金正恩総書記が朝鮮人民革命軍創建90周年慶祝閲兵式で演説を行う朝鮮人民革命軍創建90周年慶祝閲兵式でのキム・ジョンウン元帥様演説。2点注目したいと思います。
【平壌4月26日発朝鮮中央通信】敬愛する金正恩総書記は、チュチェ111(2022)年4月25日、朝鮮人民革命軍創建90周年慶祝閲兵式で演説を行った。
その全文は、次の通り。
(中略)
人民軍内の全ての党組織と政治機関は思想革命に引き続き力を入れ、軍人大衆の革命思想の培養、精神力の培養に総力を集中しなければなりません。
思想と信念の強兵を育成することを最優先し、全ての将兵をひたすら党中央の革命思想と意志通りに戦い、徹底した階級意識と不屈の戦闘精神を体質化し、党中央が定めた標的の中心から寸分の狂いもなく、たった一度の不発も知らない思想的近衛兵に育て上げなければなりません。
また、人民軍の戦闘力を非常に向上させるための軍事・技術強兵化を強力に推し進めなければなりません。
世界の軍事力の発展趨勢と急変する今の戦争の様相は、われわれの軍隊を軍事・技術的により速く近代化することを求めています。
軍近代化のスローガンを高く掲げて、人民軍を高度の軍事・技術力を備えた強兵に強化・発展させることに全力を尽くさなければなりません。
軍事人材育成システムの近代化を推し進めて、各級の軍種・兵種部隊を巧みに指揮・統率できる有能な指揮官をより多く育成し、作戦・戦闘訓練の近代化の水準を高めて、全軍の全ての部隊、区分隊をいかなる戦闘任務をも円滑に遂行できるように育て上げなければなりません。
国防科学部門と軍需工業部門では新世代先端武装装備を引き続き開発し、実戦配備して人民軍の軍事的威力を絶えず向上させなければなりません。
特に国力の象徴であり、われわれの軍事力の基本をなす核戦力を質と量の両面から強化して、いかなる戦争状況の下でそれぞれの作戦の目的や任務に従って、さまざまな手段をもって核戦闘能力を発揮できるようにすべきです。
現情勢は、共和国武力の現代性と軍事・技術的強勢を恒久的に確実に保証するためのより積極的な措置を講じることを促しています。
われわれは、激変する政治・軍事情勢と今後のあらゆる危機に備えて、われわれが揺るぎなく歩んできた自衛的かつ近代的な武力建設の道をより速く、より力強く進むでしょうし、特にわが国家が保有している核戦力を最大の速度で一層強化・発展させるための措置を引き続き講じていくでしょう。
われわれの核戦力の基本的使命は戦争を抑止することですが、この地でわれわれが決して望まない状況が醸成される場合にまで、われわれの核が戦争防止という一つの使命にだけ束縛されているわけにはいきません。
いかなる勢力であれ、わが国家の根本的利益を侵奪しようとするならば、われわれの核戦力は意外なその第二の使命を断固果たさざるを得ないでしょう。
共和国の核戦力は、いつでもその責任ある使命と特有の抑止力を稼動できるように徹底的に準備していなければなりません。
同志の皆さん、人民軍の将兵諸君!
今、われわれの武力はどんな戦いにも自信を持って対応できる準備を整えています。
いかなる勢力でも朝鮮民主主義人民共和国との軍事対決を企図するならば、彼らは掃滅されるでしょう。
英雄的な朝鮮人民軍を中核とする朝鮮民主主義人民共和国の全ての武力は、常に自己の偉業に対する確信を持ち、自信に満ちてあらゆる挑戦に立ち向かって勇敢に突き進むべきであり、人民の安寧と尊厳、幸福を守る聖なる使命を忠実に果たし、無敵の軍事的強勢を堅持してわれわれの社会主義の発展をしっかり保証しなければなりません。
共和国武力の将兵諸君!
皆さんの胸に革命烈士の熱い血と貴い精神が力強く脈打ち、革命武力が朝鮮労働党の思想と意志、わが国家と人民の力の体現者として常に革命の陣頭に立っている限り、朝鮮式社会主義の偉業は今後も永遠に必勝不敗でしょう。
朝鮮人民軍と全ての共和国武力の指揮官・兵士諸君!
偉大なわが人民の安寧と幸福のために、
偉大なわが国家の無限の栄光と勝利のために力強く闘っていきましょう。
偉大なわれわれの革命的武力万歳!
偉大なわが祖国―朝鮮民主主義人民共和国万歳!
まず、「思想と信念の強兵を育成することを最優先し、全ての将兵をひたすら党中央の革命思想と意志通りに戦い、徹底した階級意識と不屈の戦闘精神を体質化し、党中央が定めた標的の中心から寸分の狂いもなく、たった一度の不発も知らない思想的近衛兵に育て上げなければなりません。また、人民軍の戦闘力を非常に向上させるための軍事・技術強兵化を強力に推し進めなければなりません。」というご指摘に注目したいと思います。
人間存在が客観的条件に規定される側面と人間存在自身が客観的条件を変革してゆく側面をバランスよく考慮をしコンパクトに表現された金言的ご指摘です。竹槍でB29を撃ち落とすわけではなく念仏で平和を保持するわけでもないビジョン。客観条件決定論でもなく精神論でもないビジョン。これぞ主体的唯物論というべき端的なご指摘です。
また、「いかなる勢力であれ、わが国家の根本的利益を侵奪しようとするならば、われわれの核戦力は意外なその第二の使命を断固果たさざるを得ないでしょう」という指摘にも注目せざるを得ないでしょう。
西側の連中はこのことを「先制攻撃論」などと曲解し騒ぎ立てつつ「敵基地攻撃能力」改め「反撃能力」と称して自らの帝国主義的な攻撃武力保持を正当化しそうなところですが、元帥様の「わが国家の根本的利益を侵奪」というくだりに明らかであるとおり、共和国は一貫して「体制の防衛・維持」を目的としています。共和国にとっての「わが国家の根本的利益」とは朝鮮労働党体制の維持以外の何物でもありません。レーニンが『帝国主義論』で明らかにし、キム・ジョンイル総書記が『反帝闘争の旗を高くかかげ、社会主義・共産主義の道を力強く前進しよう』でアップデートしたとおり、帝国主義は常にフロンティアを探し続けなければならず、それは膨張主義的になりがちのものであることと対照的です。
ところで閲兵式の軍人行進。以前と比べるにガチョウ足行進の度合いがそれほどでもなくなってきたように思います。印象としては、かつてはレーニン廟衛兵レベルのガチョウ足更新であったところ、中国人民解放軍レベルのガチョウ足になってきたように思われます。この意図やどこに?