2020/11/28 ドキュメンタリーダチョウ肉といえば、かつてキム・ジョンイル総書記も注目した食材です。昨年にはピョンヤンにダチョウ牧場が開設されました(「平壌ダチョウ牧場、観光振興にも一役」)。
食料不足を救う? 「毎日食べても飽きない」ダチョウ肉に挑む
大小田直貴
ドキュメンタリー監督
日本では馴染みが薄いダチョウ肉。実は、牛、豚、鶏に比べて少ない穀物で同じ量の肉が得られるサステナブルな食肉だ。もっとダチョウ肉を広めたいと、会社を退職し、貯金を取り崩して牧場を開いた男性がいる。「地球に対して持続可能性の高い畜産業で、しかもお肉がすごくおいしい。今やるべきはダチョウだと思った」。挑戦の日々を取材した。
昨年、故郷の茨城県筑西市にダチョウ牧場を開き、飼育に勤しむ「ダチョウの伝道師」こと加藤貴之さん(33歳)。今年6月、雛10羽を仕入れ、約10カ月育てた後に出荷する予定だ。加藤さんは言う。
「ダチョウ肉は、毎日食べても飽きない。クセがなく、赤身のうま味が楽しめるため、脂のしつこい肉が苦手な人には最高の食材です」
日本オーストリッチ(ダチョウ)協議会の田中俊之事務局長も、こう解説する。
「ダチョウは少ない粗食でしっかり育つということが特徴。少ないエサで多くの肉を取ることができるのは、サステナビリティという点で大きなメリットです」
1kgの牛肉を得るためには11kgのエサが必要だ。豚は6kg、鶏は4kgと続く。しかし、ダチョウなら3kgで育つ。
その秘密は腸にある。ダチョウの腸は消化能力が高く、餌に含まれる栄養を効率よく吸収できるのだ。そのため、フンはハエがとまらないといわれるほど匂いが少なく、量も少ない。それが掃除する手間を減らし、飼育のしやすさにもつながっている。環境への適応能力も高く、日本では北海道から沖縄まで飼育されている。
加藤さんがダチョウ肉に目覚めたのは、2011年のこと。東日本大震災後、加藤さんは福島県南相馬市にボランティアに向かった。津波で一変した街を見て、「自然には勝てない。これからは自然と共存する生き方が求められるんじゃないか」と感じた。そんな時、知人づてに紹介されたのがダチョウ肉だ。
「地球に対して持続可能性の高い畜産業で、しかもお肉がすごくおいしい。今やるべきはダチョウだと思った」
(以下略)
もう15年以上の話だったと記憶していますが、『朝鮮新報』だったかで初めて共和国におけるダチョウ飼育導入について聞いたとき、「費用対効果が高いとはいえ、ジャガイモ革命にダチョウ革命ですか・・・まあ、朝鮮労働党がそう決めたなら・・・」と思ったもの。しかし、実は10年も20年も先進的な考え方だったんですね!
ラベル:共和国