アムネスティがウクライナ軍の戦術非難の報告書「一般市民を危険にさらしている」 ゼレンスキー大統領は強く反発「侵略者から被害者に責任を負わせようとしている」https://news.yahoo.co.jp/articles/cb9f8f100186f02d988c2c5960297a0ad1f7f5ee
8/5(金) 15:22配信
日テレNEWS
国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルは4日、ロシア軍に反撃するウクライナ軍の戦術について、国際人道法に違反するとして非難する報告書を公表しました。
アムネスティ・インターナショナルが公表した報告書では、ロシアによる侵攻に反撃するウクライナ軍が、学校や病院を含む住宅地で基地を設置するなどし「一般市民を危険にさらしている」として非難しました。アニエス・カラマール事務総長は「防衛的な立場にあるからといって、ウクライナ軍が国際人道法の尊重を免れることはない」と指摘しています。
ウクライナ ゼレンスキー大統領「残念なことに、この報告書はテロ国家に恩赦を与え、侵略者から被害者に責任を負わせようとしている」
ウクライナのゼレンスキー大統領は、日本時間5日朝に公表したビデオ声明でこのように述べ、「ロシアによるウクライナへの攻撃が正当化されるようなことはあり得ない」と強く反発しました。
最終更新:8/5(金) 15:22
日テレNEWS
アムネスティ現地代表辞任 「ロシア利する」報告書に抗議 ウクライナポカルチュク氏がいう「侵略される国に住んでいなければ、防衛軍をとがめることがどういうことか理解できない」という主張は、人権団体幹部の物言いとは思えない開き直り以外の何物でもありませんが、現実的な言い分でもあります。もとより戦争とは「殺し合い」なのだから、ここにおいてどちらかが絶対的に邪悪であり、どちらかが清廉潔白であるということはあり得ないことです。
8/6(土) 21:12配信
時事通信
【キーウ(キエフ)AFP時事】国際人権団体アムネスティ・インターナショナルのウクライナ事務所代表オクサナ・ポカルチュク氏は5日、代表を辞任したと明らかにした。
(中略)
ポカルチュク氏は、報告書について「結果的にロシアの作り話を支持し、ロシアの宣伝の道具になった」と非難。「侵略される国に住んでいなければ、防衛軍をとがめることがどういうことか理解できないだろう」と訴えた。
これに対し、アムネスティのカラマール事務総長は「人口密集地で市民を巻き込む作戦をウクライナ軍が行っていると立証した」と反論。「防衛する側だからと言って、国際的な人権法の例外扱いされることはない」と指摘した。
最終更新:8/8(月) 12:32
時事通信
いっそキーウ政権は「これが戦争の現実なんだ!」を貫けばよかったところ、ポカルチュク氏自身「ロシアの宣伝の道具になった」とも口走ってしまいました。そしてよりにもよって御大・ゼレンスキー大統領に至っては「ロシアによるウクライナへの攻撃が正当化される」なる斜め上のアクロバティックな「批判」を展開してしまいました。ポカルチュク氏の蛇足発言はまだしも、ゼレンスキー大統領の言い分は、いったい何をどう解釈するとそういう結論に至るのか、その理屈がまったく理解困難であると言わざるを得ません。
この程度の報告書の内容でどうしてロシア軍の行為が相対化されて弱められるというのでしょうか。「「人口密集地で市民を巻き込む作戦をウクライナ軍が行っている」ことは確かに大問題ですが、だからといってブチャ事件が免罪されるわけがありません。依然としてロシアの「巨悪」性は何ら揺らいではいません。
およそ現実味のない「絶対正義vs絶対悪」という白昼夢的な対決構図を描き出し、すべての事象をその型に押し込める発想の持ち主でなければ、こんな反応を見せるはずがありません。
「問うに落ちず語るに落ちる」とは正にこのことを言うものと思われます。結局キーウ政権は、プロパガンダの展開で頭がいっぱいだということを大統領自ら、その奇妙な論理展開によって告白したわけです。「これが戦争の現実なんだ!」と開き直っておけばまだよかったものを、蛇足的な過剰反応によって「キーウ政権とその軍隊は、国際人道法を軽視しているのみならず、プロパガンダ合戦のためならば現実を捻じ曲げて隠蔽することを厭わない」ことを自ら証明してしまいました。
これが日本世論が「祖国防衛の大義に沿って挙国一致で徹底抗戦するウクライナ」のもう一つの側面であることを我々はよく理解しておく必要があります。
キーウ政権の「違った一面」は早い段階から指摘されてきたところです。たとえば、陸上自衛隊元西部方面総監の小川清史氏は5月の段階で「ウクライナも、ロシアを見くびっていたところが多少あったと思います。でなければ、民間の人達をあれだけ・・・攻撃された市街地にまた戻ってきて瓦礫を片づけたり、国民保護を一体どうしているのかという点でちょっと疑問な部分はある」と指摘していました(「自衛隊の元空将と元陸将が分析「ロシア軍はなぜ苦戦するのか?」」5/3(火) 11:14 堀潤 ジャーナリスト)。一ジャーナリストの堀氏が個人的に経営しているニュースサイトにおいてさえ、5月の段階でこのように察知できていたのだから、日本政府などはもっと早くからキーウ政権の「違った一面」を察知していたはずです。しかし、たとえばNHKニュースをはじめとする国策報道機関は、「祖国防衛の大義に沿って挙国一致で徹底抗戦するウクライナ」と持て囃してきました。キーウ政権の蛇足的な過剰反応は、キーウ政権の「違った一面」を暴露したのみならず、日本政府の魂胆をも暴露したものと言えるでしょう。もっと言ってしまえば、「これこそが国家権力というものだ」とも言えるかもしれません。
これに対するアムネスティの追加反応。流石はアムネスティ。権力に媚びません。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3c2373482b8ff7c47f0f73f4be360df1e13c0060
アムネスティ、ウクライナ批判の報告書で遺憾の意思い起こすと、日本公安調査庁が、過去に発表した「国際テロリズム要覧」における「ネオナチ組織がアゾフ大隊を結成した」という記述を、開戦から1か月以上もたってからコッソリ削除したところ、それをロシア政府に察知されオオゴトに発展したことがありました(「日本の公安調査庁「アゾフ大隊はネオナチ」記載削除の赤っ恥 “鵜呑み誤報”にロシア猛批判」2022/04/19 日刊ゲンダイ)。「アゾフはネオナチ」が間違っていたならば公調の情報収集能力が疑われるし、政治的理由によって表現を引っ込めたことをよりにもよってロシア政府に察知されてしまったならば、それはそれで公調の対応が問題視されます。
8/8(月) 11:53配信
AFP=時事
【AFP=時事】国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は7日、ウクライナ軍が国際法を軽視し市民をロシアの攻撃にさらしているとする自らの報告について、「われわれの報道発表がもたらした苦痛と怒りを深く遺憾に思う」と表明した。
アムネスティは「自らの調査結果を完全に堅持する」としながらも、「報告書に記されたウクライナ軍のいかなる行動も、ロシア軍の暴力行為を正当化するものではない」と強調した。
(以下略)
右往左往して大恥をかいた公調と比べると、アムネスティの気骨ある対応は尊敬に値するものです。
米紙ワシントン・ポスト電子版は12日、ロシアが制圧したウクライナ南部ヘルソン州で、ウクライナ軍の奪還作戦が失速していると報じた。ウクライナ軍関係者は、現状では兵器が足りず全面的な反撃は不可能だと指摘。欧米の追加軍事支援が必要だと述べた。
(引用終わり)
勿論こうした報道は「あえて苦戦を誇張すること」で「欧米からの軍事支援強化をせしめる」「ヘルソン州のロシア軍を油断させる」といった可能性もあり得るので「安易に事実扱いはできない」でしょう。いずれにせよ「短期で決着する、ロシアはすぐに負ける」という情報戦をウクライナやNATOが「やる気がない」ことは確かでしょう。
勿論「こうした報道が事実」であり「短期で決着する、ロシアはすぐに負ける」が「明らかに事実に反するのでそうした宣伝をやりたくてもやれない」可能性も当然あります。
ニュース番組『ABEMA Prime』に出演した防衛研究所主任研究官の山添博史氏は「レポートでは『ロシアも悪い』と書かれているが、ウクライナの問題点も述べている。実際に市街戦が行われているような都市では、使われていない学校や病院などを拠点にウクライナ軍が活動している。レポートは『これは問題があるのでは?』という指摘だ。国際法に詳しい人の見方では、学校は夏季休暇中で『民間施設そのものではない』といった指摘もある。合理性があって、一概に『民間施設の軍事利用で違法行為だ』とは言えない」と説明する。
ジョージタウン大修士課程在学中で戦略コンサルタント時代は防衛・安保を担当した佐々木れな氏は「そもそもこの報告が事実かどうか怪しい」と話す。
「この報告書を書いたドナテラ・ロベラ氏は『軍に民間の避難支援や戦闘地域を離れるように勧めたが無視した』と批判しているが、一方で報告書を読んだ人から『自分の主張に沿った話しか取り上げていない』といった声もある。そもそも報告書を書いた人が、要は“人権ドン”みたいな人で、若干問題があったのではないか」
「アムネスティ・インターナショナルが客観的であろうとするあまり、侵略者と侵略された者、要は侵略者と被害者を同列に扱ってしまって、誤った等価性みたいなものを作ってしまったのが今回の原因なのかなと思っている」
ネット掲示板『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏は「事実として民間施設の軍事利用があったときに、それが良いか悪いか、価値判断までアムネスティが持ち込んじゃったことが僕はよくないと思う」という。
これらを踏まえて、司会のテレビ朝日・平石アナウンサーが「大きな悪の中に小さな悪が存在する可能性もある」とコメント。「小さな悪だといって目をつぶっていいわけではない」と述べた。
(引用終わり)
露骨にウクライナをかばおうとする連中がゴロゴロいる辺り今の日本を象徴している気がします。
「夏季休暇だから学校を軍事利用して何が悪い(防衛研究所主任研究官の山添氏)」てのは「何だかなあ」ですね。
「防衛省の人間がそれ言うか?」「つまり日本でも夏季休暇中なら、ウクライナのような状況(まあ日本ではあり得ませんが)において自衛隊が学校を軍事利用して何も問題ないんですか?」「法的な問題はともかく政治的にはまずいんじゃねえの?」と聞きたくなります。
まあ、平石アナのコメントがせめてもの救いでしょうか。
コメントありがとうございます。
アムネスティの件で、キーウ政権はプロパガンダ展開で頭がいっぱいであることが十分過ぎるくらいに分かったので、こういったニュースにはいちいち反応しない方がよいという結論に私は至りました。bogus-simotukareさんがなさっているように、一つのニュース多面的に分析し、考えられ得る限りの可能性を絞り出すことがますます大切になっていると思います。
山添博史氏・佐々木れな氏らのトンデモ言説については、私も察知しておりまして、ぜひとも記事化せねばならないと思っていました。8月21日に記事化し私見を述べました。ぜひご覧いただき追加的にご意見頂戴できればと思います。
https://mainichi.jp/articles/20220823/k00/00m/030/018000c
マキシム・アロシンさん(23)。彼も雇用状況への不満を語った。
「定職を探していますが『若い男性は徴兵の待機リストに載っているから雇用できない』と断られてしまうのです」。
同年代の友人は多くが軍に招集され、すでに2人が戦地で命を落としたという。
この戦争は、いつまで続くのだろう。
「我々は最後の一息、最後の弾薬、最後の一人の兵まで戦い続ける」「自らの家から占領者を追い出すまで屈しない」
ウクライナが「国家の日」と定める7月28日、ゼレンスキー大統領は国民に徹底抗戦を訴えた。
だが、戦いが長引くほど、国内経済は疲弊する。世界銀行は鉄道や道路などインフラの破壊や、国民の多くが国外に避難したことによる消費の落ち込みなどにより、22年の実質経済成長率が前年比マイナス45・1%になると予測する。軍事費の増大も経済の足かせとなっていく。
国家総動員体制が生む重苦しさも人々にのしかかる。政府は侵攻後、18〜60歳の男性を原則、出国禁止にした。徴兵に備えさせるためだ。
しかし、弁護士のアレクサンデル・グミロフさん(42)は「戦争を口実に、無意味に権利が侵害されている。戦場には訓練され、戦う意思のある者が行くべきです。兵士になることだけが、国への貢献ではない」と疑問を呈す。
(引用終わり)
日本でこうしたゼレンスキー批判記事が載るようになったことは興味深いと思います。
コメントありがとうございます。かなり長いことお返事しておらず申し訳ありません。
こういう記事こそが本来のジャーナリズムであるはずです。
依然として戦時プロパガンダ丸出しの記事が溢れかえっていますが、いままで「絶無」だったこの手の記事が出てくるようになったことは注目に値することだと思います。