2022年07月26日

敵が悪いのは当たり前

https://news.yahoo.co.jp/articles/d30ae2df09ce3674c6f36b14c96855047036a8c3
ゼレンスキー氏、失地回復なしの停戦応じず
7/23(土) 8:52配信
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版

 【キーウ(キエフ)】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は22日、ロシアが2月の侵攻後に占領したウクライナ領土を支配し続ける形での停戦はさらなる紛争拡大を招き、ロシアに次の作戦に向けて軍の立て直しを図る絶好の機会を与えることになると危機感を示した。首都キーウの大統領府でウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューに応じた。

(以下略)
開戦以来ゼレンスキー・ウクライナ大統領の発言は頻繁に報じられてきましたが、彼の勇ましい発言は、政治家・最高指導者としては異例的に、「現実的可能性に基づいている」というよりも「自分自身の願望に基づいている」ように見受けられます。私自身「大統領がそう言うからには、そうなる段取りが確立して実現する見通しが立ったのだろう」と思わされてきたことが幾度あったことか。「6月にウクライナ軍の反撃大攻勢がある」説に至っては、「大山鳴動して鼠一匹」どころか「大山鳴動して何も起こらず」に終わりました。

そして彼が失地回復なしの停戦に応じないなどと「大義」に照らして述べている間にもロシア軍の攻撃によりウクライナの軍民、とりわけ民間人は死傷を続けていますが、これについてゼレンスキー氏といえば「ロシアがテロ国家であることがますます明らかになった」といった調子で非難する様子ばかりが報じられています。。

たしかに民間人を標的にしていると言わざるを得ない攻撃を仕掛けた時点で「ロシアはテロ国家である」とは言えるでしょう。しかし、テロリストから自国民を守ることは為政者の義務であるはず。「ロシアがテロ行為を続けているという現実の前にゼレンスキー政権は一体何をしているのか」という疑問が湧いてこざるを得ません。

もっとも、我々日本に住む者はゼレンスキー氏の発言すべてを完全に確認しているわけではありません。開戦当初はトップニュースで報じていたNHKの「ニュース7」や「ニュースウォッチ9」がウクライナ情勢に割く時間は激減しています。勇ましい発言部分・ロシア非難部分だけを「切り取って」報じている可能性は十分にあります。

ロシア軍の攻撃によってウクライナ人の生活は破壊され続けています。ここにおいてウクライナの大統領が「失地回復」ばかりに注目しているようであれば、国内から不満が噴出してしまうでしょう。そう考えると、まったく裏取りはしていませんが、おそらくゼレンスキー大統領の発言は日本メディアの手によって「切り取られている」ものと思われます。

そう考えると、おそらく編集され切り取られたゼレンスキー氏の勇ましい発言部分を真に受け、「そうだ失地回復だ!」などと賞賛する日本世論。民間人の被害は「ロシアが悪い!」で終わらせている日本世論。まったくおめでたいことこの上ありません。

以前にも述べたとおり、「今日のウクライナ有事は、明日の台湾・沖縄有事」であるという指摘はある意味で正しいと私は考えています。台湾・沖縄有事において展開されるであろうプロパガンダの基本的枠組みが、今日のウクライナ報道で既に見られているからです。「大義」を優先し、それによって発生する国民生活の被害は「敵が悪い」と述べるにとどまる・・・「敵が悪いのは当たり前。日本国民を守る責務は日本政府にある」という基本原理に見向きもしないという「未来」が見えてきます
posted by 管理者 at 05:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | 更新情報をチェックする
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