首相、曽我ひとみさんと7月上旬に面会へ 拉致問題解決の決意示す長年にわたり口先ばかりで「第一人者」を僭称するが如きだった安倍元首相も酷いものでしたが、「困ったときの拉致問題頼み」があまりにも露骨な岸田首相のニワカ者っぷりはさらに酷いと言わざるを得ません。政局の道具という魂胆があまりにもハッキリしています。
6/21(水) 22:37配信
毎日新聞
岸田文雄首相は7月上旬、北朝鮮による拉致被害者の曽我ひとみさんと首相官邸で面会する調整に入った。政府関係者が21日明らかにした。現職首相が曽我さんと面会するのは2018年7月の安倍晋三首相(当時)以来。岸田首相は曽我さんとの面会で、拉致問題解決に向けた決意を改めて示すとみられる。
(以下略)
https://news.yahoo.co.jp/articles/7219b5ba870b0bd209be95b6bcffaf5ddaf4f7f8
拉致解決へ首相訪朝はあるのか 対話呼び掛け、即座に反応【政界Web】時事通信にしては異例の2ページにわたる記事。「当面は北朝鮮の出方を見極める展開になりそうだ」と結んでいますが、岸田内閣にそんな悠長なことを言っていられる残り時間はないでしょう。なんといっても、辛坊治郎氏に「このままだと政治的に野垂れ死にする恐れもある」と言われるくらいですから(「内閣支持率下落の岸田首相「このままだと政治的に野垂れ死にする恐れも」辛坊治郎が指摘」6/20(火) 17:20配信 ニッポン放送)、これは相当危うい事態であるはず。自民党の権力維持のために岸田降ろしが起こる日も遠くないでしょう。
6/17(土) 16:00配信
時事通信
北朝鮮による日本人拉致問題の解決に向け、岸田文雄首相が本腰を入れ始めた。「私直轄のハイレベルで協議したい」。5月下旬に日朝交渉への意欲を表明したところ、北朝鮮側は異例の早さで「会えない理由はない」と反応。日本側はこれを「留意する必要がある」(内閣官房幹部)と受け止め、さらなる動きを注視している。約20年ぶりの首相訪朝はあるのか。これまでの経緯を振り返った。(時事通信政治部 田中庸裕/肩書は当時)
日朝とも新しい文言
首相は5月27日、拉致問題に関する集会で「条件を付けずに、いつでも金正恩委員長と直接向き合う」とした上で、「首脳会談を早期に実現すべく私直轄のハイレベルで協議を行っていきたい」と踏み込んだ。「条件を付けない」や「直接向き合う」は安倍政権から引き継ぐ立場だが、「直轄のハイレベル協議」は新しいフレーズだ。
北朝鮮は同29日、パク・サンギル外務次官の談話を発表した。「拉致問題は解決済み」など従来の主張を繰り返す一方、新たに「日本が過去に縛られず、新しい決断を下し、関係改善の活路を模索しようとするなら、朝日両国が互いに会えない理由がないというのが、共和国政府の立場だ」との一文が盛り込まれた。
これは「見慣れない文言」(日本外務省関係者)という。北朝鮮が「呼応」したのか。日本政府内を取材すると「これまでと違う反応だ」、「首相の発言が響いている」など一定の手応えを感じているようだ。
(中略)
拉致被害者家族連絡会(家族会)は2月、全拉致被害者の一括帰国を条件に、北朝鮮への人道支援を容認する方針を決定。5月に訪米し、バイデン政権の理解も得たという。活動を支援する自民党議員は「政府は制裁一辺倒ではなく、交渉のために『人道支援カード』も切り得るという姿勢に転換した」とみる。
日本側のシグナルは届くのか。北朝鮮側は現状、「軍事偵察衛星」の早期打ち上げを示唆するなど、挑発をやめる気配はない。その基本戦略は、核戦力の向上をてこに米国から体制保証を得ることとされる。韓国政府関係者は「北朝鮮が拉致問題のみを議論するために日朝対話をすることはない」と懐疑的だ。
ある日本の情報機関筋は、北朝鮮で新型コロナウイルス感染拡大に伴う「鎖国」緩和の動きが出ていることに触れ、対外姿勢が変化する可能性を指摘。当面は北朝鮮の出方を見極める展開になりそうだ。
そもそも「見込み」はあるのでしょうか?「事実からの出発」を徹底させることが必要です。パク・サンギル共和国外務次官の談話に当たってみましょう。
https://www.coreanews.net/entry/2023/05/29/204402
2023-05-29さて、「現在、日本は「前提条件のない首脳会談」について言っているが、実際においてはすでに解決済みの拉致問題とわが国家の自衛権について何らかの問題解決をうんぬんし、朝日関係改善の前提条件として持ち出している。(中略)もし他の対案と歴史を変えてみる勇断がなく先行の政権の方式で実現不可能な欲望を解決してみようと試みるのなら、それは誤算であり、無駄な時間の浪費になるであろう」というくだり、ここからは拉致問題が日本当局の望む方向に動くとはとても思えません。
朝鮮外務省パク・サンギル次官 岸田首相の朝日首脳会談発言と関連し談話発表
(中略)
27日、日本の岸田首相がある集会で朝日首脳間の関係を築いていくことが大変重要であると発言し、朝日首脳会談の早期実現のために高位級協議を行おうとする意思を明らかにしたという。
われわれは、岸田首相が執権後、機会あるたびに「前提条件のない日朝首脳会談」を望むという立場を表明してきたことについて知っているが、彼がこれを通じて実際に何を得ようとするのか見当がつかない。
21世紀に入って、2回にわたる朝日首脳の対面と会談が行われたが、なぜ両国の関係が悪化一路だけをたどっているのかを冷徹に振り返ってみる必要がある。
現在、日本は「前提条件のない首脳会談」について言っているが、実際においてはすでに解決済みの拉致問題とわが国家の自衛権について何らかの問題解決をうんぬんし、朝日関係改善の前提条件として持ち出している。
日本が何をしようとするのか、何を要求しようとするのかはよく分からないが、もし他の対案と歴史を変えてみる勇断がなく先行の政権の方式で実現不可能な欲望を解決してみようと試みるのなら、それは誤算であり、無駄な時間の浪費になるであろう。
過ぎ去った過去にあくまで執着していては、未来に向かって前進することができない。
もし、日本が過去に縛られず、変化した国際的流れと時代にふさわしく相手をありのまま認める大局的姿勢で新しい決断を下し、関係改善の活路を模索しようとするなら、朝日両国が互いに会えない理由がないというのが、共和国政府の立場である。
日本は、言葉ではなく実践の行動で問題解決の意志を示さなければならない。
その上で、「もし、日本が過去に縛られず、変化した国際的流れと時代にふさわしく相手をありのまま認める大局的姿勢で新しい決断を下し、関係改善の活路を模索しようとするなら、朝日両国が互いに会えない理由がないというのが、共和国政府の立場である」というくだり、ここを談話全体の文脈から鑑みるに、「日本政府内を取材すると「これまでと違う反応だ」、「首相の発言が響いている」など一定の手応えを感じているようだ」という日本政府関係者の見立ては大きく外しているように思えてなりません。要するに、「今までのやり方を踏襲する限りは無駄だぞ、態度を改めれば相手してやってもいいぞ」と言われているわけですから。
つまるところ、何か爪痕を残したい岸田首相が閃いて飛びついたのが拉致問題だったのでしょう。しかしながら、コメント欄にもありますが、共和国としては「「拉致は解決済み」という北が、まして「死に体内閣」になった岸田政権にまともに対応するはずもなく、逆に「日本から取れる物があったら取ってやろう」程度のジャブを返したもの。」といったところだと思われます。功を急ぐ岸田首相の「ガード」が低くなり得るので、そこを狙うということです。あるいは、どうせ先が長くはなく何もできない岸田首相には少し甘い顔をしておいて、ポスト岸田が強硬姿勢を示せば直ちに「岸田前首相に対して示したとおり我々は門戸を開いてきた。それなのに新首相は・・・」と言うつもりなのかもしれません。
いずれにせよ、岸田首相の対話呼び掛けに即座に反応があったからといって、拉致問題が日本当局の望む方向に動く展望はないと言わざるを得ないでしょう。
ラベル:政治