2022年09月16日

「大本営発表」からも情報を「取捨選択」して独自の戦況を描く日本世論、「得たもの」に狂喜乱舞して「そのために費やしたもの」に対する無関心を示す日本世論

最新のウクライナ情勢について。先週半ばから本格化したウクライナ軍の大攻勢を受けて、日本世論は沸いています。この特徴について取りまとめてみたいと思います。

■「大本営発表」からも情報を「取捨選択」して独自の戦況を描く日本世論
まず何といっても、日本世論が戦況を非常に都合よく解釈していることを指摘しなければならないでしょう。ウクライナ政府やウクライナ軍が発表している景気のよい「大本営発表」からも情報を取捨選択して「独自の戦況」を描いているのです。

メディア各社は今回のウクライナ軍の大攻勢について記事を大量生産していますが、さすがにこの半年で学習したのか、情報源を明記するようになっています。戦時下においては熾烈な情報戦が展開されるものです。報道も強力な武器になるわけです。出所不明・真偽不明の情報に飛びついているようではメディアとしての信頼度に関わるということは、マリウポリ陥落2日前まで「ウクライナ軍の反転攻勢・形勢逆転」を連呼していたNHKの醜態が象徴的に示しています。

それを踏まえて注意深く記事を読むと、センセーショナルな見出しの記事の多くがウクライナ政府やウクライナ軍の発表を基にしていることを見て取れるでしょう。しかしながら、記事が情報源を明記しているにもかかわらず、世論はウクライナ政府・ウクライナ軍の「大本営発表」を無警戒・無批判に信じ切っているのです。

そうかと思えば、ヘルソン方面の攻勢について勝手に「陽動」扱いしているという現象が見られます。ウクライナ側が特にそう明言しているという事実はありません。アメリカの「戦争研究所」も「「完全に陽動だったと結論づける根拠はない」としているようです(「ウクライナ軍の奪還地域、6000平方キロ以上 ルガンスク一部解放」9/13(火) 17:05配信 毎日新聞)。「全面的な総攻勢を仕掛けたかったが、上手くいったのはハルキウ方面だけだった」という線は色濃いものです。

このことは、ハルキウ方面が破竹の勢いで大進軍しているのに対してヘルソン方面がそれほどではないという事実を「陽動作戦だから進んでいなくて当然」などと都合よく解釈していることを示しているでしょう(なお、ここ数日、ヘルソン方面でも多少のウクライナ側の「大本営発表」が出てくるようになってきて、「二方面大攻勢だ!」とはしゃぐのもチラホラ出てきています。本当に都合が良すぎます)。

メディアがご親切にも「これは大本営発表です」と教えてくれているのにそれを無警戒・無批判に信じ切るのも問題ですが、当の「大本営」でさえ粉飾し難いヘルソン方面の戦況を都合よく解釈することは大問題です。プロパガンダを超えた世論の暴走・・・先の大戦でもそんなことがありました。

■「士気」ごときで戦力差が10倍にも20倍にもなるはずがない
我らがオメデタイ日本世論は、ハルキウ方面でのウクライナ軍の大攻勢ニュースの中でも特に「ロシアが算を乱して逃げ出した」という報道を痛く気に入っているように見受けられます。ロシア軍が弾薬や装甲車を遺棄して撤退したことを以ってウクライナ側がそのように喧伝しているところですが、この報道を真に受けて、例によって「士気」に言及するコメントが再び盛り返してきています。「攻勢のウクライナ軍、ロシア軍の「8倍」 親ロシア派幹部」(9/13(火) 10:05配信 CNN.co.jp)には、こんなコメントが。
ウクライナ軍の兵士や兵器などの戦力では、8倍かもしれませんが、そこに「士気」を加味すれば戦力の差は10倍にも20倍にも開くのではないでしょうか。
また、ウクライナ軍の兵士には「自分の国は自分で守る」という大義名分がありますが、国連憲章に反して一方的にウクライナに侵攻しているロシア軍にはそれがないことも戦況に否定的な影響を与えているのではないかと思います。
開戦最初期のキーウ防衛成功のころに非常によく見られたものの、その後、マリウポリやセベロドネツクなどの拠点都市の陥落、そしてルハンシク州全土の陥落ですっかり影を潜めていたこの手の言説。この人たちはここしばらく、どんな思いでどこに隠れていたんでしょうか? 久々のご登場です。

「士気」を加味すれば戦力の差は10倍にも20倍」とは典型的な精神論と言わざるを得ないものです。「人間は自主性・創造性・意識性を持つ社会的存在」というチュチェ哲学の人間観から言えば確かに意識性は重要な要素ではありますが、創造力=客観的な現状変革力に欠ける意識は、単なる主観的願望にすぎません。「士気」が高ければ戦力が10倍にも20倍にもなるという物質的な根拠が必要です。意識と創造力との連関を正確に指摘できない状態での意識の強調は、観念論であり精神論です。

素手や刀、鈍器などで戦う原始的な戦闘ならまだしも、高度に組織化・機械化された現代戦において「士気」ごときで戦力差が10倍にも20倍にもなるはずがありません。こういう考え方は、竹槍戦法の現代版以外の何物でもありません。ほんと、すこし調子に乗るとすぐに出てくるんだから・・・

実際のところ、スペインのミリタリーサイト:revistaejercitos.comの「Ukraine War – Day 201」によると、ウクライナ側の「大本営発表」から得られる印象ほどはロシア軍は弾薬や装甲車を遺棄したとは言えないようです。それどころか、本当にロシア軍が潰走していたとすれば、少なくない人数の捕虜を取っているはずのところ、そうした事実は確認できていないようです。たしかに捕虜に関する報道は、ウクライナ側の「大本営発表」からもあまり耳にしません。
https://www.revistaejercitos.com/en/2022/09/12/guerra-de-ucrania-dia-201/
First of all, Izium and Kupiansk were important logistics centers for Russia, so the accumulation of vehicles is normal. In addition, they were areas used for the rest and recovery (R&R) of the units that had fought on other fronts long ago. This means that many vehicles would be in third-echelon maintenance, or would have exhausted their operational life due to abuse and age, etc. Finally, we must also be aware that many Russian vehicles were conceived as expendable material, with a theoretically very short useful life not only of the engines or transmissions -which can be replaced-, but also of the platforms themselves.

That said, yes, it seems that in the north and northeast of Kharkov the Russian Army has left the equivalent of several BTGs in vehicles, but that does not imply an absolute disaster either. In addition, there are still plenty of vehicles in their depots to replace what was lost, the problem being more of general quality than of a lack of numbers. Or put another way: they will be forced to replace outdated vehicles with others that are even older and less well equipped, except for the deliveries that their defense industry can make at this time.

On the other hand, given that one of the great problems of Russia throughout the entire war has been the lack of personnel to carry out operations with guarantees, it is possible that the hasty withdrawal, by saving most of its uniformed , has been successful in at least one sense. It is true that there are videos of Russian prisoners, but they are far from being massive at the moment. Rather, it would be said that these are small units that have been left behind or that for whatever reason were not informed of the decision of the Russian General Staff, taken in extremis when the disaster seemed inevitable.

Regarding ammunition, although we have been able to see in recent days at least four different videos of intact deposits taken by Ukraine, in all cases they were relatively modest. It is true that some images look impressive, but if we take into account how many shells a 152mm howitzer can use in a day and the size of each of the boxes, it is actually not as much as one might think.

One can conclude, to close the issue of the offensive -which is still underway- on Kharkov, by saying that it has been an operational victory for Ukraine, achieving numerous important objectives, always surpassing a Russian Army that was in cadre and lacked of means to face it, but not a complete strategic victory, not having achieved a large purse.
軍用車両や武器などは、それこそ「北朝鮮」から輸入すれば補充できますが、兵員はそうはいきません。今ロシアにとって最も不足していて貴重なのは兵員であるところ、それを比較的よく保持できたということになります。これはウクライナにとっては頭の痛い問題でしょう。

■この大攻勢は要するに「奇襲」
ウクライナ軍のハルキウ方面での大攻勢を、都合よく解釈し独自の戦況を描く我らがオメデタイ日本世論は、「戦争の終わりが見えてきた」「この勢いでロシアを全土から駆逐してくれ」といった具合にはしゃぎ回っています。しかし、この大攻勢は要するに「奇襲」であるとの見方が大方を占めています。イギリスBBCは次のとおり分析しています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a2dfb74e2159e6d4316c6f2b4f7c89f4c4a09f56
【解説】 ウクライナの反撃、「奇襲」で成功 危険も残る
9/13(火) 11:04配信 BBC News

ウクライナは、ここ数日で3000平方キロメートル以上の領土を奪還し、ロシア軍を押し返す大きな成果を上げたと発表した。これほどの成功をなぜ収められたのか。戦争に勝つためにウクライナ軍が今後直面するであろうハードルは何なのか。BBCのジョナサン・ビール防衛担当編集委員が詳しく見ていく。

「ウクライナの奇襲能力を見くびるな」。ある米軍幹部が私にそう言ったのは今年の夏だった。当時、ロシアはドンバス地方で前進を続けていた。

ウクライナの奇襲能力は、この戦争の特徴になっている。ロシアをキーウから撤退させたことに始まり、最近ではクリミアを攻撃した。現在はウクライナ東部で、新たな驚きが生じている。

(中略)
ウクライナの前進の鍵は「奇襲」だ。これと、米英の長距離多連装ロケット砲など西側兵器の賢い利用によって、ロシアの補給線、弾薬庫、司令部を破壊してきた。ロイド・オースティン米国防長官は先週、ウクライナ側の長距離砲が夏の間に、400以上の重要な標的に命中したと述べた。
(中略)
ロシアに不意打ちを食らわせたのは明らかだ。この数カ月、ロシアは南部の防衛を強化するため、東部の軍を振り向けている。その結果、どちらの前線も弱体化している。

しかし、ウクライナは南部での前進に苦労している。見通しのよい田園地帯で戦わねばならず、敵に見つかりやすい。ロシア側の防衛軍に打ち勝つには、より多くの兵力と火力が必要だ。

現在のウクライナにとっての危険は、戦争初期にロシアが直面したものと似ているかもしれない。複数の戦線で前進しようとすれば、弾薬、装備、兵力に犠牲が出る。戦果を上げるほど補給線は長くなり、防衛する側に狙われる。最も深く進軍した部隊が、相手に包囲される危険性もある。

楽観的な見方が出る一方で、ウクライナのオレクシイ・レズニコフ国防相は東部のウクライナ軍について、ロシアの反撃に弱いかもしれないと警告している。領土を確保するだけでは不十分だ。地盤を固めなければならない。現地住民の支持を得られれば、それは容易かもしれない。

(中略)
ウクライナは今、世界にシグナルを送っている。この戦争に勝てると本気で信じているのだ、というシグナルだ。ウクライナはすでに、一連の成果を強調して、西側にさらなる兵器供与を訴えている。攻勢は重要な時期に行われている。冬になれば戦闘は困難になり、西側諸国の意志が試される。今はその直前だ。戦争はまだ終わっていない。ウクライナは改めて、形勢をひっくり返して世界を驚かすことができるとアピールしている。
いくらロシアの戦争指導が稚拙だとしても、これからもロシアを出し抜いて奇襲を成功させ続けることは困難でしょう。奇襲が成功したハルキウ方面での大勝利と、ロシアもそれなりに備えてきたヘルソン方面での苦戦は、ウクライナ軍の現実的な戦闘能力を示しているものと思われます。

この攻勢は、ウクライナが一矢報いたとは言えるでしょうが、「この勢いでロシアを全土から駆逐してくれ」というのは無理な要求であると思われます。

記事中「西側諸国の意志が試される」というくだりがあります。そこがカギになることについて私はまったく異論がありません。そのとおりだと思います。それだけに、西側諸国の意志の動向を報じないことには戦争報道にはならないと考えます。この点、日本では小泉悠氏らの分析をよく目にしますが、その多くは結局のところ「西側の武器支援があればウクライナ軍は・・・」というタラレバの話ばかり。軍事専門家は政治専門家ではないので現状においてタラレバになってしまうのは無理もないとは思いますが、そうであるからこそメディアは政治専門家の見解をプラスして記事を総合的に仕上げる必要があるはずです。しかしそうはなっていません。そういうセンスがないのでしょうか、それとも、そのように記事構成をしようとすると何か不都合な結論が見えてくるのでしょうか・・・

■ロシアにしては損切が早すぎることは何を示しているのか
ところで、今回の攻勢にかかるロシア軍の撤退・敗退について私は「ロシアにしては損切が早すぎる」という印象を否めませんでした。

ハルキウ州のロシア側当局者によると、8倍ものウクライナ軍が攻めてきたので撤退したといいます(「奪還領土を大きく拡大とゼレンスキー氏 「兵力はロシアの8倍」とロシア側当局者」9/13(火) 11:11配信 BBC News)。これが事実だとすれば、ロシア軍はハルキウ方面にほとんど人員を割いていなかったということになります。それなりにロシアが防備を固めていたヘルソン方面でのウクライナ軍の前進が芳しくないことも含めて考えると、「破竹の勢いのハルキウ大攻勢」は、このように見ることも可能でしょう。

ロシアが開戦理由に挙げたドンバス地方の戦況についても同様の見方が可能です。イジューム奪還について、ロシアによるドンバス完全掌握が困難になったという見方が出ています(「「兵力はロシアの8倍」ウクライナがハルキウ州“ほぼ全域”奪還か ロシアのドンバス地域掌握は困難に」9/12(月) 18:50配信 TBS NEWS DIG Powered by JNN)。たしかにそのとおりでしょう。しかし、このことについても見方を変えると、そんなにも戦略的に重要な拠点についてロシアはさして援軍を送ることもなく、送ろうとした形跡もなく、サッサと撤退するという早すぎる損切を展開したということになります。これは些か不可解なことのように思えます。

これからウクライナは雨の多い秋を迎えるという事実がカギになるのではないでしょうか。これからウクライナの土地は泥沼と化して戦車や装甲車は思うように進めない季節になります。どうせしばらくは思うようには前進できないのです。また、ドネツ川とオスキル川に囲まれたイジュームはロシアにとっては守りにくそうな場所に位置しています。維持のためのコストがかかるイジュームをこの機に放棄したという評価も可能でしょう。もちろんウクライナ軍の攻勢がなければ引き続き維持したでしょうが、攻勢があった以上、そこまでして維持するほどのものではないということです。「態勢を立て直して、必要になったらまた攻め落とせばよい」という意図を感じるものです。ロイター通信は、謎の「西側当局者」の言としつつ「ロシア軍が防衛を容易にするために戦線を短縮し、そのために領土を犠牲にしたという点で、良い決断をしたことを考慮する必要がある」という指摘を報じているところです(「ウクライナ軍の反攻加速、「転機」か判断は尚早=西側当局者」9/14(水) 2:51配信 ロイター)。

「撤退にかかるロシア側の弁明もまた、ロシアらしくない」という感想を禁じ得ませんでした。

カディロフ・チェチェン首長の「間違いがあった。彼らはいくつかの結論を出すだろう」という指摘(「【要衝撤退】ロ軍の戦略 カディロフ首長が「批判」」9/12(月) 20:30配信 テレビ朝日系(ANN))やハルキウ州の親ロシア派関係者による「防衛線の突破は、ウクライナ軍にとってもちろん大きな勝利だ。彼らが達成したかったことだ。しかし、問題はどんな代償を払ったかだ」といった発言(「親ロシア派、ウクライナ軍勝利を一部認める ハルキウ州」9/10(土) 5:57配信 日テレNEWS)・・・

ついこの間、ザポリージャ原発に着弾したミサイルについて、ロシア側は「ウクライナ軍のロケット弾が奇跡的に180度回転」したなどと子どもみたいな言い訳を臆面もなく口しましたが、これがロシアという国の政府関係者の姿です(「「ウクライナ軍のロケット弾が奇跡的に180度回転」…露側専門家がIAEA調査団に釈明」2022/09/04 18:33 読売新聞)。どんなに負けが込んでも「勝っている」と言い張るのがロシアという国の政府関係者なのです。それと比べると「いったいどうしたの?」というくらいの予想外な上掲反応、何か裏があると警戒すべき反応です。

ウクライナでの後退、ロシア国内でも議論に 批判の矛先は国防省」(9/15(木) 10:41配信 CNN.co.jp)によると、「国民の動員に関する議論と、特別軍事作戦を「戦争」と呼ぶことの議論も議会で始まりつつある」というくだりがあるように、「おい、なにヌルいことやってんだよ!」という方向にロシアが向かいつつあるようです。負けさえも利用しようとする強かさを垣間見ることができます。

ちなみに上掲記事のコメント欄では、「プーチンが追い詰められている!」といった具合の投稿が見られます。いったい記事のどこを読んでいるんだか・・・「プーチン失脚」は開戦以来の日本世論の願望の中心でした。本当にどこまで行っても願望ベースの解釈が展開されるのが我らが日本世論です。

■「得たもの」に狂喜乱舞して「そのために費やしたもの」に対する無関心を示す日本世論
軍事の素人ながら関連記事を読みながら気になったのは、上掲:ハルキウ州の親ロシア派関係者が述べた「問題はどんな代償を払ったかだ」という点にあります。得たものが大きくともそれ以上に失ったものが大きければトータルでは「失敗」ということなります。現在進行形の戦闘であるからか、ウクライナ軍の損失具合はよく見えてきません。もしかすると大した損失もなく成功しているのかもしれませんが、その可能性も含めて何も分かりません。当ブログの関心に即して述べれば、そのことについて我らが日本世論が注意を払っているという兆候は見られません

念のため申しておけば、このことはロシアにこそ言えます。仮にロシアが今後ドンバス全域を完全に掌握し、プーチン大統領の開戦演説にて言及があった「戦争目標」を達成したとしても、果たしてドンバスはここまでして取らなければならないものだったのかということです。

「コスト意識」というと軽く聞こえるかもしれませんが、「大義」が肥大化すると他に盲目になるというのは民間人の命についてだけではないようです。「大義」偏重がもたらす不都合について当ブログでは開戦以来、重ねて指摘してきましたが、此度のウクライナ軍による大攻勢をめぐって湧いてきた威勢の良い言論からは、「得たもの」に狂喜乱舞して「そのために費やしたもの」に対する無関心を見て取ることができます。こんなんじゃ台湾有事・沖縄有事に耐えられませんよ。
posted by 管理者 at 01:02| Comment(3) | TrackBack(0) | 時事 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
https://www.asahi.com/articles/ASQ9J4PP8Q9JUHBI00G.html
 国外に拠点のあるロシア系の独立メディア「メドゥーザ」は15日、プーチン大統領が側近のアルコール依存に懸念を深めていると報じた。ウクライナ侵攻に伴うストレスで、政府中枢のアルコール消費量が増えているためという。
 メドゥーザがロシア大統領府に近い複数の関係者の話として伝えたところによると、政府高官たちの間でアルコールを飲む頻度と量が格段に増えたといい、プーチン氏はとりわけ「複数の側近たち」の状態に注意を払っているという。
(以下は有料記事なので読めません)

 まあ、何というか貴ブログの「日本マスコミ批判」を裏付けるような記事かと思います。
 「独立メディア」とは要するに「プーチン批判派」ですからねえ(プーチン政権から「独立している」にすぎず、あえて言えば米国が資金提供などという可能性もあるでしょう)。
 どこまで信用できるのかと思いますが、そうした慎重さは朝日新聞にはなさそうです。
Posted by bogus-simotukare at 2022年09月18日 08:31
https://news.yahoo.co.jp/articles/b884e9af7fa55086f5d57c6535f478272af0a3fb
「ロシアを核攻撃するよう国際社会は宣言すべき」ゼレンスキー“最側近”に独自インタビュー【BS-TBS:報道1930】
「ロシアがウクライナを核攻撃した場合は、反撃としてのロシアへの核攻撃も選択肢から排除すべきではない」とは常軌を逸していて「ホンマかいな」ですね。
 これがロシアメディアの報道なら「デマ中傷」を疑うところですが、「ロシアに対して批判的な報道を続けてきたTBS」が「ポドリャク大統領顧問発言」として報じてる以上「事実」なのでしょう。
>果たして国際社会、そしてプーチン大統領はポドリャク大統領顧問の発言にどう反応するのだろうか。
と他人事のような文章を書くTBSですが問題は「日本を含む世界各国」「プーチン政権」ではなく「TBSがどう反応するのか」でしょう。
 「ロシアが核攻撃したら」という「前提条件付き」とはいえ、「核攻撃」を公言するポドリャク発言をTBSは支持、容認するのか。はたまた非難するのか?。そしてこの「ポドリャク大統領顧問発言」を「彼の個人的発言」と見ているのか、それとも「彼を重用するゼレンスキー大統領も同意見」と見ているのか。
 それをまずTBSは明らかにしたらどうか。このTBS記事からは「『ロシアをかばうのか』と言われたくないので、ウクライナ批判したくないが、『核兵器使用を擁護するのか』という被爆者や反核派の反発が予想されるので、核攻撃発言を擁護したくもない」として逃げてるようにしか見えません。
 それにしても「ポドリャク発言への評価を逃げたにもかかわらず」こうした発言を報じるTBSの意図が「理解しづらい」ところです。
Posted by bogus-simotukare at 2022年09月25日 20:50
bogus-simotukareさん

コメントありがとうございます。

「政府中枢のアルコール消費量が増えている」――中小零細企業じゃあるまいし、ロシアのような大国の舵取りをするのは「個人」ではないでしょう。

この戦争をめぐっては、「個人」の性格や資質に過剰にウエイトを置く言説が目につきます。その最たるものが「プーチンの誇大妄想が戦争のきっかけ」や「プーチンは重病でマトモな戦争指揮はできない」、「もうすぐ健康問題でプーチンは辞任するから戦争は終わる」でした。敵は「組織」であるよりも「個人」であった方が感情を煽り易いので、プーチン氏に関わる「不都合」なストーリーを真偽を問わず書き立て、戦意を高揚しようという魂胆なのでしょう。

しかしさすがにプーチン氏「個人」の戦争というのには無理があり過ぎるので、近頃は「プーチン政権」に言い換えられるようになってきました。ご紹介の記事はおそらく、以前であればプーチン氏「個人」について書き立てられていたことを「プーチン政権」に置き換えただけのものでしょう。つまり、典型的な戦時プロパガンダということです。

朝日新聞は慎重さを欠いているという指摘は、まったく同感です。

ポドリャク・ウクライナ大統領府顧問にかかるBS-TBS報道については、今振り返れば、「アメリカ様認定の解釈待ち」という解釈もできるかもしれません。

最近、ミリー統合参謀本部議長が「短期的なウクライナの軍事的勝利の確率は高くない」と非常に重要な発言をしましたが、NHKニュース7は11月17日の放送で開始15分(ちょうど番組中盤)で軽く触れる程度、同日のニュースウォッチ9は触れもしませんでした。ニュース7は報道の色合いが強い番組で、ニュースウォッチ9はニュースを深堀する番組ですが、後者がミリー発言を無視したという事実は、NHKが当該発言に困惑しアメリカ様からの続報を待っている証左でしょう。

このような出来事は、この戦争ではあまりにも、ありふれています。

NHKとアメリカ様との関係は究極的には日本とアメリカ様との関係なので、BS-TBSとアメリカ様との関係もNHKとアメリカ様との関係と似たり寄ったりだと思われます。BS-TBSも一応報道機関なので局としての意見はあるでしょうが、アメリカ様のご意向には逆らえないでしょう。そうでなければ、この戦争にかかる報道がこんなにも一色化するはすがありませんから。

ポドリャク・ウクライナ大統領府顧問にかかるBS-TBS報道もこうした文脈に位置付けることもできるのではないでしょうか?
Posted by 管理者 at 2022年11月23日 20:53
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