ウクライナ軍の前進、「ゆっくりだが意味ある」と米高官「ゆっくりだが意味ある前進」とは、まさに「物は言いよう」です。
9/8(木) 6:20配信
ロイター
[ワシントン 7日 ロイター] - 米国のコリン・カール国防次官(政策担当)は7日、ウクライナ軍が戦場で「ゆっくりだが意味ある前進」をしており、現在南部ではロシア軍よりうまくいっていると述べた。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/298bef4d0f247d85a8a8ff2480be276cf284bb12
ウクライナ軍、南部・東部の3集落奪還=ゼレンスキー大統領奪還したという集落にどの程度の戦略的価値があるのかは、具体的な情報がまったく開示されていないので評価不可能ですが、満を持しての反転攻勢である割には、マリウポリ陥落直前の「いやまだ負けていない!」発言や、同じくセベロドネツク陥落直前の「ウクライナ軍が5割奪還!」発言と比べると随分とトーンが低いものです。
9/5(月) 8:50配信
ロイター
[4日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は4日、先週開始した集落奪還作戦が進展し、東部ドネツク州の1つの集落と南部の2つの集落をロシア軍から解放したと明らかにした。東部ルガンスク州リシチャンスクの方向でも作戦が「一定の高み」に達したと述べた。
奪還した地域の詳細には触れなかった。同日の会議で軍司令部や情報機関トップから「良い報告」があったとし、奪還した時期も明らかにしなかった。
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日本世論は総じて「ゆっくり領土奪還」に好意的であるように見受けられます。「ゆっくり」ということは、すなわち「長期化」であり、言い換えれば「泥沼化」ということです。それだけ民間人・非戦闘員=生活者の苦しみは続くということです。
「戦争が長期化すればするほど民間人・非戦闘員=生活者の苦しみが増す」ということに対する言及は、まったくと言ってよいほど見受けられません。「ゆっくりでも良いから着実に領土を奪還し、全土を奪還すべきだ。頑張れウクライナ軍!」といった類の言説が溢れかえっています。
「民間人・非戦闘員=生活者の苦しみが続くとすれば、それはロシアのせいだ!」というコメントさえ見られません。民間人・非戦闘員=生活者の苦しみが忘却されていると言わざるを得ない世論反応です。
戦争がまるでストラテジーゲームのように扱われています。「人間が人間を傷つけ殺す」という戦争の正体が忘却されているのではないかと疑わざるを得ません。
ラベル:「世間」・「世論」