2022年07月11日

日本政治の停滞の時代

https://news.yahoo.co.jp/articles/1636c5fefeb665a7e8123852eadde359f22a6b3f
国民民主党、実は人気を伸ばしていた?自民・公明は微減、立民は大幅マイナス...参院選「党派別得票率」を見る
7/11(月) 12:44配信
ハフポスト日本版

参議院議員選挙は7月10日に投開票され、憲法改正に前向きな自民・公明・維新・国民の4政党の議席が全体の3分の2を超える177議席に到達。与党勝利が大々的に伝えられる結果となった。

一方で、2021年10月31日に実施された衆議院議員選挙と、今回の参院選で、政党や政治団体などに票を投じる比例代表の得票を見ていくと、違った傾向も見えてくる。

(以下略)
だーかーらー、政権選択選挙である衆議院選挙と、そうではない参議院選挙を単純比較しちゃいけないっての! 政権選択選挙であるか否かによって有権者の投票意識・投票行動は変わり得るのだから! もし、衆議院選挙の得票率と参議院選挙の得票率とを比較するのならば、その質的差異を補正するウェイト付けが必要なの! 異なる投票率の選挙どうしの得票数比較で前進後退を論ずる一昔前の日本共産党よりはマシですが、依然として統計学の初歩も理解していない酷い記事です。

というわけで、今回参議院選挙の各党比例得票率と前回参議院選挙の各党比例得票率との比較で記事を書き換えると次のようになるでしょう。なお、今回参議院選挙の各党比例得票率は上掲記事から、前回参議院選挙の各党比例得票率はウィキペディア記載からです。前者が得票率の小数点第2位を四捨五入しているので、それにならって後者記述も小数点第2位を四捨五入します。

自由民主党
2019参院選:35.4%
2022参院選:34.4%
増減:マイナス1.0%

公明党
2019参院選:13.1%
2022参院選:11.7%
増減:マイナス1.4%

立憲民主党
2019参院選:15.8%
2022参院選:12.8%
増減:マイナス3.0%

日本維新の会
2019参院選:9.8%
2022参院選:14.8%
増減:プラス5%

日本共産党
2019参院選:9.0%
2022参院選:6.8%
増減:マイナス2.2%

国民民主党
2019参院選:7.0%
2022参院選:6.0%
増減:マイナス1.0%

れいわ新選組
2019参院選:4.6%
2022参院選:4.4%
増減:マイナス0.2%

参政党
2019参院選:-(擁立せず)
2022参院選:3.3%
増減:比較不可

社民党
2019参院選:2.1%
2022参院選:2.4%
増減:プラス0.3%

NHK党
2019参院選:2.0%
2022参院選:2.4%
増減:プラス0.4%

つまるところ、自民・公明・立憲・共産及び国民民主党といった既成政党が減らしつつも維新・参政・NHKといった新興勢力、および何故か社民が前進しているわけです。左右の区分で言えば、自民・公明及び国民民主党の減少分ブラスアルファを維新が吸収し、れいわの減少分がほぼ社民党に移ったと言えるでしょう。日本共産党の比例得票率マイナス2.2%は左翼陣営で吸収しきれるものではないので、総体的には左翼陣営の後退と言い得るでしょうが、そうはいってもマイナス2.2%。総体的に見てそれほど大きな変動であるとは言えなさそうです。左右陣営内部での票の左右にとどまり、陣営を跨いだ「転向票」はそれほど多いとは言えなさそうです。

ウクライナ情勢も安倍氏追悼もほぼ無関係。新自由主義的な維新が躍進するわけでも化石左翼政党が壊滅するわけでもなかった今回の参議院選挙。停滞の時代です。
ラベル:メディア 政治
posted by 管理者 at 20:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | 更新情報をチェックする
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