではありました。しかし、それにしてもネット上の「熱量」と実際の「熱量」の違いは著しいものでした。「同じ世界に対する情勢分析が、ここまで違うものになるのだろうか」と驚きを禁じ得ないものでした。ネット世論が如何に現実世論から遊離しているのかが明々白々に示されたものでした。
今回の山本候補熱も、Twitter上のトレンド等を見る限りは、かなり盛り上がっていました。しかし、蓋を開けてみれば落下傘候補・維新系無所属の小野候補と大差ない結果・・・「2007年の再現」という印象を禁じ得ません。今回もまた、ネット世論と現実世論との乖離を示しているのではないでしょうか。
「東京に地盤のない大阪の地域政党が送り込んできた落下傘候補」だった維新系無所属・小野泰輔候補について。
候補者本人の知名度云々を敗因にする言説もあるようですが、よほど顕著な実績がない限りは、新人候補者には知名度がないので、支持・推薦する政党等のネームバリューがモノをいいます。いまでこそ個人として知名度と人気を持っている吉村洋文・大阪府知事だって、はじめは「維新だから」当選したわけです。また、都知事選挙においては、「宮崎県の元知事」(東国原英夫氏)でさえダメだったのだから、「熊本県の元『副』知事」の肩書ではますます勝機は乏しかったでしょう。
その点、山本候補とドングリの背比べを展開した小野候補の得票は、すなわち、東京における維新に対する支持そのものであると言えるでしょう。
落下傘候補の「維新系無所属」小野候補と同程度しか得票できなかった東京を地盤とする「れいわ」山本候補がヤバいのか、どうしても胡散臭さを払拭できない「れいわ」山本候補と同程度しか得票できなかった「維新系無所属」小野候補がヤバいのか・・・どちらでもあるとも言えそうです。
ラベル:政治