共通利益で日米韓の連携持続 エマニュエル駐日米大使朝中露に対する日米韓の優位性を説いているつもりになっているエマニュエル駐日米大使ですが、失笑を禁じ得ないものです。
12/5(火) 18:34配信
共同通信
エマニュエル駐日米大使は5日、東京都内で共同通信などの取材に応じ、日米韓が進める連携強化を巡り「3カ国には共通利益があり、だからこそ持続する」と述べ、一過性のものではないとの認識を強調した。中国、北朝鮮、ロシアについては「互いの戦略的利益が異なる」と語り、日米韓のような協力関係は築けないと指摘した。
(以下略)
朝中露3か国の関係は、それぞれ自主的な独立国家であり相互の関係は対等であるがゆえに是々非々の関係であると言えます。それゆえ、朝中露が「互いの戦略的利益が異な」っているのは至極当然のことであります。是々非々の関係でのお付き合いは、見ようによっては「一過性」と言えないこともないでしょうが、しかしそれもまた至極当然のことであります。本来、独立国家同士の利益は必ずしも一致しない(完全に一致しているのならば統一したほうがよい)ので、合従連衡すること自体は何らおかしなことではありません。そして何よりも、朝中露の3か国はいずれも自立的経済を確立している国々。いざとなれば、苦労することはあっても自給自足でやっていける国々。合従連衡できるということは、それだけ国が自主的であり独立的である証拠であると言えます。
エマニュエル駐日大使によると、朝中露が「互いの戦略的利益が異な」っているのに対して日米韓は「共通利益」があり、それゆえに朝中露の協力関係が一過性的であるのに対して日米韓の協力関係は持続的だといいます。事実から出発するに、朝中露の協力関係は前述のとおり是々非々ゆえに合従連衡の関係にありますが、朝中露それぞれがお互いに高度の独立性を保ちながら利益を引き出し合って来ています。つまり、相互に独立的な関係にありつつも協力的な関係にもある朝中露の適度な関係に対して日米韓の協力関係が「より高度かつ緊密」だというエマニュエル駐日大使の発言からは、日米韓の協力関係が相互独立性を損ねた形の「協力関係」であるとうことを示していると言えます。
事実から出発するに、アメリカ合衆国と日本「国」、そして韓「国」は、宗主国と属国・衛星国の関係であるがゆえに、日本「国」と韓「国」は、アメリカ合衆国の国益に付き合わされています。これを「共通利益」などとするのは、単なる自己利益に過ぎないものを「普遍的価値」であるかのように装う、フランス革命以来のブルジョアジーたちの常套句以外の何者でもありません。
ところで、エマニュエル駐日大使の発言には「敵ながらあっぱれ」といいますか、感心せざるを得ないところがあります。「共通利益」や「協力関係」といった精神的に未熟で独り立ちできておらず、付和雷同しないではいられない日本人の琴線に触れる言葉を散りばめている点です。ロシアのウクライナ侵攻を巡って日本メディアが「ロシアの国際的孤立」を殊更に強調してきた点に顕著に表れているように、日本人は「味方」の多寡をとにかく気にします。日常生活においても他人の評価を非常に気にしており、内心は「違うんじゃないか」とか「本当は嫌なんだけど」と思いながらも、多数派の後に続くのが日本人の生態です。とにかく「よそ様と同じ輪に入って同じことをする」ことを目指して生きています。
そうした日本人の生態からいえば、日米韓には「3カ国には共通利益があ」るので「協力関係」を築けるが、朝中露にはそれがないので「協力関係」は「一過性のもの」であるという構図化は非常に刺さってくるものです。さすがは日本総督としての駐日大使。日本人の精神年齢を熟知していらっしゃる。
アメリカの政治的・経済的・軍事的・思想的覇権と支配が続く限り、日米韓3か国の「共通利益」の関係は「持続」するでしょう。特に重大なのはアメリカの思想的覇権。「自由民主主義」のイデオロギー解釈権をアメリカが独占していることもさることながら、日本「国」が精神的に独立した大人にならない限り、そして韓「国」が事大主義精神から脱しない限り、アメリカの思想的覇権が揺らぐことはないでしょう。
ラベル:国際「秩序」
所詮「すねかじりの息子(日本ウヨ)」の「だだコネ」にすぎないとはいえ、「LGBT法問題」で日本ウヨが「エマヌエルの内政干渉を許せない!」と吹き上がっていたことは、エマヌエル当人も知ってるでしょうによくもまあフィクションを公然と放言できるモンです。
勿論「左派の米軍基地反対運動」は言うまでもない。
まあ自民党政権がこうした物言いを容認し、日本人多数派もそうした自民の態度を容認してるのは事実ですが。
コメントありがとうございます。
エマニュエル氏が言っているのは、あくまでも国防・国防上の利益が日米韓で一致しているというだけでしょう。在日米軍基地反対運動などは無視しているのでしょう。現実問題として反対運動が在日米軍の行動を著しく阻害しているとは言い難く、アメリカとしては「あまり痛くはない」のでしょう。
コメントありがとうございます。
ご理解・ご賛同いただきありがとうございます。思想における主体の確立は、チュチェ思想で最も重要とされていることですが、日本人においてもっとも欠けているのは、まさにこれであると私は考えています。いかにして思想における主体を日本人の思考において確立するか、これが日本の自主化・日本の革命的変革においての最重要課題であると考えています。当ブログは「日本の自主化の道筋を探る」というのを一つのテーマとしています。今後も、このことについて考えて参る所存です。