ハリス副大統領 民主党大会を前に激戦ペンシルベニア州で演説トランプ氏がいう「ハリス氏は社会主義的な価格統制を行うと発表した」というのは、「米 ハリス副大統領 新たな政策発表 “物価引き下げ 最優先に”」(2024年8月17日 8時16分)の「また食品をめぐっては、価格をつり上げて不当な利益をあげた企業に罰則を科すことを盛り込んだ、初めての連邦法を制定するとしています」を指しているものと思われますが、「ハリス氏は完全な共産主義者になった」というのは、とんでもない見当違いです! 偉大な共産主義者であるキム・イルソン同志は次のように指摘なさっています。
2024年8月19日 7時07分
(中略)
激戦州のペンシルベニア州では、返り咲きを目指すトランプ前大統領も前日の17日、集会を開きました。
このなかで、16日にハリス副大統領が発表した、住宅や食品などの価格引き下げに向けた新たな政策について「ハリス氏は大統領になった初日に価格を下げると言ったが、彼女の初日は3年半前だ。なぜそのときやらなかったのか。いますぐにもできるはずだ」と述べ、いまの政権で副大統領の立場にいるのに政策を実行していないと批判しました。
そのうえで「破滅的なインフレを引き起こしたあと、ハリス氏は社会主義的な価格統制を行うと発表した。ハリス氏は完全な共産主義者になった。私たちの国を破壊したがっている。あと4年、ハリス氏が政権を担ったら国の財政は2度と回復しない。悪化するだけだ」と訴えました。
人民の需要をみたせない商品は、たとえ国家が唯一的に価格を制定したとしても、闇取引されたり、農民市場で又売りされるということを忘れてはなりません。商店の品物を買いだめしておいて、他人が急に必要になって求めるときに高値で売りつけるような現象があらわれるようになるのです。たまごの販売の問題を例にとってみましょう。現在、平壌をはじめ、各地に養鶏工場を建設してたまごを生産していますが、まだ人民に十分供給できるほどではありません。そういうわけで、たまごも国定価格と農民市場価格とのあいだに差が生ずることになるのですが、これを悪用して又売りする現象があらわれています。もちろん、だからといって、たまごをいくつか又売りした人を罪人扱いにして教化所に送るわけにもいかず、ほかの方法で統制するとしても、販売量を調節するといったようないくつかの実務的対策を立てること以外に方法はありません。もちろん、こうした対策もとらなければなりませんが、そんな対策では商品が一部の人たちに集中する現象をある程度調整できるだけで、それが農民市場で又売りされたり、闇取引される現象を根本的になくすことは決してできません。この問題を解決するためには、品物を多く生産しなければなりません。産卵養鶏工場をより多く建設し、人民の需要をみたすほど大量に生産するならば、たまごの闇取引はなくなるであろうし、農民市場で売買されることもおのずとなくなるようになるでしょう。キム・イルソン「社会主義経済のいくつかの理論的問題について」、『金日成著作集』第23巻、外国文出版社(朝鮮)、1985年、p488〜489。
人民の需要を満たせない商品を高値で転売する現象を取り締まりで根本的になくすことはできない、根本的解決のためには供給量を増やすほかにないと指摘なさる偉大な共産主義者である我が首領様。完全に正しい指摘です。
ハリス氏がどこまで具体的に詰めてから公約として口にしたのかは判然としません(まさか口から出任せ?)が、ハリス氏は決して共産主義者ではなく、「転売ヤー」叩きの言説の如き点において「ヤフコメレベル」というべきでしょう。
日本にも言える事ですが、資本主義諸国は、何かしらの否定的現象が起こった時、その原因自体を無くす為の根源的な対策は講じずにお粗末な場当たり的対応に終止するのが当たり前になっている様です。日本の「自殺対策」なる物は、まさにその典型例だと思います。
それにしても、米国や日本、傀儡韓国の右翼勢力は反対勢力を過大評価しすぎだと思います。今回のトランプ然り、蓮舫を「ソビエト蓮舫」と罵る日本の右翼然り、「反国家勢力が暗躍」と宣う尹然り。
それにしても、米日の保守勢力というのは政敵を過大評価しすぎです。「共産主義者」と呼ばれたハリス然り、「ソビエト蓮舫」と呼ばれた蓮舫然り、所詮は資本主義体制の枠内でしか活動していないのですから。
コメントありがとうございます。コメント投稿が上手くいかなかったために二重投稿になってしまったとのことで、ご迷惑おかけしました。
当ブログは特にNGワードを設定していないので、投稿できなかった場合は技術的な問題になると思います。ご意見をいただきたいからこそコメント欄を開放しているので、二重投稿の可能性はあまり深刻に考えず、投稿いただければと思います(技術的問題は、一ユーザーのレベルでは必ずしも速やかには対応できません)。
「原因を深掘りすると資本主義社会の根本的矛盾に辿り着くからでしょうが、資本主義諸国は否定的現象には場当たり的で小手先の対応しかしていない」という貴見に全面的に賛同します。
共和国から何度も批判されている日本の「自殺対策」は、このことに本気で取り組もうとすれば、ブルジョア「個人」主義そのものにメスを入れるほかないが、そんなことをすればブルジョアジーの経済的利権を根本から掘り崩すことになるので取り組むことができない点において、ブルジョア国家たる日本では解決し得ない問題。まさしく典型的であると私も考えます。
人間の命の問題に真摯に取り組めない「国家」とは、いったい、どのような意味において国家であると言えるのか。国家たる資格があるのか。経済の論理が社会を塗りつぶしてしまっているのが資本主義社会であると指摘したのは経済人類学者のカール・ポランニーでしたが、このことについては根本的次元から問わねばならないと思います。
保守勢力が政敵を過大評価しがちだというのは、そもそも保守主義が「人間理性の限界」を思想的基盤においている、いわば「心配性」たる本性である点に根源があると考えますが、それにしてもハリス氏や蓮舫氏をあまりにも過大評価しているのは、「過ぎたるは及ばざるがごとし」と言わざるを得ないでしょう。ご指摘のとおり、「所詮は資本主義体制の枠内でしか活動していない」わけですから。
その意味において、「中庸」を是とする保守主義としては「行き過ぎ」の誹りを免れ得ないでしょう。
これが「身内の引き締め」であれば幸いですが、本気でハリス氏を共産主義者だと思っていたとすれば、それはもはや本来的な意味での保守とは言い難いと思います。私は本来的な思想的立場としての保守主義には一定のリスペクトを持っていますが、本気でハリス氏を共産主義者だと思っているような自称「保守」主義者にリスペクトすることはできません。