2023年10月11日

「北朝鮮」では餓死者が続出しているのか? そう言い切ることは実態を理解することを妨げるのではないか?

https://news.yahoo.co.jp/articles/1fa3da81801de2629e2f5511f4b6473a7bd13889
「北朝鮮、ロシアの食糧支援の提案を断った」…「変化した北朝鮮」の道とは
10/3(火) 8:09配信
ハンギョレ新聞

(中略)
 この過程でこれまで「聞きなれた北朝鮮」と「変化した北朝鮮」の違いも再び確認された。様々な国の政府とメディア、専門家らは、北朝鮮が深刻な食糧難を緩和するため、ロシアに食糧支援を要請し、ロシアもそれに応じると予想していた。このような見通しの主な根拠は、上半期に北朝鮮で餓死者が続出するほど食糧難が深刻だという尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の主張だった。ところが、北朝鮮は今回の朝ロ首脳会談で、ロシアの食糧支援の提案を断ったことが分かった。これと関連し、ロシアの駐北朝鮮大使は17日、「タス通信」を通じて、北朝鮮がロシアの食糧支援提案に対し「もうすべて大丈夫だ」と丁重に断ったとし、「今年、彼らは非常に豊作だった」と述べた。このような内容は、筆者が5月中旬に北京で会った中国の消息筋が伝えた内容とも一致している。当時、その消息筋は「北朝鮮で飢え死にした人が出たという情報はなく、むしろ食糧事情が改善されている」と語った。

 この事例は注目に値する。外部に「耳慣れた北朝鮮」は、住民たちが飢えており経済状況は非常に厳しいのに、金正恩政権は核の高度化にこだわっているといったものだ。また、北朝鮮が核武装にこだわる限り、国際的孤立も進むだろうと警告してきた。しかし、上の事例は「変化した北朝鮮」がそこまで危うい状態ではないことを示唆している。食糧と経済事情が良くなっているだけでなく、今後もこのような傾向が続く可能性をうかがわせる。北朝鮮は2013年、並進路線の宣言以降、特に2021年8回党大会を経て、自力更生や自給自足に拍車をかけてきた。そして今年下半期の国境封鎖解除後、朝中・朝ロ交易と経済協力も本格的に進めている。内的な力と外的な環境が大きく改善されているわけだ。
(以下略)
ここ最近またしても「北朝鮮で餓死者が続出」といった眉唾情報が出てきています。しかしながら上掲記事にもあるとおり、先の元帥様訪露においては食糧支援要請は、遂にありませんでした。元帥様が格好つけて瘦せ我慢的に食糧支援を要請しなかったとは考えにくいことです。なぜならば、元帥様は過去に世界食糧計画に対して支援要請したことがあるからです。

むしろ食糧事情が改善されている」(中国消息筋)かどうかは外部からは分かり得ないことですが、元帥様がロシアに食糧支援を要請しなかった事実は注目に値するでしょう。果たして共和国では本当に餓死者が続出するほど食糧事情が悪化しているのかという問いを立てることができます

8月時点での情報ではありますが、rodongshinmunwatching様が興味深い記事を取り上げていらっしゃいます。韓「国」の国家情報院が非公開会合で発表したとされる共和国での餓死者数にかかる情報です。
後者については、国情院が17日に国会情報委員会(非公開)で行ったとされる内容を議員が伝えたもので、それによると、「北(朝鮮)で1〜7月に発生した餓死は約240件で、直近5年間の平均(約110件)の2倍以上に増えた」由である。

 この数字も、そもそもこうした統計が本当に存在するのか(北朝鮮当局としても把握しうるものなのか)など、根拠が甚だ不透明で、にわかに信じがたいものであるが、仮に、これが実際の数字であるとしても、北朝鮮の人口(約2,500万人)からすると、厳しいと言われる今年に入って現在までの餓死者発生率が10万人に1人以下となる。つまり、人口10万余の都市・郡とかごとに1人ということになる。

 そうであるとすれば、そうした「餓死者発生」とか、その「増加」という現象が北朝鮮社会全般に及ぼす影響ないし北朝鮮の一般の人々の生活を反映する程度という観点からすると、それは、さほど特筆大書すべき事柄ではないようにも思える。もちろん、そうした極端事例が食糧事情の悪化という一般的傾向を象徴的に示していることは否定できないが、逆に、そうした傾向が存在するとしても、それを「餓死者増加」という現象によって代表させるのは、北朝鮮社会(人民生活水準)に対する等身大の理解をむしろ妨げる結果を招くのではないだろうか。
本来、餓死者はゼロであるべきなのは論を俟たぬことです。「2500万人分の240人だからいい」というつもりは、まったくありません。しかし、だからといって「餓死者続出」などと書き立てることは実態と異なるのではないか、実態を理解することを妨げるのではないかというご指摘は正当なご指摘であると言えます。
ラベル:共和国
posted by 管理者 at 22:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | 更新情報をチェックする
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