【独自】食事断ると「ボーナスカット」 終電後に「もっと飲め」泥酔状態の女性部下2人をホテルへ…暴行容疑で39歳社長逮捕※実名は当方の編集判断として伏せておきます。
7/18(火) 11:13配信
FNNプライムオンライン
数枚の1万円札を手にして笑う男。
自身が社長を務める会社の20代の女性従業員2人を暴行するなどした疑いで逮捕された、●●●●容疑者(39)。
被害に遭った女性2人が取材に応じ、普段から社長である●●容疑者によるハラスメント行為があったことを明かした。
被害女性:
ご飯を断ると「俺、社長だぞ」とか「次のボーナスカット」みたいなことをノリなのか分かんないけど、そういうこと言われるから…
(以下略)
私有財産制度に基づく生産手段の私的支配が従業員の人的支配にまで拡大してしまった一例。もちろん、こんなものは私有財産制度の本旨ではないでしょうが、生産手段を私的に所有しているか否かに基づく立場の強弱は、悪用されると人間に対する支配の手段にもなり得、極めて危険なのです。
警察を呼ぶ・労基署に助けを求める――本件も警察沙汰になったからこそこうして私たちも知るに至ったわけですが、従業員たちは社長のやりたい放題の被害に既にあってしまっています。この社長サンには刑罰の威嚇効果は効かなかったようです。
職場やその関係の懇親会という場が基本的に密室であるという事実を重視する必要があります。密室での犯行の瞬間において自分自身の身を守ることができるのは、現実問題として自分(たち)だけです。しかし前述のとおり、生産手段を私的に所有しているか否かに基づく立場の強弱が足枷となって自らの自主性を十分には守れていないのが現実なのです。
「嫌なら辞めればいい」――たしかに、以前から述べているとおり世の中の大抵のことは関わり合いになることを止めれば問題ではなくなります。この方法は重要なものです。「自主権の問題としての労働問題」というテーマを掲げてきた当ブログでは、「嫌だから辞める」「無理だから辞める」という方法論は、一つの道として決して捨て去るべきではないと強調してきたところです。しかし、そう簡単に辞められれば苦労はないので、必ずしも常に現実的な方法論ではありません。この一件からもそのことはよくわかります。パワハラ・セクハラの僅かな時間内にすべてを計算して身のこなしを決断することは現実的ではありません。
ここにおいてこそ、協同所有・協同経営の必要性が出てくると考えます。少なくとも企業経営に労働者階級が食い込む必要性、経営に参加・参画する必要性があると考えます。社長以下全社員が相互牽制的な関係性に立つ制度を導入することで、誰か一人のワガママで他の社員が支配されないようにする必要があると考えます。
※サークルのように上下関係のないフラットな関係にしろと言っているわけではありません。あくまでも協同所有・協同経営を求めるものであり、それは後に述べるように企業統治における民主主義の概念の導入を求めるものです。社長―部長―課長―係長といった組織的な命令系統は、効果的な企業活動に欠かせないものです。
国家統治(政治)において為政者のやりたい放題は許されないという認識は、民主主義や国民主権といった概念によって既に広く浸透しています。しかし、企業統治(経済)においてはそうではありません。政治家の強権・独裁や身内びいき・世襲は批判されるが企業所有者のそれはそれほど批判されないのです。
さしづめ、「企業は私有財産だから所有者の勝手だが、国家は政治家のものではないから独裁は許されない」ということなのでしょうが、本件のように、私有財産制度の本旨ではないとはいえ、私有財産制度に基づく生産手段の私的支配が事実として従業員の人的支配にまで拡大してしまう例がある以上は、企業統治においても民主主義の概念を導入する必要があると私は考えます。
ラベル:自主権の問題としての労働問題
