2023年12月18日

朝露関係のさらなる深化――統一ロシア大会への祝電における「プーチン大統領同志」表現

http://www.kcna.kp/jp/article/q/194c91f44809c3381162187640fed0de.kcmsf
朝鮮労働党中央委員会が全ロシア政党「統一ロシア」第21回大会に祝電
(中略)
朝鮮労働党中央委員会は、統一ロシア第21回大会を熱烈に祝うとともに、大会を通じて貴党指導部と全ての党員に温かいあいさつを送る。

われわれは、今回の大会がプーチン大統領同志の強いロシア建設構想を実現するための貴党の活動において重大な意義を持つ契機に、意義深い会合になると確信する。

朝鮮労働党中央委員会は、わが両党間に結ばれた善隣・友好関係が朝露ボストーチヌイ首脳対面で遂げられた歴史的な合意を実現して、伝統的かつ戦略的な朝露友好・協力関係を新たな高い段階へ昇華させるのに積極的に寄与することになるとの期待を表明するとともに、貴党大会の活動で大きな成果が収められることを願う。−−−

www.kcna.kp (チュチェ112.12.16.)
共和国メディアがロシアのプーチン大統領を「同志」と呼ぶことについては、7月28日づけ「『労働新聞』記事に掲載された「プーチン同志」「ショイグ同志」という表現が意味することについて」及び9月18日づけ「朝露接近と朝日関係」において、朝露関係の深化として既に取り上げたところですが、今回は朝露関係が一段と深まりつつある証左として記録できるものと私は考えます。なぜならば、いままでに登場した「プーチン同志」という表現は、戦勝70周年記念行事といった限られた場面にのみ出現するものに過ぎなかったものだったからです。従前の朝露関係は、あくまでも反帝反米自主闘争に限った同志の関係に過ぎなかったということができます。

これに対して今回、朝鮮労働党中央委員会は統一ロシア大会への祝電に「プーチン大統領同志」という表現を用いました。いまロシアは西側諸国と激しく対立しているところではありますが、ロシアが西側諸国と対決しているのは、あくまでもロシアがロシアとして自主的に生き抜くためであり対決自体は目的ではありません。よって、統一ロシア大会は反帝反米自主闘争の決起集会ではありませんまた、統一ロシアは社会主義・共産主義を志向する政党でもありませんそのような政党の大会に「プーチン大統領同志」という表現を使ったわけです。このことに注目しないわけには行かないものと私は考えます。

加えて申せば、戦勝70周年記念行事における「プーチン同志」表現は、朝鮮語版にのみ見られたもので日本語版では「プーチン大統領」という表現を貫徹していました。それに対して今回は上掲のとおり、日本語版でも「プーチン大統領同志」という表現を使用しています。些細なことに見えるかもしれませんが、こういう微妙な表現の匙加減に大きなメッセージを込めるのが共和国のお国柄。このことにも注目しないわけには行かないものと私は考えます。

朝露関係が更に深化しています。
posted by 管理者 at 22:52| Comment(2) | TrackBack(0) | 時事 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
確かに、軍事関係以外でプーチン大統領を同志と呼ぶのは初めて見た気がします。
ところで、最近は共和国の談話などでカッコも付けずに大韓民国と呼称する事が多いですが、それにはどの様な意味が込められているのでしょうか。
Posted by ぐう at 2023年12月21日 15:13
ぐうさん

コメントありがとうございます。

この件については、非常に重要な問題提起であると考えました。つきましては、記事化しました(http://rsmp.seesaa.net/article/501869948.html)ので、それを以ってお返事とさせてください。
Posted by 管理者 at 2023年12月25日 21:58
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック